タレントマネジメントとは

・ タレントマネジメントとは、従業員のタレント(才能やスキル)を管理し、経営戦略に基づく全社的な人事戦略や人材開発に役立てること。人材マネジメントの考え方のひとつとして、近年注目されている。

・ タレントマネジメントは、アメリカ発祥の考え方。1990年代から概念が生まれ、21世紀に入って大手企業などによって導入されるようになり、日本でも2010年前後から知られるようになるなど、次第に考え方が広まっていった。米国人材開発機構(ASTD)の定義によれば、タレントマネジメントとは次のように説明される。

タレントマネジメントとは、事業目的と整合の取れた人材の獲得・開発・適材配置のプロセスを通じて、組織文化・組織とメンバーのつながり・才能や能力・組織と個人の潜在能力をつくりあげることによって、組織が短期および長期の両方の成果を獲得することを可能にしようとする、全体論的な人的資本最適化の取組みである。(ASTD, 2009)

(引用元:カオナビ人事用語集|「タレントマネジメント」とは?|タレントマネジメントの定義・その本質的な目的と課題

・ タレントマネジメントを行うためのツールを、タレントマネジメントシステムという。タレントマネジメントシステムを導入すると、従業員の基本情報(年齢や学歴など)に加え、業務経験や評価、保有スキルなど、従業員の能力に関する多岐にわたる情報をシステムによって一元管理し、分析することが可能になる。それらのデータは、採用、配置・異動、育成、評価、メンタルケアなどの人事戦略に活用される。

タレントマネジメントが重要視される背景

・ タレントマネジメント発祥のアメリカでは、当初、流動性の高い優秀な人材、リーダー人材を獲得・維持するための施策として、タレントマネジメントが重視されていた。しかし近年では、グローバル化する人材獲得競争に勝ち、現場のニーズに即した人材を確保することに重きが置かれている。

・ 日本でも、人材の管理・活用をめぐり、さまざまな変化が起きている。例えば、少子高齢化により若年層が減り、企業が欲しい人材を集めにくくなっていること。一方で、就職に対する価値観の変化により今では転職することが当たり前となり、人材の流動性が高まっているという事情もある。また、経営のグローバル化や海外企業との競争などにより、グローバルに通用する人材を育成したり獲得・維持することの重要性が増している。こうした流れの中で、タレントマネジメントへの関心が高まってきた。

erina-840-ec
就活に向けてTOEIC840点獲得! 単語暗記が大嫌いでも3ヶ月で240点アップしたワケ。
人気記事

タレントマネジメントでできること

・ タレントマネジメントは、データベースの作成に始まり、大まかには次のような流れで行われる。

タレントマネジメントシステムで、まず必要となるのが、人の持つスキルの把握と登録です。学歴、職歴、資格などから、社員の「タレント」を明確にして、データベース化します。同時に、職務に必要とされるスキルを設定していきます。品質管理部門に求められるスキルは何か、経営企画部門の分析担当、広報部門のリサーチ担当など、求めるスキルを設定し登録します。

次に、職務に必要なスキルと社員のスキルのギャップを分析します。社員に欠けているスキルがあれば、教育計画を策定し、育成していきます。 また、個々の社員に希望する職務を聞き、その職務に欠けているスキルがあれば、同じように育成していきます。

(引用元:ITトレンド|基本からわかる「タレントマネジメント」

・ タレントマネジメントの実施例としてはイオンの取り組みが挙げられる。イオンは、国内外の主要子会社の社員(含パート)約42万人について、評価や海外経験、資格などをデータ化した人材データベースを作成。優秀な社員の抜擢やグローバルレベルでの人材の最適配置などに役立てられている(2014年9月の参考資料による)。

・ タレントマネジメントを導入すると、人材の適正配置や、スピーディなチーム編成、短期間での人材育成、従業員の進捗管理の透明化が可能になる。

人材の持つタレントを把握しておくことで、役職に見合った人材を社内から迅速に配置することが可能となります。空いたポジションに相応しい人材を素早く配置できるだけでなく、新規部門の設立やプロジェクトチームの結成時など、適性にマッチした人材を素早く選択することでスピーディーにビジネスを展開することが可能となります。また、自分の適性に合った職務に遂行することで個人のタレントや意欲を伸ばすことが可能となります。これは、個人のキャリアアップに沿って育成計画を立てる上でも大変重要です。

(引用元:HRpro|タレントマネジメント

・ 従来、人事業務と言えば、人事制度、労務管理、人件費管理など「人事管理」のことを指すことが多かった。しかしタレントマネジメントは単なる人事管理のことではなく、人材の教育、育成、能力開発に関わることであり、経営戦略に基づく人事戦略を展開するために重要な要素である。タレントマネジメントを効率よく行うために、タレントマネジメントシステムを導入する企業はあるが、必ずしも成功する例ばかりではない。これについて人材関連ビジネスのインフォテクノスコンサルティング・大島由起子氏は、次のように解説する。

「せっかく導入しながらも、データを思い通りに抽出できなかったり、社内に分散する人事データまでは管理できなかったりなどの理由から、想定されたほど活用できていないとの話を耳にします。その結果、人事の現場では、依然としてエクセルなどによる、手作業での膨大な人事データ処理を行っています」

(引用元:ITmedia ビジネスオンライン|なぜ日本企業ではタレントマネジメントシステムの活用がうまくいかないのか?

タレントマネジメントシステムを導入してタレントマネジメントを行う場合、情報をうまく活用できないといった失敗に陥らないために、自社の経営戦略・人事戦略とシステムの機能を合致させ、うまく使いこなす能力が求められる。

(参考)
カオナビ人事用語集|「タレントマネジメント」とは?|タレントマネジメントの定義・その本質的な目的と課題
ITトレンド|基本からわかる「タレントマネジメント」
HRpro|タレントマネジメント
DIAMOND IT&ビジネス|人事政策と働き方を変える「タレントマネジメント・システム」とは?
リテシア|【2-3】タレントマネジメントシステムの失敗例の原因と教訓を活かす
ITmedia ビジネスオンライン|なぜタレントマネジメントが求められるのか? グローバル時代に必要な人材戦略
ITmedia ビジネスオンライン|なぜ日本企業ではタレントマネジメントシステムの活用がうまくいかないのか?