スタンフォード式1分腹圧呼吸で疲労撃退! 7日間で実感した驚きの効果

オフィスのデスクで疲れた様子を見せるビジネスパーソン

「仕事が忙しくて毎日疲れている」「寝ても疲れがとれない」とお悩みではありませんか? 疲れが残っていると頭がすっきりせず、仕事に身が入らない......その結果、仕事のパフォーマンスが下がってしまう、なんてことも。

「スポーツでも世界最強」といわれるスタンフォード大学のスポーツ医局アソシエイトディレクターを務める山田知生氏は「疲労は確実に、そして驚くほどパフォーマンスを下げる難敵」と述べています。*1

日常生活のあらゆる場面において、疲れは大敵です。本記事では、疲労へのアプローチとしてスタンフォード大学で取り入れられている「腹圧呼吸」を紹介します。(カギカッコ内引用元:同上)

あなたもこの呼吸法を取り入れて、疲労の軽減を実感してみませんか?

1回1分でOK! 疲労を軽減する「腹圧呼吸」とは?

心身ともに疲れているとき、呼吸が浅くなっていませんか? 筆者は普段ピラティス講師をしていますが、「疲れがとれない」と訴えるクライアントの多くに“呼吸が浅い”という共通点があります。

昭和大学名誉教授で呼吸神経生理学を研究する本間生夫氏は、呼吸と心身の関連について下記のように述べています。*2

呼吸機能や呼吸をする力が衰えると、肺に十分な空気を送り込めなくなり、息苦しさを感じるようになる。また、体の隅々まで十分な酸素が行きわたらなくなり、エネルギーを生み出せなくなることで代謝が落ち、各臓器の働きが低下したり、疲れやすくなったりもする。

つまり、呼吸が浅いと体がうまく機能しなくなり、疲れやすさにつながっていくのですね。とはいえ、いきなり呼吸を深くしようと思っても難しいと思います。筆者が担当する呼吸が浅いクライアントは、そもそも息を吸いきったり吐ききったりするのが苦手な方が多いです。深く息を吸えないため、深呼吸でさえままならないことも。

そこでおすすめなのが「腹圧呼吸」と呼ばれる、スタンフォード大学で取り入れられている呼吸法です。「息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを『固く』する呼吸法で、お腹をふくらませたまま(腹圧をかけたまま)息を吐くのが特徴」と前出の山田氏は説明します。

女性のお腹が写っている

山田氏によると、腹圧呼吸により「疲労を含めたあらゆるダメージに強い体をつくる」ことが可能になるとのこと。*1

腹圧呼吸をやってみよう

腹圧呼吸の際は、以下の2点を意識して行ないます。

  • 姿勢を正す
  • 息を吐ききる

医学博士の大谷義夫氏によると、姿勢を正す必要があるのは「猫背や前かがみの姿勢は肺を圧迫し、息を深く吐いたり吸ったりできなくなる」からなのだそう。*3

そのため、腹圧呼吸を座ってやるときには腰から後頭部を壁に沿わせるようなイメージで姿勢を正しましょう。

また前出の山田氏は、「息を吐くときには副交感神経が優位にな」るとも話します。「リラックス状態をつくる」とされる「副交感神経がきちんと働く」ように、「息を『しっかり吐ききること』」が重要なのだとか。*1

この2点を意識して、さっそく腹圧呼吸をやってみましょう。

座ってやる場合

  • 姿勢を正し、両手を下腹部に添える
  • お腹で両手を押し返すように、5秒数えながら鼻から息を吸いきる
  • お腹で両手を押し返す意識を保ったまま、5秒数えながら口からゆっくりと息を吐く

 

寝てやる場合

  • 膝を90度に立てて足の裏を床につける
  • お腹で両手を押し返すように、5秒数えながら鼻から息を吸いきる
  • お腹で両手を押し返す意識を保ったまま、5秒数えながら口からゆっくりと息を吐く

呼吸の仕方は座ってやる場合も寝てやる場合も同じです。

この腹圧呼吸を「6回ほど繰り返すと、ちょうど1分にな」り、「朝晩、各1分ずつやってみ」ることを山田氏はすすめています。*4

特別な道具を使わずにできるので、すきま時間にも取り組みやすいですね。しかも1回たったの1分なので、とても気軽にできます。

最初はお腹を膨らませたままの呼吸が難しく感じるかもしれません。しかし、続けていくうちにコツをつかめるようになるので、ぜひ諦めずに続けてみてください。

オッケーサインをする女性

腹圧呼吸を7日間取り入れてみた

筆者は起床時に疲れが残っているように感じることが多いので、朝すっきりとした気分で目覚められるようになるべく、腹圧呼吸を7日間取り入れてみることにしました。

取り入れるタイミングは、以下のとおり。

  1.  起床時に6呼吸(1分間)→寝たまま行なう
  2.  日中のすきま時間に6呼吸(1分間)→座って行なう
  3.  寝る前に6呼吸(1分間)→寝たまま行なう

上記のタイミングに腹圧呼吸を行い、起床時に、「◎:すっきり起きられた」「△:少し疲れが残っている」「×:疲れが残っている」で評価してみました。

筆者が疲れが残っているかどうかを評価したメモ

画像は筆者が作成した

まず実践してみて一番に感じたのは、日中の疲れがぐっと軽減されたということ。以前は集中して仕事をしたあとに疲れを感じやすかった筆者ですが、一日に3回の腹圧呼吸により頭がすっきりして、疲れがたまりにくくなったのです。

また、仕事の繁忙期などで精神的に緊張する状況が続くと、息苦しくて寝付けないこともあった筆者。寝る前に腹圧呼吸をするようにしてみると、深く呼吸ができ、息苦しさが改善したと感じました。秒数をカウントしながら息を吸ったり吐いたりすることで、深い呼吸を意識しやすくなるのです。

そして朝の目覚めに関しても、「◎:すっきり起きられた」日が7日のうち4日ありました。以前は7時間以上寝ても疲れが残っているように感じていましたが、寝る前と起床時の腹圧呼吸のおかげですっきりと起きることができました。ただ、当然ではありますが、睡眠時間を十分に確保できなかった日は疲れがとれにくいように感じます。やはりある程度の睡眠時間を確保することを前提として、腹圧呼吸に取り組むのがよさそうですよ。

デスクの上に朝食とノートとペンが置かれている

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日々のストレスや多忙でお疲れ気味の人におすすめの呼吸法を紹介しました。ぜひ、本記事を参考に腹圧呼吸を取り入れて疲労を軽減させ、仕事や勉強の効率を上げていきましょう。

※引用部分の太字は筆者が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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