「暗記はむり!全然おぼえられない!」
と思っていませんか?
勉強に暗記はつきもの。苦労している方も多いはずです。
でも暗記力は生まれながらの能力というわけではありません。
意外と簡単なトレーニングでだれでも記憶力を身につけることができるんです。
何度も繰り返し思い出す
記憶には、すぐ忘れてしまう「短期記憶」と長い間保持できる「長期記憶」の2種類があります。
ちゃんと覚えたつもりでもすぐに忘れてしまう、という人は短期記憶はできていても、その記憶を長期記憶に移行する前に忘れてしまっているのです。
教育心理学では、短期記憶を長期記憶にするためには“リハーサル”を行うことが有効だと考えられています。
リハーサルには2種類あり、一つは「維持リハーサル」といい、もう一つは「精緻化リハーサル」というものです。
維持リハーサルとは、覚えたいことを何度も読み上げるなどしてその間だけ記憶を維持することです。新しい電話番号を覚えるとき、「えーと、090……」とひたすら唱えて覚えている方も多いのではないでしょうか。その唱えるという行為が維持リハーサルです。
みなさんが電話番号を忘れないのは、維持リハーサルによって短期記憶が長期記憶に移行したからです。どうしても覚えられないものがあるときは、ひたすら声に出して唱えていればいつの間にか忘れなくなっているかもしれません。
維持リハーサルに比べてさらに長期記憶化に有効だと考えられているのが、精緻化リハーサルです。
精緻化リハーサルとは、覚えたことを他の知識や背景と結びつけたり、イメージ化することをいいます。
たとえば、「マルクス・アウレリウス・アントニヌスが『自省録』を著した」ということを覚えるとき、「長い名前だな。なんとなく気難しそう。だから自分を省みる本なんて書いてるんだ。」なんてくだらないことを考えるだけで一気に記憶に残りやすくなるのです。
何かを覚えるとき、精緻化リハーサルも同時にやってしまうくせをつければあなたの記憶力はかなり良くなるはずです。そうはいっても具体的にどうしていいかわからない?そんな方は、次に紹介する方法をぜひ試してみてください。
覚えるときにゆっくりまばたきをする
何かを読んで覚えるとき、「理解した!」と思ったあと、ゆっくり目を閉じましょう。
視界が遮断された状態で覚えようとすると、ついさっき学んだことを「思い出す」ことが必要になります。頭の中で思い描くことになるのでイメージ化という精緻リハーサルをしていることになるのです。思い出そうとしたときに「あれ・・・?」となってしまった場合はまだ十分理解できていないということなので、自分の理解を確かめる意味でも目をとじて覚えることは効果的な方法です。
日記をつける
一日5分でかまいません。一日の終わりに今日あったことを思い出してみましょう。
思い出すことに慣れていないと「今日何があったっけ・・・?」と少し悩むことになるかもしれませんが、毎日書いているうちにだんだん書きやすくなっていきます。日記をつけることは日常的に記憶し、思い出すことを習慣づけてくれるので自分でも気づかないうちに記憶力がついていきます。
人に説明する
友人でも家族でも、だれでもかまいません。自分の勉強したことを人に説明してみましょう。
人に説明しようとすれば、自分が勉強したことを思い出さなくてはいけません。しかも人にわかるように説明するためには、その事柄の背景や理由まできちんと自分が理解していないといけないので、精緻化リハーサルを行うことになります。一度自分が説明したことは驚くほど覚えているのでぜひ今日から実践してみてください。
(参考) 無理なく実践!記憶力の向上に役立つ7つの生活改革術
記憶力がいいなと思う人の共通点―「覚える」ことに対して苦手意識がない

