イップスとは

・ イップスとは極度の緊張、精神的なことが原因で筋肉が硬直し、思い通りのプレイができなくなったり、プレイ上のミスを誘発してしまう精神的な症状、または運動障害である。本来はゴルフの分野で用いられはじめた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになった。

・ イップスという言葉は、1930年前後に活躍したプロゴルファーのトミー・アーマー氏(Tommy Armour)によってはじめて用いられた表現だといわれている。イップスの語源は、子犬が吠えるという意味の「yip」とされる説と、感嘆詞で「きゃあ」や「うわっ」といった意味の「yipe」であるというふたつの説がある。

・ 2016年4月に開催された、ゴルフのメジャー選手権のひとつである「マスターズ・トーナメント」の初日にアーニー・エルス(Ernie Els)氏が、グリーン上で何度もボールを打った結果、6パットという不名誉な記録を作り、「イップスにかかったのではないか?」とインターネット上で話題になった。

イップスになりやすいスポーツ

・ イップスにかかる人がするスポーツは、ゴルフと野球が多いとされるが、テニス、卓球、ダーツ、バドミントン、水泳、陸上、バレーボールやサッカーなど、スポーツ全般を通してかかる可能性があるという。また、外科医をはじめとする医療従事者や音楽奏者の手の震えもイップスの分野であるとされる。

・ イップスが特に多いとされるゴルフにおいては、ゴルフコースでグリーン部分にボールが乗ったあとにパターを使ってカップインを狙う、パッティングの際に、緊張過剰から思ったように力が入らなくなったり、逆に強く打ちすぎてしまうといった症状が代表的な例である。ゴルフと同じく、イップスにかかる人が多いとされる野球では、たとえ短い距離であっても正確な送球や返球ができなくなってしまったり、ボールが手に引っかかってしまったり、指先の感覚がなくなったりという症状が出ることが多い。

・ ダーツでのイップスは「ダータイティス」と呼ばれており、意識を集中することにより、指先や手首、ひじの周りなどがこわばってしまったり、投げること自体が怖くなってしまったりといった症状が多い。イップスは個人差が大きいので、あらわれる症状も本当に様々である。

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プロスポーツ選手のイップス

・ イップスの症状は上述したように、個人による差がとても大きい。そして、外部からのプレッシャーや自分の心の中で生じるプレッシャーが原因となることが多いため、現役のプロスポーツ選手がイップスに悩まされる例は少なくない。

・ たとえば、1991年のドラフトで1位指名を受けてオリックス・ブルーウェーブに入団し、現在は野球解説者として活躍する、田口壮氏もイップスに悩まされたひとりである。現役当時、送球ができなくなったことについて、田口氏はスポーツジャーナリストである二宮清純氏との対談で以下のように述べている。

やはり気持ちの部分が大きいと思いますね。(中略)“あれ? ちゃんと投げられるかな”といろいろ考えてしまう。それで“はよ、投げなあかん。でも、どうしたらええねん”と……。なんだか爆弾を持たされている気分になるんですよね。

(引用元:現代ビジネス|田口壮×二宮清純<前編>「イチローのレーザービーム、ここがすごい!」

・ 国内ツアーで成績を残し、現在は海外に活躍の場を移したプロゴルファー宮里藍氏も、二度のイップスを克服している。一度目のイップスは、ドライバーが思うようにコントロールできなくなる「ドライバーイップス」で、二度目はパットでのイップスであった。宮里氏は、二度目のイップスをパットの練習を黙々と繰り返すことで克服したという。

(参考)
Wikipedia|イップス
イップス研究所|イップスになりやすいスポーツと症状例
IMTメンタルオフィス ゆるやかな坂道|イップスとは
Number Web|1度ならず2度のイップスを克服! 宮里藍、強靭なメンタルの謎。
現代ビジネス|田口壮×二宮清純<前編>「イチローのレーザービーム、ここがすごい!」