究極の “13文字要約” に挑んでみたら、「要するに何?」がしっかり見極められるようになった話

要約力を高めるための「13文字要約」トレーニング01

文章がどうしても長くなる。意見はあるのに、うまく伝えられない。「私の話、ちゃんと聞いてましたか?」と言われる……。あなたが抱えるこのような問題は、要約力が足りないせいで起きているのかもしれません。

今回は、「13文字要約」という究極の要約トレーニング法について、筆者が実践した感想を交えながら紹介していきます。

「要約力のなさ」が招く数々の問題

要約力は、話すときや書くときだけでなく、じつは読解やコミュニケーションにも必要なもの。まずは、要約力が足りないことで生じる問題を3つ説明します。

1. 話が長くなり、結論が伝わらない

第一の問題点は、文章や話が長くてわかりにくくなるということ。

たとえば、気分や感情に支配されてしまうと、言いたいことがまとめられなくなります。スピーチライターのひきたよしあき氏いわく、「この口調だと印象が悪いかも……」のように感情が先行すると、「念のため○○や××についても伝えておこう」などと考えることになり、長くてわかりにくい文章になるのだとか。

また、『10秒でズバッと伝わる話し方』の著者・桐生稔氏は、話が長い人は物事を一から十まですべて話そうとしていると指摘します。外回り営業の結果を上司に報告する場面で、「最初の訪問先では~~で、その次の訪問先ではいい具合に話が進んだのですが……」という具合に事の次第を話すと、説明は長いものに。その結果、「何件契約がとれたか」という結論(=要点)がなかなか伝わらないのです。

2. 文章の要点が読み取れない

要約力がないと、本や新聞、ニュース記事などを読むのにも支障をきたします。

学習・教育アドバイザーの伊藤敏雄氏いわく、これらの文章は、詳しく説明するために複雑で長くなっているもの。そのなかから補足的な部分を削り、重要な部分だけを読み取ることができないと、「要するにその文章には、何が書かれているのか」を理解することができないと言います。

要約ができないと、読解力はいつまでも低いままなのです。

3. コミュニケーションがかみ合わない

『話を噛み合わせる技術』の著者・横山信弘氏によれば、要約力のない人は、会話の最中に見当違いな受け答えをしがちなのだとか。その原因は、相手の話の論点をつかみ取らないで返事をしてしまうから。気になるワードだけを拾って、相手が求めていない返答をするため、会話がかみ合わなくなるのです。

たとえば、後輩から「上司に飲みに誘われたが先約がある。断ってもいいだろうか」と相談された場合。後輩にとってベストな回答は「先約があるなら、丁寧に断れば問題ないと思うよ」といったところでしょう。それなのに、「その上司は人望がないから、断っても大丈夫だよ」と違う視点から答えたとしたら、結局後輩は、先約を理由に断ってもいいかがわからないままです。

「相手の話を要約する=話の論点を注意深く聞く」ことをしないと、相手に戸惑いを与えます。「ちゃんと私の話を聞いているのかなあ」と不信感を抱かせることにもなるでしょう。

要約力を高めるための「13文字要約」トレーニング02

要約の最強字数は「13文字」!

ビジネスパーソンにとって重要な要約力を高める方法として、STUDY HACKERでは以前「100文字要約」を紹介しました(『新聞の「100文字要約」が文章力と読解力のトレーニングに最高なワケ。』参照)が、今回紹介するのは究極の13文字要約です。

じつは、Yahoo! ニュースのトピックスの見出しは、13文字以内で統一されています。コピーライターの川上徹也氏によると、コピーライティングのテクニックに頼らず「要約」に徹していることが、Yahoo! ニュースの見出しの特徴。13文字に、情報を最小限に圧縮しているのです。この字数には研究による裏づけもあるそうで、人が目を動かさずに一度に知覚できるのは9〜13字であることが、京都大学大学院教授・下田宏氏の研究でわかっているのだと言います。

また、プレゼンテーションクリエイターの前田鎌利氏いわく、プレゼン資料のタイトルや会議資料の重要事項は13文字以内に収めるべきとのこと。資料は「読ませるもの」ではなく「見せるもの」だと、前田氏は述べます。

