「ギリギリ体罰ではない」とは

・ 「ギリギリ体罰ではない」とは、世界的ジャズトランペット奏者の日野皓正氏が中学生に往復ビンタをしたと報じられている件に関する、世田谷区長・保坂展人氏の見解。2017年9月11日、世田谷区の定例記者会見において、保坂区長は日野氏の行為が体罰だと批判されている件に対して、以下のように発言した。

平手打ちの動作は確かにあったが、お子さんは避けた。かすったのか、どうかは分からないが、怪我には至らなかった。となれば行き過ぎた指導の、体罰に差し掛かるギリギリ。当たらなかったから良かったというのは結果論であって、行為自体はよくなかったし、やってほしくない

(引用元:ハフポスト|「ギリギリ体罰ではない」保坂展人・世田谷区長、 日野皓正さんの“往復ビンタ”で見解

・ ハフポストは保坂区長の発言を「ギリギリ体罰ではない」という見出しで報じた。このニュースがインターネット上で拡散されると、保坂区長の見解は「体罰を助長する判断」であるなどとして、多くの人が非難の声を上げている。

「ギリギリ体罰ではない」に至った経緯

・ 日野氏が体罰を行使したとされているのは、8月20日に世田谷パブリックシアター内で行われた「日野皓正 presents “Jazz for Kids”」の舞台上。世田谷区教育委員会は、「ビッグバンドジャズの演奏を通じて、音楽の楽しさだけでなく、時に厳しさも体験するワークショップ」を2005年から毎年主催しており、その練習成果を披露する場だった。参加費は無料で、世田谷区立中学校の生徒のみが参加できた。

・ 問題となったのは、アンコールの後半、生徒が1人ずつ楽器の演奏を披露していたときである。ドラム担当の男子生徒が演奏しているところに日野氏が近づき、ドラムスティックを取り上げた。しかし、男子生徒は素手でドラムを叩きつづけたため、日野氏は「馬鹿野郎!」と言って往復ビンタをしたとされている。

・ 日野氏の説明によると、この男子生徒は「才能あるミュージシャンで、1年前から目をかけていた」ものの、ソロ演奏を長く続けすぎたため、「他の子に迷惑がかかる」と判断して止めに入った。日野氏は舞台終了後に生徒側から謝罪を受け、握手をして「問題は解決」したという。また日野氏は、体罰を行ったとメディアなどで報じられていることについて、以下のように話した。

親子のような関係だから問題ない。それに、殴ったわけではなく、ちょっとたたいただけ

親子のような関係であることも知らず、また当日の会場の雰囲気も知らず、「一方的に暴力を振るった」と報道するのはおかしい。生徒を傷つけることにもなる

(引用元:朝日新聞デジタル|日野皓正氏、平手打ち「問題ない」 「親子に近い関係」

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「ギリギリ体罰ではない」への反応

・ 上記の件について保坂区長が「ギリギリ体罰ではない」と判断したことに関し、「怪我をしなければ体罰にはならないのでしょうか」「当たったとか怪我したの問題じゃない」といった批判がインターネット上で相次いでいる。また、保坂区長がジャーナリストとして教育に関するさまざまな問題提起を行ってきたことを背景に、「体罰を含めた管理教育と戦ってきたはず」「体罰反対派だったのに、容認派に転身しちゃったんだ」と残念がる人も見られる。

・ 一方、保坂区長による発言の文脈を考慮して「別に体罰を容認している訳ではない」と解釈する人もいる。そのほか、保坂区長や日野氏を批判しつづけることで問題が大きくなり、男子生徒が「責任を感じたり傷を深くしてしまう」のではと懸念する意見もある。

(参考)
ハフポスト|「ギリギリ体罰ではない」保坂展人・世田谷区長、 日野皓正さんの“往復ビンタ”で見解
朝日新聞デジタル|日野皓正氏、平手打ち「問題ない」 「親子に近い関係」
世田谷パブリックシアター|Dream Jazz Band Workshop 2017
文春オンライン|世界的トランペッター・日野皓正が中学生を往復ビンタ
Twitter|ギリギリ体罰ではない