もっと積極的になれよ。 アクティブに活動しよう!
最近、アクティブで積極的であることが前より求められる気がします。 そんな周りを「意識高い系(笑)」と言ってバカにするのは簡単ですが、ちょっと待って。
アクティブになることには、科学的に説明できるメリットがあったんです。
脳は積極的に得た記憶をより重視する
アクティブであることのメリット一つめが、記憶力。
受動的に得た情報と、積極的に手に入れた情報では、神経細胞の活性度が大きく違うことが明らかになっています。
東京大学大学院薬学系研究科教授の池谷氏は、著書の中でネズミを使った実験を紹介しています。
たとえば、ネズミのヒゲの脳反応を見てみましょう。(中略)実験を行うとネズミは、ただ待っているだけのときと、積極的にヒゲを動かして触りに来るときがあります。(中略)自ら情報を探りに来たときは、受動的に情報を得たときよりも、十倍も強く神経細胞が活性化します。(中略)つまり、脳は積極的な姿勢で得た情報を重要視するのです。
(引用:池谷裕二|受験脳の作り方 新潮文庫 2011)
アクティブであることは、脳を活性化させ、記憶を強化するんですね。
確かに、自分の好きな漫画のキャラの名前はすぐ覚えられますが、テストに出る歴史上の偉人の名前は覚えられた試しがありません。
刺激ある「豊かな環境」に自ら飛び込もう
アクティブであるということは、異なる環境、刺激ある環境に飛び込むということ。
理化学研究所の研究によれば、ラットを「豊かな環境」においた時、学習能力や空間記憶能力が向上したんだとか。
「豊かな環境」というのは、ゲージの中に遊具や他の個体を入れて育てること。ひとりぼっちで狭いケージにいる時より、はるかに脳が活性化したそう。
参考:理化学研究所|思春期に刺激の多い環境で過ごすと脳の左右差と協調リズムが出現 http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130404_1/digest/
自分の今いる環境に満足して、外のコミュニティとの接触を絶ってはいませんか? 確かに居心地はいいかもしれませんが、それはひとりぼっちで遊具のない狭いケージと同じ。より広く、刺激のあるケージへと積極的に飛び込みましょう。
予定でびっしりの手帳は、脳を活発にする
身近にいるアクティブな人を思い浮かべてください。
今晩は恋人とデート、明日は上司との飲み会、明後日にはセミナーに出席し、週末は友人とゴルフ。再来週には…なんて具合に、スケジュールがびっしり詰まっていませんか?
予定が詰まっていることは、脳を活性化させる。そんな研究結果がハーバード大から出されています。
なんでも、予定を詰めることが脳の記憶能力低下をゆっくりにし、さらに問題解決能力を高める効果があるんだとか。(参考:NEW IDEA|Eight simple memory boosters! )
アクティブに行動することは、こんなにも脳にメリットがあったんですね。くれぐれもダブルブッキングにはご注意を。
参考
池谷裕二|受験脳の作り方 新潮文庫 2011 理化学研究所|思春期に刺激の多い環境で過ごすと脳の左右差と協調リズムが出現 NEW IDEA|Eight simple memory boosters!