ウサギ計画とは

・ ウサギ計画とは、南米のベネズエラにおいて、慢性的な食糧不足への対策として、政府が国民にウサギを配布していること。2017年9月14日、英国国営放送のBBCなどによって世界的に報じられて日本でも話題になり、Twitter上では「ベネズエラ」「食用ウサギ」「肉不足」など、関連する言葉がトレンドに入った。

・ 9月12日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、牛肉などの代用としてウサギ肉を導入することを国営テレビを通じて発表した。ウサギ計画の試験的段階として、15の地区に子ウサギが配布されたものの、フレディ・ベルナル都市農業相によると、多くの住民はウサギに名前をつけたり一緒に寝たりするなどペットとして可愛がっているという。「ウサギはペットではなく、2.5kgの肉である」ことを国民に周知させるため、ラジオ・テレビ・新聞などを用いてキャンペーンを行うとベルナル都市農業相は話した。

ウサギ計画実施の背景

・ 産油国として知られるベネズエラが食糧不足に陥ったきっかけは、2014年に原油価格が暴落したことである。これによって、石油による収入でうるおっていた国民生活は一変。日本エネルギー研究所・石油情報センター調査役の橋爪吉博氏によると、国際通貨基金(IMF)の2017年見通しでは、ベネズエラのインフレ率は720%、失業率は25.3%だという。過去1年間で、国民1人当たりの体重が平均で8.7キロも減ったとされている。

・ ウサギ計画の実施を決めたマドゥロ大統領によると、ウサギは動物性タンパク質の重要な供給源で、繁殖力も強い。しかし、上述したように、国民はウサギを肉として扱っておらず、野党勢力はウサギ計画を「悪い冗談」と批判している。

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ウサギ計画への反応

・ ベネズエラのウサギ計画を報じる記事がYahoo!ニュースで配信されると、6日間でおよそ2,000件のコメントが寄せられた。ウサギを食用のために配ったというニュースのインパクトから、「かわいいから愛着湧いても仕方ない」「可愛すぎるから食べる気にならない」と、ペットとしてのウサギの魅力に着目し、子ウサギを配られたベネズエラ国民に同情する意見が目立った。また、「かわいいと思えているうちはまだ大丈夫」「そんな状況で愛玩できるって心に余裕があるのでは」と、ベネズエラ国民の食料状況に思いを馳せる人もいた。

・ ウサギ計画そのものに対する評価としては、「低価格で育てられるし良いと思う」と肯定する人もいれば、ウサギを「絞めたり、解体したりの知識や技術は浸透しているのか」と、計画の実効性に疑問を持つ人もいた。また、ウサギ肉の代わりに、タンパク質が豊富だとしてササゲ豆の栽培を薦める人や、淡水魚の養殖を提案する人もいた。

(参考)
BBC News|Venezuela’s ‘Plan Rabbit’ encounters ‘cultural problem’
ロイター|ベネズエラが「ウサギ計画」、食用に繁殖するよう推奨
毎日新聞|政府が「ウサギ食料化計画」 野党は批判
日経ビジネスオンライン|石油で潤い、石油に呪われたベネズエラ
日本経済新聞 電子版|ベネズエラ、回ってきたツケ
Yahoo!ニュース|大統領「動物たんぱくはウサギで」=食料難で計画―ベネズエラ