80:20の法則を活用する3つの方法。仕事も勉強も効率が5倍に!?

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「80:20の法則」とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(1848~1923)が提唱した理論。成果の80%は全体の20%から生み出されているとするもので、「パレートの法則」「ばらつきの法則」「働きアリの法則」などとも呼ばれています。

8割という大半の成果のために全体の2割を意識することは、ビジネスで売上を伸ばしたいときだけでなく、人生のあらゆる場面で役立ちますよ。80:20の法則を学び、顧客とのつき合い方や自分の時間の使い方を振り返ってみましょう。

80:20の法則とは

80:20の法則とは、「結果の80%は、たった20%の原因から生み出されている」という考え方です。代表的な例としては「売上の80%は、たった20%の顧客によってもたらされている」「世界の富の80%は、たった20%の富裕層が所有している」などが挙げられます。

とはいえ、たった2割の要因が8割に影響力を及ぼしているだなんて、にわかには信じられない方もいるかもしれません。そこで、「売上の80%は、たった20%の顧客によってもたらされている」という仮説を、「街のケーキ屋さん」を例に検証してみましょう。

ケーキ屋さんにしょっちゅう立ち寄るという人は少ないと思います。ケーキ屋さんに行くのは、誕生日やクリスマスなどの特別な日くらい、という方がほとんどではないでしょうか。なので、「ケーキ屋さんの顧客の80%は、年に2回しか訪れない【一般客】である」と仮定してみましょう。

あるケーキ屋さんに全部で100人の顧客がいると仮定した場合、【一般客】は80人です。80人×2回=160回なので、【一般客】は1年間に160回来店するということになりますね。

残り20人の顧客は、このケーキ屋さんのことが大好きな【常連客】で、週に1回というハイペースで来店するものとします。ということは、1年間でおよそ50回。20人×50回=1,000回なので、【常連客】は年間1,000回も来店する、という計算です。

8割にあたる【一般客】が年160回しか来店しないのに対し、たった2割しかいない【常連客】は年1,000回も来店する。つまり、1年間に来店する顧客のうち、【常連客】は実に約86%を占めているという計算になります(1,000/1,160)。とても単純化した例ではありますが、「売上の大部分は少数の顧客によって担われている」という感覚を数値的に理解することができるでしょう。

とはいえ、80:20の法則はあくまで経験則。いつも厳密に80:20の割合になるというわけではなく、70:30になることもあれば、90:10になることもあるかもしれません。重要なのは、80:20という数字よりも、「原因の大きさと結果の大きさは必ずしも釣り合わない」「小さな原因によって大きな結果が生み出されることもある」という考え方なのです。

80:20の法則は、さまざまな事例に当てはめられます。80:20の法則が使える例をいくつかご紹介しましょう。

  • 売上の8割は、2割の従業員が担っている。
  • 売上の8割は、2割の商品によって生み出されている。
  • 住民税の8割は、2割の富裕層によって納められている。
  • Webサイトのアクセスの8割は、2割の重要ページに集まっている。
  • 仕事の成果の8割は、労働時間の2割によって生み出されている。

ほかにも、「上位2割のものが大きな影響力をもつ」という構造であれば、ほとんど何でも80:20の法則を当てはめることができるでしょう。

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80:20の法則の活用1:勉強

80:20の法則はどう活用できるのでしょう? 先ほどのケーキ屋さんの例なら、8割の【一般客】に向けたアピールよりも、2割の【常連客】が1つでも多くケーキを買ってくれたり来店頻度を増やしてくれるような方策を考えた方が、売上が大きく伸びるかもしれませんよね。つまり、大きな成果を挙げるためには、重要な2割の要素を見出し、その2割に対して適切なアプローチをとることが大切なのです。

80:20の法則は、資格試験などの勉強にも活かすことができます。ほとんどの試験問題は、テキスト中の特に重要な部分から出題されますよね。過去問を解いていると、毎年のように出題されている問題がいくつも発見できますし、参考書を読んでいても「頻出」「重要」の印で強調されている項目に気づくはずです。

同じ勉強時間を費やすなら、100回に1度しか出題されない事項を覚えるより、ほぼ確実に出題される項目を重点的に学習したほうが、より高得点につながりやすいことは明白ですよね。80:20の法則にならって言い表すなら「テキストの2割を究めれば、試験で80点が取れる」ということになるでしょうか(少し極端かもしれませんが)。

いずれにせよ、闇雲に勉強を進めるのではなく、80:20の法則における「2割(絶対に覚えるべき箇所)がどこなのか見極め、その重要項目を優先的に学習するべきなのです。

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80:20の法則の活用2:読書

80:20の法則を使うと、読書の質やスピードを高めることもできます。

80:20の法則を適用すると、本に書かれていることのうち、とりわけ重要な部分は全体の2割。この2割のセンテンスさえ読めれば、あらすじがつかめるというわけです。まずは「2割」の重要な情報を把握し、それから興味のある項目だけ詳しく読んでいくほうが、より素早く、より正確に本の内容を把握できます。

たとえば、昔ばなし「桃太郎」だと、桃太郎が桃から生まれた、鬼退治へ出発した、道中で猿・キジ・犬をお供にした、鬼を倒して帰郷した、というのが「2割」に相当します。残りの8割は、「なぜ桃太郎は鬼退治を決意したか」「どのように鬼を退治したか」という、「2割」を詳しく解説する役割を担う文章です。

重要な「2割」の情報を効率的に把握するためには、本文の前に目次を見ましょう。目次とは、本のそれぞれの章に何が書かれているのか示した見取り図です。80:20の法則を意識して目次をじっくり読み、本全体の構造を把握しておくことで、「この章は読み流してもいいな」「この章は時間を掛けて読み込もう」と優先順位をつけられます。

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80:20の法則の活用3:仕事

成績を伸ばしたい営業職の方にも、80:20の法則は役に立ちます。80:20の法則によると、売上の8割は2割の顧客(商品)によって生み出されているのです。そのため、効率的に売上を伸ばすには、売上上位2割の顧客が誰なのか、売上上位2の商品が何なのかを調べ、それら2割の顧客や商品に絞ってセールスをかければよい、というわけですね。

この「重要な2割に焦点を絞る」という考え方は、営業だけでなくどのような業務にも適用できます。たとえば、プレゼンテーション用のスライドを作るとき。10枚のスライドすべてに同等の時間を費やすよりも、8枚はそれなりのクオリティで手早く仕上げ、2枚の重要なスライドにたっぷりと時間をかけたほうが、高い成果を期待できるのではないでしょうか。

どのような仕事にも、勘所となる「2割」の部分、および切り捨ててもいい「8割」の部分は存在するはず。まずは、80:20の法則における重要な「2割」を見極め、作業の優先順位を立てましょう。

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80:20の法則は、あくまで経験則。絶対的なものではありません。しかし、物事の本質や別の側面に気づくきっかけになったり、壁に突き当たったときのヒントになってくれたりするという意味で、とても役に立つ理論です。シンプルで使いやすい思考ツールとして、80:20の法則を覚えておきましょう。

(参考)
StudyHacker|資格試験の勉強法まとめ。「資格取得のプロ」が教えてくれました。【2019年版】
ビジネス心理学|パレートの法則を図と例で解説!経営や営業、勉強で使うには
ferret|パレートの法則とは〜売上の8割を生み出す2割の重要顧客を見つけよう

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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