あなたに「存在感」がちょっと足りない理由。印象に残る人は “いい意味で” 相手を裏切っている

よい印象を残すためのコミュニケーション01

「いつも自分をなかなか覚えてもらえない気がする……」
「チームのなかにいると存在感が消えてしまう……」
せっかく仕事でよい関係を築きたいと思っているのに、自分の印象を相手へ残すことができず悩んでいる人はいませんか?

ただ普通に話をしているだけでは、1日に何人も関わっている相手の記憶に残ることは期待できないでしょう。そこで今回は、「自分を相手へ深く印象づけるコツ」についてご紹介します。

印象が残らないのは自分をアピールしていないから

株式会社セレブレイン代表取締役社長の高城幸司氏は、相手に覚えてもらえず「埋もれた人材」になってしまうのは「自己主張の薄さ」に原因があると指摘します。

印象を受け取るのは、あくまでも相手です。人によっては、こちらからの積極的なアピールを期待している場合もあるでしょう。しかし、仕事をこなす能力は十分に備わっているにもかかわらずアピールが不十分だと、期待外れだと過小評価されてしまうのです。

また、自己アピールの薄さは「存在感の薄さ」にも関連していきます。チームで仕事をするとき、人付き合いが苦手だからといって、なかなか発言できずに自分の存在を示せないと、相手の印象には残りませんよね。主体的な働きかけが足りていないのです。

よい印象を残すためのコミュニケーション02

相手が自分を覚えてくれる4つの戦略

では、どうすれば自己アピールがうまくできるようになるのでしょうか。自分の印象を相手へ強く残すための具体的なコツを紹介しましょう。

【コツ1】仕事以外の話題を取り上げる

商談など初対面の人と話す場面なら、ただ仕事の話をしているだけでは、自分を強く印象づけるには不十分かもしれません。キャリアの専門家でありWork It DailyのCEOを務めるJ・T・オドネル氏は、初対面の相手へ自分を印象づけるためには、仕事に関連した話よりも「相手の好きなこと」について話をするのが有効だと言います。

相手の好きなテーマをトピックにすれば、相手はきっと活き活きとした態度で話をしてくれることでしょう。楽しい空間を共有しているときには、「エンドルフィン」と呼ばれる幸せホルモンが脳内で分泌されます。オドネル氏によれば、エンドルフィンが分泌されると、話し相手に対してポジティブな印象を抱くため、記憶に残りやすくなるのだとか。

また、オドネル氏は、初対面でよい印象をもった相手には自然と関わろうとするようになり、結果として仕事のつながりに発展すると伝えています。たとえ仕事上の付き合いであっても、「最近ハマっている趣味はありますか?」などとフランクに尋ねてみると、きっとよい印象を与えられるはずです。

【コツ2】エスカレータ効果を利用する

相手へ印象を残すためには、相手の心理をうまく利用することも大切です。関東学園大学で講師を務める営業コンサルタントの菊原智明氏は、ビジネスシーンにおいて有効なテクニックとして「エスカレータ効果」を解説しています。

「エスカレータ効果」は一種の違和感を利用したもので、ある深層心理が実際の感覚に影響する効果を意味しています。たとえば、「エスカレータは動くものだ」という深層心理により、止まっているエスカレータを降りるときに足が通常より重く感じるといった例が挙げられるでしょう。

これをビジネスに応用すると、「相手をいい意味で裏切る」ことが有効なのだそう。たとえば、顧客は「営業担当者は自分に物を買わせようとしている」という深層心理をもっていますよね。それを利用して、営業の際に「正直に言うと、こちらはあまりおすすめしません」というように予想外の態度を見せると、相手は営業担当者に好印象を抱きやすくなるのです。

ほかにも、自分が他人の意見に同調しやすいイエスマンだと思われている場合なら、主体的な発言をしたり、違う視点から物事をとらえるような姿勢を見せたりすると、相手へプラスの印象を残すことができます。自分の立場や印象を逆手にとり、相手にとって予想外でありながらポジティブな一面を見せることが、相手へ印象を残すためのポイントだと言えるでしょう。

よい印象を残すためのコミュニケーション03

【コツ3】一から十まで話さない

文化構想を専門とする株式会社Genuine Insightsの社長ジーナ・ルーダン氏は、相手によい印象を与えるには、相手の興味・関心の程度を見極め話のボリュームを調節することが重要だと言います。

ポイントとしては、情報を「お互いに満足のいく程度」かつ「より知りたいと思わせる程度」に提供すべきだそう。相手がポジティブな反応を見せているうちに話を終えてしまうくらいがちょうどよい状態です。

一方で、相手がもう飽きているようなら、同じ話をし続けるのは避けなければなりません。その際、相手のアイコンタクトや発言内容に注目してみてください。たとえば、相手の目線が自分から外れやすくなったり、自分の発言をまとめるようなことを言ってきたりしていないでしょうか。それは、会話を終わらせたいサインと言っても差し支えないでしょう。

【コツ4】相手の名前を呼ぶ

一般社団法人日本ほめる達人協会専務理事・松本秀男氏によれば、相手を「名前」で呼ぶことで、人間関係がより親密になり自分を印象づけられるそう。

たとえば、商談のときに相手を「社長」などと役職名で呼ぶことも多くあるでしょう。しかし、「〇〇社長」と相手の名前を意識して呼ぶようにしてみてください。松本氏によれば、名前で呼ぶことには、業務上の役割よりも「ひとりの人間」として向き合っていることを表明する意味があるとのこと。さらに、「相手から認められている」という承認欲求を満たすことにつながり、名前を呼んでくれる相手に対して親しみを感じる効果があると言います。

さらに、米ロバート・H・スミスビジネススクールの副学長であり心理学者のジョイス・ラッセル氏も、名前はその人のアイデンティティや個性と最も深い関わりをもつ要素であることから、相手への敬意を表し、また相手からの注意を引きつける効果があると強調しています。初対面の相手なら特に、もらった名刺などを確認しつつ名前を呼びながら話を進めてみてはいかがでしょうか。

***
相手にプラスの印象を与えるコツを把握して、コミュニケーションを進めていきましょう。

(参考)
東洋経済オンライン|会社内で"埋もれた人材"が生まれ続ける理由
AiDEM 人と仕事研究所|【第41回】印象に残すための「エスカレータ効果」
Inc|8 Tips to Be the Most Memorable Person in the Room
WORK IT DAILY|Take 2 Minutes To Be More Memorable
woman’s day|8 Ways to Make a Lasting Impression
DIAMOND online|会話下手でも相手に好印象を残す「3つの言葉」とは
The Washington Post|Career Coach: The power of using a name

【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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