13文字でまとめようとすると、余計なことや無駄な表現を入れる余地がないため、重要な情報を見極める技術が磨かれます。それゆえ、「13文字要約」は優れた要約方法だと言えるのです。

要約力を高めるための「13文字要約」トレーニング03

「13文字要約」のコツ

情報を13文字に圧縮するには、いくつかのコツがあります。

余計な修飾をしない

川上氏によると、Yahoo!ニュースのトピックスの見出しに、修辞技法や “読者を釣る” ための文言などは使われていません。事実を間違いなく伝えるために、誤解を招かない簡潔な表現に徹しているのだそうです。

主語・述語は省く

前田氏は、要約した13文字のなかに主語・述語は不要だと言います。とりわけ会議資料は「要約→詳細」という流れで進むので、細かなことは「詳細」のところで説明すればいいのです。

平仮名を省く

前田氏は、「~のための」「~による」「~について」などの平仮名に加え、「~を」などの助詞も可能な限り省略するとよいと言います。これらを省いても、きちんと意味は伝えられるのだとか。

たとえば、このような具合です。

要約力を高めるための「13文字要約」トレーニング04

「13文字要約」をやってみた

前述のコツをふまえて、筆者も13文字要約トレーニングを実践してみました。

1. 自らが執筆した記事を13文字要約

筆者が以前執筆した『「面倒くさい、楽したい」そのとき脳はどうなっている? “感情系優位” の放置はあまりにも危険』という記事を、13文字に要約しました。記事タイトルにとらわれず、13文字で内容を伝えることに挑んだ結果がこちらです。

文字数を気にせず要約:
感情系が優位である場合の問題点と改善点(19文字)

13文字で要約:
感情系優位の問題点と改善法

実践してみて、「13文字ですべてを説明する」ことは諦めたほうがいいとわかりました。記事自体が長いうえ、感情系という脳の機能についての説明が短い文では難しいからです。13文字の要約では、「何についての記事なのか」を伝えることに注力するべきだと実感しました。

2. 気になるニュースを13文字要約

次は、筆者が個人的に気になったグルメニュースを13文字要約。個性的な見出しをつくりたくなるところですが、今回はあくまでも要約。記事が伝えている事実を表すことを意識しました。

文字数を気にせず要約:
ドトールコーヒーの爽やかな夏の新メニュー(20文字)

13文字で要約:
ドトールの爽やか夏メニュー

カフェ名が少し長いので省略しました。また、ぱっと見ただけで伝わりやすいように、テンポ感のよさも意識してみました。

【所感】完璧さはいらない。伝わりやすいことが重要!

13文字要約をやってみて、完璧に情報を伝えようとしすぎてはいけないことに気づきました。少ない文字数に収めるには、「きっちり伝えよう」という自らの意識が邪魔に感じられ、「もっとざっくりした表現でもいい」と考えることができました。

また、接続詞を省いたり名詞を略称にしたりして文章を崩すのも、最初は難しく思いました。ですが13文字という制約のおかげで、「伝わりやすさだけを追求しよう」と吹っ切れることができたように感じます。

余計なことは言わないで、結論をシンプルに伝えることに徹する。そのことの大事さがわかる、とても有益なトレーニングだと思います。

***
13文字要約をすれば、自分の文章に対する無駄なこだわりや癖にも気づくことができますよ。筆者は上述の例で要約をしましたが、川上氏いわく、要約を学ぶにはYahoo!ニュースのトピックスが最高の教材だとのこと。ぜひみなさんもやってみてはいかがでしょうか。

(参考)
東洋経済オンライン|「トイレの貼り紙」レベルの文章を変えるコツ
東洋経済オンライン|話が「長いだけの人」と「短くまとまる人」の差
All About|国語読解力をつけるには、文章の要約練習がおすすめ
Yahoo!ニュース|「聞く力」とは? 「相手の話をよく聞く」には3種類の意味がある。
幻冬舎plus|書き言葉は13字、話し言葉は15秒で
ダイヤモンド・オンライン|一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?
ダイヤモンド・オンライン|生産性の高い会社の会議資料は、「13文字以内」の「箇条書き」が原則

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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