嫁ブロックとは

・ 嫁ブロックとは、既婚男性が転職や起業をする際に妻から反対されること。従来は転職エージェントなどのあいだで使われていた用語だが、近年は一般に浸透しつつある。2018年1月4日、ビジネスニュースサイト「BUSINESS INSIDER JAPAN」の記事「メガバンク若手の転職希望者急増、現実は嫁・親ブロックで内定辞退も」がTwitter上で拡散され、「嫁・親ブロック」がTwitterのトレンドに入った。

・ 2016年3月、人材紹介サービスを手がけるエン・ジャパン株式会社が、自社の運営する転職支援サイト「ミドルの転職」利用者で35歳以上の男性に対しアンケートを行ったところ、回答者の24%が嫁ブロックを経験していたことがわかった。年代別の割合はそれぞれ、30代が16%、40代が30%、50代が19%と、嫁ブロック経験者は40代に突出して多かった。また、上述したBUSINESS INSIDER JAPANの記事では、メガバンクに勤務する20~30代の社員が転職エージェントに登録・相談する事例が増えつつあるものの、嫁ブロックや親ブロックによって転職を断念する事例が多いと報じられている。

なぜ嫁ブロックが発生するのか

・ 上述したエン・ジャパンのアンケートによると、嫁ブロックの理由として最も多かったのが「年収が下がる」(42%)。次に「有給休暇の取得率が低い」(26%)、「転職先の企業や業界に、あまり良い噂を聞かないから」(26%)が続いた。しかし、30代にかぎると結果は大きく異なり、「年収が下がる」は29%に留まる。代わりに「有給休暇の取得率が低い」(56%)、「年間休日日数が少ない」(29%)、「残業が多そうだから」(29%)が目立って多かった。

・ 労働者派遣などを手がける株式会社マイナビが運営するwebサイト「マイナビ転職」によると、嫁ブロックが発生する主な理由は、給与・勤務地・休日の3つだという。妻は以下のような懸念を抱き、夫の転職や起業に反対している。

- 給与:給与が減ることで、生活水準の維持・住宅購入・出産などが難しくなる。
- 勤務地:通勤時間が長くなることで夫の体調が悪化したり、家事を分担しなくなったりするかもしれない。引っ越しをともなう場合、妻が仕事を辞めなければならない可能性も。
- 休日:休日が減ったり休みとなる曜日が変わったりすることで、家族の時間が減る。

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嫁ブロックを受けた男性の意見

・ 上述したエン・ジャパンのアンケートによれば、嫁ブロックを受けた男性のうち、妻からの反対を理由として転職先からの内定を辞退した人の割合は44%。そのなかで、辞退したことを「良かったと思う」人の割合は全体で63%だったが、30代のみでは100%だった。嫁ブロックを理由に内定を辞退した男性からの意見には、「今までと生活リズムが変わることで、同居の家族に迷惑がかかるので、なるべく仕事のリズムが不安定なところはやめてほしいと言われた」「落ち着いて考えると、女房の言い分の方が正しいし、理にかなっていると感じた」などがあったという。

・ 一方、上述したBUSINESS INSIDER JAPANの記事は、嫁ブロックを受けても転職に踏み切った男性たちの事例を紹介している。たとえばメガバンクからIT企業に転職した堤洋介氏は、メガバンクでのキャリアと「自分の目指すもの」が乖離(かいり)していると感じたという。転職の決意を共働きの妻に告げた際、妻は第二子を妊娠中で、収入が減ることや堤氏がさらに忙しくなることに不安を覚えた。堤氏の父親に反対されたこともあり、周囲の説得を経て転職に至るには2年を要したとのこと。転職後の年収は半分になったものの、週末は家族と過ごせているとして、堤氏は「最低限家族を養っていける」「これが私にとっての家族の守り方」と語った。

(参考)
BUSINESS INSIDER JAPAN|メガバンク若手の転職希望者急増、現実は嫁・親ブロックで内定辞退も
キャリコネニュース|「嫁ブロック」は夫の敵ではない? 転職を「現実逃避」と気づかされ感謝する男性も
エン・ジャパン|嫁ブロック実態調査。44%の方が、嫁ブロックを理由に内定を辞退!―『ミドルの転職』ユーザーアンケート集計結果―
マイナビ転職|念願の企業に転職のはずが、内定辞退も…… 転職における「嫁ブロック」の実態とは?
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