「タイムブロッキング」で仕事効率爆上げ! 集中力と生産性を最大化する時間管理術

筆者が書いた「タイムブロッキング」

「マルチタスクが苦手で仕事が終わらない」

「忙しいのに集中できず、簡単な作業でも時間がかかる」

このような「仕事が終わらない」という悩みは、多くのビジネスパーソンが抱えているのではないでしょうか。効率よく仕事をして休息や勉強など自分の時間を確保するためには、時間やタスクを管理することが大切です。

自分がいつ、何を、どれだけの時間をかけて行なっているかは、意外と知らないもの。そこでこの記事は、1日をブロック分けする「タイムブロッキング」という時間管理術をご紹介します。集中力を高め、生産性アップが期待できる方法です。

タイムブロッキングとは

「10時から商談」「15時からミーティング」といったように、時間とタスクは切り離せないもの。ToDoリストやスケジュール帳などで、日々のスケジュールを決めて動いている人も多いでしょう。これをより詳細に行なうのが、タイムブロッキングです。

起業家のケリー・ウィルソン氏は、タイムブロッキングを「1日を時間のブロックに分割し、各ブロックに特定のタスクやアクティビティを割り当てる」ものだと説明しています。*1 つまり、1日を30分や1時間といったブロックに分け、仕事や勉強、余暇も含んだタスクを組み込んでいくのです。

これによって、集中力の向上による生産性アップや、バーンアウトの防止につながります。

オーケーサインをするビジネスパーソン

集中力の向上

タイムブロッキングで「何時にどのタスクを行なうか」を決めると、ひとつのタスクに集中しやすくなります。

ジョージタウン大学准教授のカル・ニューポート氏は、知的労働者の集中力や生産性の低下を「仕事の中断」によるものだと述べています。

たえずメールをやりとりし、ふいに邪魔が入ってたびたび仕事を中断されている。新しいビジネス戦略を立てるとか重要な起案書を書くといった、深い考察によってうまくいく、より大きな取り組みも、ばらばらに寸断されて質が低下する。*2

たとえば企画を考えるというタスクは、集中して思考することが必要です。しかし、途中でメールが届いたりほかの仕事のことが気になったりして、思考を中断してしまうことはありませんか? このようにほかの作業が割り込むと、「企画を考える」というタスクだけに集中できないのです。

しかしタイムブロッキングで「11時から12時までは企画を考える」と決めておき、ほかの作業はしないようにすると、中断を防いでひとつのタスクに集中できます。ニューポート氏は「40 時間の労働時間をブロックすると、60 時間以上の労働時間を構造化せずに行うのと同じ量の成果」を出せると述べています。*3 複数のタスクに追われて生産性が下がっている場合は、タイムブロッキングでひとつのタスクに集中できる状況をつくると改善できそうです。

作業に集中するビジネスパーソン

バーンアウトの防止

さらにタイムブロッキングでは、休憩や余暇の時間も決めます。そのため、タスク以外の自分の時間を確保しやすくなり、バーンアウト(燃え尽き症候群)の予防にもつながります。

ワークマネジメント専門家のJulia Martins氏によると、バーンアウトの大きな要因は「仕事モードをオフにできないこと」だと言います。*4

リモートワークで仕事とプライベートの場が混同したり、終業後や休日にも仕事のメールをチェックしたりしていませんか? 「仕事が好きだから」「少しくらいなら」と思っても、疲労は蓄積しています。ある日突然、やる気が出なくなってしまう可能性もあるのです。そうならないように、タイムブロッキングを活用してプライベートの時間をあらかじめ確保しておけば、バーンアウトを防げます。

そのために、「自分の一日を取り戻し、自分の時間が実際にどこに使われているかをよりよく把握する」必要性も強調するMartins氏。*4 タイムブロッキングで一日の行動を可視化すれば、休息や自分の時間がどれだけとれているかを見直すこともできるでしょう。

のびのびするビジネスパーソン

タイムブロッキングを実践してみた

筆者もメールに対応したり調べ物が横道に逸れたりと、仕事を中断してしまうことがあります。その結果、仕事が終わらず夜遅くまでかかってしまうことがよくあるため、タイムブロッキングを実践して改善を図ることにしました。

前出のニューポート氏は、毎日10分から20分ほどをかけて手書きのタイムブロッキングを作成しているそうなので、同じ方法を取り入れました。*3よりまとめた

A4サイズのノートを縦に二分割し、左半分に1日の予定やタスクをブロッキングしていきます。前出のMartins氏は、タイムブロッキングを作成するときに意識するポイントとして「優先順位」を挙げています。「何が最も重要なタスクなのかを理解し、その日のうちに終わらせるように」ブロッキングをするのです。*4

また、「自分の生産性の好みに合わせて作業内容を調整することにより、タイムブロックの効果を高め」られるというMartins氏。*4 自分がもっとも集中できる時間帯に重要な仕事をすることにして、そうでない時間は事務作業など簡単なタスクを設定します。

筆者は午後のほうが集中しやすいため、午前中はメール対応やリサーチをし、午後からは執筆作業をすることにしました。

筆者が書いた「タイムブロッキング」

右半分のスペースは、各ブロックに関するメモがある場合に使います。*3を参考にした

たとえば筆者は、メールで連絡すべき内容といったように、タスクの詳細を書きました。

あとは、このタイムブロッキングに沿って過ごします。予定が変わることもあるので、変更した場合は余白に書き込みましょう。1日過ごしたあとの紙面は、以下のとおりです。

筆者が書いた「タイムブロッキング」

実践の感想

実践を通して感じたことを、2点お伝えします。

集中力と生産性の向上

いままでは複数のタスクに追われ、あれもこれもと手を出してしまっていた筆者。しかし、タイムブロッキングで「何時に何をする」と決めたことで、中途半端にほかの作業をすることがなくなりました。途中でタスクが追加されても、それより後のブロックに割り当てることで気持ちを切り替え、目の前の作業に集中することができたのです。

これはタイムブロッキングを作成するときに、優先順位を決めたことも関係していると思います。「今日は記事を2本完成させる」といったように、その日に終わらせるべきことがはっきりしたため重要でない別のタスクを一度置いておくという判断ができました。実際、時間どおりに目標の記事2本を完成させることができ、高い生産性が実感できました。

さらに、食事やジムなどのプライベートの時間もあらかじめブロックに組み込んだことで、仕事とプライベートを自分のなかできっちりと区別することができ、それが安心感につながりました。前出のMartins氏が言うように「休息とセルフケアのための時間を確保でき」たため、これであればバーンアウトを防げるはずだと腑に落ちたのです。*4

オンラインツールを活用するのもおすすめ

今回は手書きでタイムブロッキングを行ないましたが、エクセルシートやカレンダーアプリなどでも実践ができそうだと感じました。筆者が普段使用しているGoogleカレンダーアプリでタイムブロッキングを作成したところ、簡単に作成することができました。

筆者がオンラインツールを使用してみた様子

実践画像はすべて筆者が作成した

アプリであれば設定した時間に通知を送ることもできるため、タスクの切り替えに活用できそうです。一方、手書きは変更やメモの追記などが自由にできる点が魅力だと感じました。使いやすく、続けやすい方法で取り入れてみてください。

スマートフォンを手にするビジネスパーソン

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タイムブロッキングは、仕事とプライベートのどちらも充実させられる時間管理術です。効率的に仕事をこなし、自分の時間を満喫できるような「理想の一日」を、タイムブロッキングでぜひ手に入れてください。

※引用の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。

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