サンクコストと意思決定

・ 意思決定の際は、すでに払ったコストに関係なく、サンクコストは無視するのが合理的な判断である。

・ サンクコストを無視した合理的な判断ができず、コストを投じた計画を実行し続けてしまうことを「サンクコスト効果」と呼ぶ。その背景には、すでに投下してしまったコストが無駄なものであったことが分かっても、そのコストをもったいないと感じてしまう心理がある。

・ サンクコストとサンクコスト効果の具体例

‐ 建物の建設費用

建設が進んでいた大規模な建物があり、すでに20億円の費用を投じ、80%ほどが完成した段階である。しかし、完成後の採算が取れないことが見込まれると分かった。すでに20億円を投じているから建設を中止することはできないとする建設継続派と、採算が取れないなら止めるべきであるとする建設中止派との間で議論がなされている。

→20億円は、もう回収することのできない費用=サンクコスト。まだ使っていない建設費用(残り20%を建設するための費用)は別のことに使うべきであるという建設中止派の判断が合理的と言える。建設継続派は、サンクコストの呪縛にとらわれて合理的な判断ができていない。

‐ PCの修理費用

太郎は、10万円でノートパソコンを購入した。使い始めて数カ月で故障が発生し、修理には3万円かかった。その修理が終わったのち、また数カ月で別の不具合が発生し、修理を見積もったところまた3万円かかることが分かった。2回目の修理を出すか、新しく買い替えるか、太郎は悩んでいる。

→2回目の修理に出してさらに3万円をかけたとしても、さらに壊れて3回目の修理が必要になるかもしれない。そうなると、修理代や修理業者とのやり取りにかかる時間と労力だけで、買い替え以上のコストがかかる可能性がある。最初にかかった3万円の修理費用=サンクコストにとらわれていると、さらなる損失を出してしまうかもしれない。

実生活でサンクコスト効果を受けやすい例

・ 過去にかけたコストを損だと割り切れないと、サンクコストの呪縛にかかってしまう。

‐ 恋愛

恋人に対し、プレゼントやデート代などで多額の費用をかけた。恋人の魅力に疑問を感じ始めた今も、ずるずると付き合いを続けてしまう。

→この心理には、かかった費用は回収することはできないのに、かけた費用の分だけ相手を好きな気がしてしまっているというサンクコスト効果がある。

‐ UFOキャッチャーなどの課金制ゲーム

あと500円かければ取れる、もう200円かければ取れる、あと100円……。

→続けているうちに、サンクコストにとらわれ過ぎてしまい、どんどん損が膨れ上がっていく。

‐ 仕事

ある仕事に、それまで相当な労力と時間をかけてきた。新たな方法が見つかっても、過去にかけた労力と時間をもったいなく感じてやり方を変えられない。

→自分の仕事のスタイルに頑固なタイプの人が陥りやすい、サンクコストの呪縛。

‐ その他、高かったけれど着なくなった洋服を捨てられない、使わなくなった物を捨てられない、といった心理も、サンクコストにとらわれている例。

(参考)
Capm Network|サンクコスト
確率思考への転換|サンク・コスト効果:もったいない思考は結局は損する思考
お金と心を育てるブログ|サンクコストを理解して恋愛もマーケティングも損切りをしよう
恋愛.jp|“サンクコスト効果”に学ぶ、ヒモ男にハマっていく心理