スタディ・ライフ・バランスとは

・ スタディ・ライフ・バランスとは、株式会社リクルートホールディングス(以下リクルート)が小・中学生の学びにおいて2016年のトレンドになるとして予測したキーワードのひとつ。リクルートが2015年12月に、美容、アルバイト・パート、飲食、社会人学習、進学、小・中学生学び、住まいの7領域についてそれぞれ予測トレンドキーワードを発表したもの。

・ スタディ・ライフ・バランスは、仕事と家庭・プライベートのバランスを意味する「ワーク・ライフ・バランス」の「ワーク」を、子どもにとっての「ワーク」=「スタディ」に置き換えた言葉。近年、ICTを活用した新しい学びや生活のスタイルが増える中、子供一人ひとりにとって最適な学びと生活のバランスを意味するスタディ・ライフ・バランスを、保護者や教師などの大人が中心となって考える必要性が高まっている。

・ 2015年3月にはすでに、スタディ・ライフ・バランスを整えることの重要性を啓発するため、教育の専門家や子ども向けのサービスを展開する有識者らによって「スタディ・ライフ・バランス推進プロジェクト」が発足していた(リクルート系企業がサポート)。

・ 教育の専門家、学校教育の現場、子を持つ保護者らの間で、スタディ・ライフ・バランスは話題となっている。とりわけ子育ての観点からは、子どものスタディ・ライフ・バランスを整えるために親が持つべき姿勢とは何かが、重要なテーマとなっている。

スタディ・ライフ・バランスが注目される理由

・ リクルートは、いまスタディ・ライフ・バランスに注目する理由として、次の二つの事情を挙げている。

- 2021年度入試からの大学入試改革
2021年度の大学入試から、大学入試センター試験が廃止され、受験者の思考力・判断力・表現力を問う試験が導入されるほか、大学個別の選抜においても主体性・多様性・協働性が問われるようになる。今現在中学生以下の子どもは今後、知識を得ることだけでなく、知識を活用する能力や主体性が問われるようになるため、それを支える多様な経験を積むことが必要となる。

- 教育現場におけるインフラ整備の進展
政府は、2020年までに小・中学校の児童・生徒にタブレットを配布するという方針を掲げており、教育現場でのICT環境は、急速に整備されてきている。教育にICTを活用すると、蓄積された学習データをもとに効率的な学習を進めることができたり、保護者や教員が子どもの学習状況をより詳しく把握できるようになったりするほか、リクルートの調査によれば子どもの主体性を伸ばす効果があることも明らかになっている。

・ このような事情から考えると、ICTのおかげで効率的な学習が行えるようになり、時間に余裕が生まれれば、今新たに求められる別の力(知識の活用能力、主体的な活動能力)を得るために必要な多様な経験を積むための時間に充てることができるようになる。

yoko815
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スタディ・ライフ・バランスは崩れやすい

・ 今の子どもの学習・生活環境では、スタディ・ライフ・バランスは崩れやすいと言われている。子どもの中には、受験のために毎日塾に通うことで生活の大部分を勉強して過ごす子どもや、家庭の事情で教育サービスを満足に受けられず十分な勉強ができない子どもがいる。スタディ・ライフ・バランスの崩れは、こうした生活スタイルのほか、以下の4つの要因からも引き起こされている。

(1) 子どもの発達において大きな変化が訪れる「小4の壁」
(2) 子どもの勉強についての苦手のポイントがわからず適切な声かけ・見守りができない
(3) 教育費の負担が大きくなり教育への過度な期待が増えてしまう
(4) 大人の「ワーク・ライフ・バランス」が崩れている

(引用元:@Press|「スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト」発足  ~「お子さんの生活における勉強のバランスを見直してみませんか?」 専門家らが呼びかけ~

・ これらの要因から、親と子どものコミュニケーションが不足したり、親から子どもにかける一言がプレッシャーの強いものになったりすると、スタディ・ライフ・バランスは崩れてしまう。したがって、子どものスタディ・ライフ・バランスを整えるのは親をはじめとする大人の役割が大きい。前述のスタディ・ライフ バランス推進プロジェクトの賛同メンバーで、学校心理士・臨床心理士の田村節子氏は、次のように指摘している。

「子どもの学習状況が『見える化』される時代。それによって『これしかやっていないの?』と子どもへの管理を強めてしまっては逆効果。『見える化』される情報は生身のコミュニケーションのきっかけにし、上手に使えば子どもの勉強の習慣づけにつながる」

(引用元:同上)

大切なことは、お子さんとたくさん会話をし、生身のコミュニケーションを増やすことです。
そうすることで、勉強面以外でもお子さんの良さはたくさん見えてくるはず。
お子さんの学習状況などの情報は、「管理」を強めるためではなく、会話のきっかけに使うと良いと思います。

(引用元:スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト|スタディ・ライフ バランスについて考えてみましょう

スタディ・ライフ・バランス向上に向けた取り組み例

・ スタディ・ライフ・バランスを整えるのに功を奏した取り組みの例として、リクルートは次のような事例を紹介している。

- 家庭学習にタブレットなどのツールを使わせることで効率化させ、子どもが主体的に取り組む姿勢を高め、学習内容に関する親子のコミュニケーションを活発化した。学習を効率化できたことで生まれた時間を、家族と過ごす時間にあてられるようになった。

- 学校の授業にタブレットを導入したことで、生徒同士が主体的にかつコミュニケーションをとりながら課題を解決するようになった。プログラミングの授業を行い、主体性やコミュニケーション力だけでなく論理的思考力も養う機会が得られた。

(参考)
リクルートホールディングス|美容・飲食・進学・住まいなど7領域の新たな兆し 2016年のトレンド予測を発表
リクルートホールディングス|2016年トレンド予測 小・中学生学び領域
スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト|スタディ・ライフ バランスについて考えてみましょう
スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト|スタディ・ライフ バランスが崩れる理由
nikkeiBPnet|スタディ・ライフ・バランス:スタディ・ライフ・バランスと教育の未来に必要なもの
@Press|「スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト」発足  ~「お子さんの生活における勉強のバランスを見直してみませんか?」 専門家らが呼びかけ~
@DIME|【阿部純子のトレンド探検隊】IT時代に生きる子どもたちに必要な“スタディ・ライフ”バランスとは?
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