「ブリリアントジャーク」から身を守る。 "優秀だけど嫌なヤツ" の3つのかわし方

立ち上がって指摘する男性

仕事はできるし、成果も出している。それなのに、その人が発言するたびに、場の空気が張りつめ、まわりは疲れていく。あなたの職場にも、こんな人がいるかもしれません。

☐ 正論を装いながら、「なんでできないの?」と人格を否定してくる

☐ 実力を盾に、遠回しに人を見下してくる

☐ 自分のやり方だけが正しいと決めつけてくる

こうした「成果は出すけれど、態度が攻撃的で周囲を疲弊させる人」のことを、「ブリリアントジャーク(優秀な嫌なやつ)」と呼びます。

優秀がゆえに誰も注意できず、上司さえも見て見ぬふり、ということも少なくありません。

しかし、「受け流し方」を知っておけば、自分の心とチームを守ることはできます。今回は、ブリリアントジャークの特徴と、具体的な受け流し方をご紹介します。

「ブリリアントジャーク」のタイプ

ブリリアントジャークとは?

能力が高く成果も出すものの、態度が攻撃的だったり、まわりを見下すような言動をとったりして、周囲を疲弊させる人のこと。会社に限らず、さまざまなコミュニティで発生しうる存在です。

この言葉はシリコンバレー発祥とされ、Netflixが自社のカルチャー資料で「チームワークを損なうコストは大きすぎる」として容認しない方針を打ち出したことをきっかけに、世界的に知られるようになりました。*1

具体的には、次のようなタイプがよく見られます。

詰め会議タイプ

会議やレビューで、論理的な指摘に見せかけながら人格を否定するような詰め方をするタイプ。

よく言うセリフは、「なんでこんなこともできないの?」「それ、常識だと思うけど」など。

マウンティングタイプ

実力や実績を盾に、遠回しに人を見下す発言をするタイプ。

よく言うセリフは、「〇〇さんはまだそのレベルなんですね」「これくらい常識だよね」など。

独善タイプ

自分のやり方だけが正しいと信じ込み、他者のやり方やアイデアを頭ごなしに否定してしまうタイプ。

よく言うセリフは、「それは違う」「言った通りにやって」など。

優秀で会社の利益に貢献しているため、上司や会社側からは問題視されず見過ごされやすい。それが、ブリリアントジャークのやっかいなところです。

整列したチェスの駒

ブリリアントジャークを「受け流す」3つのアクション

ブリリアントジャーク対策のキーとなるのが、「腐ったりんご理論」です。

これは、「チームにたったひとりでも、攻撃的・非協力的なメンバーがいると、チーム全体の成果が大きく損なわれる」という考え方。複数の研究をまとめた論文でも、こうしたメンバーがひとりいるだけで、チームの協力関係や創造性に悪影響が広がっていくことが示されています。*2

ここでは、この理論をふまえた3つのアクションを紹介します。

1. ブリリアントジャークとのあいだに境界線を引く

まず心がけたいのは、「ブリリアントジャークの機嫌に巻き込まれない」ことです。

腐ったりんご理論では、ネガティブなメンバーの言動がまわりに伝わり、ほかのメンバーの不公平感や不信感などを引き起こすことがわかっています。*2

ブリリアントジャークは、トゲのある言葉でまわりを萎縮させます。しかし、「あの人はいつもこうだから、一線引けばいい」と、相手とのあいだに境界線を引く。これが、もっとも大事な対処法です。

複数人で話し合う同僚たち

2. 必ず「オープンな場」でやり取りする

ブリリアントジャークとは、まわりに人がいる場でやり取りしましょう。

研究でも、まわりに相談できず一人だけで対応にあたる状態は、フラストレーションや防衛的な反応を強めやすいと考えられています。*2

1対1の会話や個人チャットでは、相手の攻撃性がエスカレートしやすく、まわりから被害が見えにくくなってしまいます。

無礼な言動を目撃した第三者は、その行為者にネガティブな感情を抱きやすいことも報告されています。*3

できる限り、グループチャットや複数人が同席するミーティングの場でコミュニケーションを取りましょう。

3. チームが困っている事実を、上司と共有する

できるだけ、チームメンバーと問題点を共有し、上司に現状を報告するようにしましょう。

受け流すことは大切ですが、それだけではチームがうまくやっているように見え、組織側からは「特に問題は起きていない」と判断されてしまいかねません。

研究でも、こうした問題は現場のメンバーだけでは解決が難しく、組織としての対応が後手に回りやすいことが指摘されています。*2

特にブリリアントジャークのように、会社に利益を与える人物に対しては、軽いトラブルであれば組織側も見て見ぬふりをしがちです。だからこそ、「自分さえ我慢すればいい」で終わらせず、事実ベースで上司やリーダーに共有することが大切です。

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ただのチームメンバーである限り、ブリリアントジャークへ直接的な対処をするのは難しいものです。

しかし、受け流して自分の心を守ること、そしてチームが問題を抱えているという事実を上司に伝えることはできます。自分を責めず、しなやかに、自分の心とチームを守っていってください。

よくある質問(FAQ)

Q. ブリリアントジャークとは、どのような人のことですか。

能力が高く成果を出す一方で、態度が攻撃的だったり、まわりを見下すような言動をとったりして、周囲を疲弊させる人のことです。

シリコンバレー発祥とされる呼び方で、会社だけでなく、サークルや友人グループなどでも見られる存在です。

Q. ブリリアントジャークとパワハラは違うのでしょうか。

明確に分かれているわけではありませんが、一般的には区別して捉えられています。

ブリリアントジャークは、成果を出しながらも態度や言い方が攻撃的で、周囲を疲弊させる「人物のタイプ」を指す言葉です。一方でパワハラは、優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えた言動によって相手に苦痛を与える「行為」を指します。

そのため、ブリリアントジャークの言動が度を越し、優越的な立場を利用した継続的な人格否定や、相手を威圧するような発言にまで至る場合は、パワハラに該当する可能性があります。自分だけで判断せず、実害の事実を記録したうえで、上司や人事、社内外の相談窓口に相談することをおすすめします。

Q. 理詰めで発言する人、はっきりものを言う人は、みんなブリリアントジャークなのでしょうか。

いいえ、論理的だったり発言が強かったりするだけで、ブリリアントジャークと決めつけることはできません。

見極めのポイントは、指摘の矛先が「行動」に向いているか、「人格」に向いているかです。「このやり方だと〇〇のリスクがある」という指摘は、たとえ厳しくても健全なフィードバックといえます。一方で、「だからお前はダメなんだ」というように、相手そのものを否定する言い方が繰り返されるなら要注意です。

また、普段から周囲への配慮や感謝があるか、指摘の後にフォローがあるかどうかも、判断材料になります。一時的にきつい言い方をしてしまうことは誰にでもありますが、ブリリアントジャークは、それが特定の場面に限らず、いつも人を傷つける言い方をするというパターンが見られる点が特徴です。

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。