テレワークとは

・ テレワークとは、自宅や外出先など会社以外の場所で働くことや、自分のライフスタイルに合わせた時間に仕事をすることなど、場所や時間の制限を取り払った柔軟な働き方のこと。tele(遠い)とwork(働く)を組み合わせた造語。テレワークで仕事をする人をテレワーカーという。

・ 近年、ICTを活用することで、会社にいなくてもテレワークによって仕事をすることができるようになった。総務省は、テレワークの主な形態を次のようにまとめている。(なお、これ以外に個人事業者が行うタイプもあるが、テレワークについては企業が従業員に対して行う文脈で語られることが多いため、ここでは割愛する)

◆雇用型…企業に勤務する被雇用者が行うテレワーク
・在宅勤務
自宅を就業場所とするもの

・モバイルワーク
施設に依存せず、いつでも、どこでも仕事が可能な状態なもの

・施設利用型勤務
サテライトオフィス、テレワークセンター、スポットオフィス等を就業場所とするもの

(注)実施頻度によって、常時テレワークと、テレワーク勤務が週1~2日や月数回、または1日の午前中だけなどに限られる随時テレワークがあり、実際は様々な 形態で導入されています。

(引用元:総務省|テレワークの意義・効果

・ 政府は、2013年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」に基づき、以下のような目標を掲げ、ITを活用した働き方の多様化に取り組んでいる。また、女性や高齢者、育児・介護期の人をはじめとする多様な人材が働ける環境を整えるための働き方改革の一環としても、テレワークは重要な位置づけとなっている。

「平成28(2016)年までに、労働者に優しいテレワーク推奨モデルの構築・普及を図る。」「平成32(2020)年には、テレワーク導入企業を平成24(2012)年度比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上にし、また、こうした取り組みを含めた女性の就業支援等により、第一子出産前後の女性の継続就業率を55%、25歳から44歳までの女性の就業率を73%まで高める。」

(西暦は編集部にて追記した)
(引用元:国土交通省|テレワーク

・ 2011年3月の東日本大震災をきっかけに、テレワークへの注目度は急激に高まり、2012年には国内のテレワーク人口が1,400万人を突破。就労人口の約20%が何らかの形でテレワークを行うようになったが、それ以後テレワーク人口は減少に転じている。背景には、企業がテレワーク導入をためらう問題点や懸念があることが指摘されている(詳しくは後述)。現在、テレワークを導入する企業の多くは、週に1~2日などに限定してテレワークを行うことを認める制度を取り入れている。懸念点の払拭により、今後のさらなる制度拡大が期待されている。

・ 府省においても、テレワーク導入の動きは進んでいるが、2016年4月に内閣官房が発表した調査結果によれば、2015年度の国家公務員のテレワーク実績は1日あたり6,841人で、職員全体に占める実施割合は3%強にとどまっていた。府省によって実績に差があるなど、普及にはまだ至っていない。

テレワークのメリットと課題

・ テレワークを導入することで、多様な働き手が仕事をすることができるようになる、ワークライフバランスが実現するといったメリットのほか、通勤しなくなることによる環境負荷の軽減、オフィスコストの削減(節電など)などの効果が期待できる。

・ また、テレワークにより生産性が向上するというメリットもある。

在宅勤務ではダラけて生産性が落ちるという懸念がありますが、実施企業にアンケート調査を行うと『自宅で集中して業務ができ、生産性が上がった』という回答が多数を占めます。テレワーカー本人だけでなく、上司や周囲の同僚たちの意見も同様です。集中してデスクワークをするような作業に関しては、電話や突然の訪問などで中断されることが多いオフィスで行うより、静かな自宅の方がはかどるのは自然とも言えます

(社団法人日本テレワーク協会の今泉千明主席研究員による解説)
(引用元:DIAMOND online|「テレワーク」は社員がダラけて生産性が落ちる?

テレワークを導入した職場では『時間当たりの生産性』を意識せざるを得ない。働きぶりが見えない分、出てきた成果で評価するようになる。働き方に改革をもたらす有効な手段になる

(大和総研の広川明子主任コンサルタントによる解説)
(引用元:日本経済新聞|テレワーク成功の秘訣

・ 一方、テレワークには、企業が導入をためらう原因となる懸念点も指摘される。例えば、上司が部下の働きぶりを目で見て管理することができなくなることに対する懸念や、打ち合わせがしにくくなる、会話が減るといった心配が挙がっている。これらの問題を解消するには、意識の改革と共に、コミュニケーションツールの活用が鍵となると言える。

・ また、企業が従業員にテレワークを認めるとその労務管理が難しくなる。従業員にとっても、テレワークによってどこでも仕事ができることは、どこにいても仕事をしなければならないというプレッシャーに変わりかねない。この観点について、社団法人日本テレワーク協会の今泉千明主席研究員は、テレワーク導入時に注意すべきことを次のように述べている。

テレワークの導入で従業員が『働きすぎ』になる可能性が高まる点は課題だと感じます。四六時中仕事ができる環境が整うがゆえに、勤務時間外でもメールに反応してしまったり、資料を作ってしまったりして、ついつい労働時間が伸びてしまう。きめ細かい対応ができすぎてしまう懸念はあります。『在宅勤務を利用する日は残業をしない』などというマネジメントを徹底することは必要でしょう

(引用元:DIAMOND online|「テレワーク」は社員がダラけて生産性が落ちる?

(参考)
総務省|テレワークの意義・効果
国土交通省|テレワーク
DIAMOND online|「テレワーク」は社員がダラけて生産性が落ちる?
ITmediaビジネスオンライン|職員実施率は3% テレワーク推進の課題は?
毎日新聞|テレワーク 貸しオフィスで実証実験 総務省、首都圏で
DIAMOND online|「日本でテレワークやフレックスタイムがなかなか進まない理由
産経ニュース|安倍首相、柔軟な働き方の指針検討を表明 テレワークや副業など
日本経済新聞|テレワーク成功の秘訣
時事ドットコムニュース|「働き方改革」元年。話題の「テレワーク」導入成功の鍵は会話による『社内コミュニケーション・ロス』の防止