
「やっぱりリスキリングは大事だな。勉強時間を確保しよう!」
こう決意したものの、忙しい生活のなかで学びのための時間を確保するのは難しく、結局ずるずる先延ばしにしている——こんな方も多いのではないでしょうか。
もしいまから勉強時間をつくるなら、おすすめの時間帯はやはり朝。
出社前の90分を、自分の本当に学びたいことに使えたら、1年後に見える景色はいまとはまったく違っているはずです。
本記事では、朝に時間をつくることがおすすめの理由、朝時間にやるべき勉強、朝時間を効果的に使うためのポイントの3つを解説します。
なぜ「夜の3時間」より「朝の90分」が勝るのか?

株式会社朝6時の代表取締役社長で、朝活の第一人者である池田千恵氏は、自分のためだけの時間のつくりやすさは「朝・夜・昼の順」になっていると語ります。*1
「それなら、2番目に時間をつくりやすい夜に勉強すればいいな。そのほうが楽だし」
こう思うかもしれません。とはいえ、夜に勉強時間を確保するのは意外と難しく、次のようなつまずきポイントがあります。
■ 仕事や家事が終わらなくて時間がつくれない
■ 家族の都合(家族が夜型、塾の送迎など)で時間がつくれない
■ ついダラダラしてしまって時間がつくれない *1
もちろん工夫次第で、これらのつまづきポイントを回避することも可能ですが、朝のほうが、もっと簡単に自分のための時間がつくれるのではないでしょうか。
朝は意欲や集中力を司るドーパミンやアドレナリンが自然に分泌されやすい脳のゴールデンタイム。勉強にはうってつけの時間です。
また、90分をお勧めするのは、人間の集中力には約90分周期の波(ウルトラディアンリズム)があると言われているからです。
もし選べるのであれば、勉強時間は朝。いつもより早起きし、出社前の90分を自分への投資に充ててみませんか?
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キャリアを変える「隠す学び」のススメ
では、「朝の90分」をどんな学びに充てたらよいでしょうか。
リスキリングの学びは、大きくふたつに分けることができます。それは「見せる学び」と「隠す学び」です。朝は、後者の「隠す学び」に取り組むのがおすすめです。
- いまの職場で評価されやすい学びのこと。
例:資格取得・業務に直結する知識・チーム運営スキルなど
定期面談や人事評価のタイミングで「頑張っている」ことが伝わりやすい。その結果、昇進・昇給につながることも。
- 転職市場や副業など、社外のキャリアで活きる学びのこと。
例:プログラミング・デザイン・語学・マーケティングなど、現在の業務には直結しないが将来の選択肢を広げるスキル。
現在の仕事に直接活きなくても、今後のキャリアを見据えると取り組むべきこと。
「隠す学び」を仕事の休憩中に勉強していると、「転職準備をしているのでは?」と会社側に誤解され、気まずい思いをすることもあります。
加えて、朝に「隠す学び」を行うことには心理的なメリットもあります。
夜は仕事の流れから意識もそちらに引き寄せられ、未知の分野への挑戦にブレーキがかかりがちです。誰にも邪魔されない朝の孤独な時間は、現在のキャリアの延長線上にない「新しい自分」のためのスキル習得に、最も没頭しやすい環境なのです。
「見せる学び」は会社の人の目に触れても問題ありませんが、「隠す学び」はできるだけ人目につかない時間に進めるようにすると、無駄な心労を抱えずに済みます。
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「ルーティン化」で出社前90分を最大限活用する!

「隠す学び」を進めるために、早起きして90分確保できたとします。せっかくなら、その貴重な時間を最大限活用したいですよね。
であれば、勉強内容をルーティン化して、迷う時間を徹底的に削りましょう。
「明日の朝は何を勉強しよう?」
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」
こんなふうに選択を繰り返すと、脳が疲れ、「決断疲れ」を起こしてしまいます。
明治大学法学部教授の堀田秀吾氏は、決断疲れを減らす方法について、次のように述べています。
決断疲れに陥りがちな現代の生活のなかで、より効率的に、よりよい判断をしていく方法は、できるだけ考えないですむように、決めるためのルールをあらかじめ設定しておくこと *2
事前に何に取り組むか決めておけば、朝の90分をすべて学びに使うことができるわけです。
たとえば——
- 前半30分は動画授業を1コース視聴、後半60分でシステム設計に取り組む
- 前半45分は制作、後半45分はフリーランス関連の権利の勉強
このように「いつ、何をするのか」をはっきり決めておきましょう。
ちなみに「月~水はプログラミング」「木は語学」「金はAIについて」など、曜日ごとにやることを変えるのはNG。
朝活コミュニティ「朝渋」代表の井上皓史氏は、このように曜日によってやることを変えると、できなかった日のタスクを取り返すのに時間がかかり、挫折につながりやすいと語ります。*3
つまり——
- 90分の内訳を決めておく
- 平日の朝は毎日同じことをやる *3
これが、朝の90分を全力で学びに使うためのポイントなのです。
さらに定期的(週一回など)に振り返りを行ない、そのタイミングでルーティンを組み直すと停滞を防げます。
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***
出社前の90分は、もっとも学びを取り入れやすい時間。
この時間帯に、キャリアの選択肢を広げるための「隠す学び」を習慣化し、計画的にリスキリングに取り組んでいきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 社会人がリスキリングの時間を確保するなら、朝と夜どちらが効率的ですか?
朝が最も効率的です。起床後は脳が活性化するゴールデンタイムであり、夜よりも他人に邪魔されにくいため、集中して自己投資の時間を確保するのに最適と言えます。
Q. 朝活での勉強を習慣化し、挫折しないためのポイントは何ですか?
「朝起きてから何をやるか」を事前にルール化し、決断疲れをなくすことです。また、曜日ごとに勉強内容を変えず、毎日同じメニューをルーティン化することが継続のコツです。
Q. 市場価値を高めるために、朝の時間はどのような勉強に充てるべきですか?
現在の業務に直結する内容よりも、将来の転職や副業に役立つ「隠す学び」がおすすめです。静かな朝の時間なら、未知の分野のスキル習得にも深く没頭することができます。
*1 東洋経済オンライン|「夜」自分の時間がなかなか作れない人の原因3つ
*2 けんぽだよりWeb|心を強くする 思考力の鍛え方「決断疲れ」の対処法
*3 プレジデントオンライン|「月水金は散歩で火木は英語学習」ではいずれ挫折する…朝活の達人が徹底して守っている習慣化の意外なコツ
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。