その "ご褒美" が頑張りを帳消しに! 成功の秘訣はきちんと「怠ける」ことにあり。

今日はやらなければならないことを消化した! 1日中勉強を頑張った! 明日もこの調子で頑張ろう!

そう思ったはずなのに、翌日になると「昨日頑張ったから、今日はいいか……」と考えてしまう人は多いのではないでしょうか。

前日頑張った反動から翌日に怠けてしまう、ということは、昨日と今日をトータルして見れば全然頑張れていないとも言えます。非常にもったいないことですよね。日々全力を出し続けたいところではありますが、意気込んで頑張ろうとすればするほど、その頑張りは長く続かないもの。

今回は、「前の日頑張った反動で翌日怠けてしまう」という問題をどうしたら防げるのか、ご紹介したいと思います。

反動で怠けてしまう現象:モラル・ライセンシング

仕事や勉強など、やらなければならないことを頑張って進めた日。ダイエットや運動など、自分の目標に向かって一生懸命頑張った日。そんな、自分の力を100%出した日の翌日を、少しくらい怠けてもいいか、という気持ちで無駄に過ごしてしまう。このことを心理学では、「モラル・ライセンシング」といいます。良いことをしたあとや頑張った後はご褒美として、ちょっと怠けてもいいかな、悪いことをしてもいいかな、と思ってしまう効果のことです。

頑張った後にご褒美を自分に与えることは、モチベーションを保つために大切なこと。しかし問題は、そのご褒美がしばしば自分の目標と逆行するものになってしまいがちな点にあります。

例えばダイエット中、体重が減ったご褒美にジャンクフードでお祝いしたり、仕事が少し進んだからといって翌日の仕事の時間を減らしたり。でもこれでは、それまでの頑張りを打ち消してしまいかねません。

頑張って100%を力を出した次の日、10%の力しか出せないよりも、常に80%の力をキープできた方が、長期的に見ると安定していて効率的なはずですよね。頑張ったご褒美は欲しいものですが、反動で効果がダウンするのは避けたいところです。

あえて生産的なことをしない「遊ぶ時間」を作ることが大切

では、モラル・ライセンシングに惑わされないためにはどうしたらよいのでしょうか。

おすすめの方法があります。それは、頑張ったその日のうちに「遊ぶ時間」を作ることです。

毎日必ず、頑張る時間とは別に、1~2時間程度の遊ぶ時間を設けてください。これは、仕事や勉強とは関係のないことや、趣味やリラックスのための、いわば無意味な時間。こうすることで、「今日も頑張った、でも今日もちゃんと怠けた」と思えるため、次の日を丸々1日、無駄な時間の使い方をして潰してしまうということを防ぐことができます。「明日も頑張らなければ」という緊張感とモチベーションにもつながるのです。

この時間を確保するためには、予定、スケジュールに余裕を保つことが必要です。例えば夜12時まで勉強を頑張ってしまったら、寝るまでの間に1~2時間確保することは難しいもの。「今日は調子が良くてもっとやれる」と思った時でも、早めに切り上げて意識的に遊びの時間を確保することが大切なのです。

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1つ1つの行動が良いか悪いか、意識しすぎない

また、頑張った自分にあげるご褒美を選ぶ際にも、ひとつ気を付けておくべきことがあります。それは、1つ1つの行動を良いか悪いか判断する、ということを意識しすぎないことです。

何か目標があってそれに向けて努力している場合、多くの物事は、自分の目標を基準にして良いか悪いかラベリングされることになります。たとえば、ダイエットに向けて努力しているならば、運動をすることは良いことで、甘いものを食べることは悪いこと、となりますね。

このように、物事に対する明確な判断基準があることは、とても便利で分かりやすいことなのですが、頑張ったご褒美を選ぶ際にはちょっとした罠となることがあります。それは、目標に逆行する悪いことをご褒美に選びやすくなる、ということです。

仕事を頑張った後のご褒美として何を選ぶかを考えてみます。仕事を頑張るという目標を持っている人にしてみると、仕事に時間を使うことは良いことであって、仕事を休んだり早く切り上げたりすることは悪いこと。「仕事する=善」の考えを強く持っている人の場合、仕事を頑張ったご褒美に、仕事を頑張らないことを選んでしまいがちになるのです。

時と場合によって事情は異なると思いますが、前日に仕事を頑張ったからといって翌日の仕事量を減らすのは、平均してみればパフォーマンスの低下につながりますよね。ですから、仕事を頑張るという目標に逆行するご褒美は選ぶべきではありません。たとえば「カロリーを気にせず美味しいものを食べる」のように、目標とは関係のないご褒美を選べば、それは適切なご褒美になるでしょう(ただしこれはダイエットを気にしない人に限りますが……)。

よって、行動や物事を判断するとき、自分の目標にとって良いか悪いかというのは、過度に意識しすぎない方が良いでしょう。

*** 一生懸命頑張った後に、時間を無為に過ごしてしまっては、いずれ後悔することになるかもしれません。これをなくし、効率的に、かつ安定して目標に近づいていくためには、毎日の怠けタイム確保とご褒美選びの工夫がポイントとなるようです。みなさんもぜひ実践してみてください。

(参考) logmi|「怠けタイム」導入で休日の時間をムダにしなくなる メンタリストDaiGoの心理テクニック PICK THE BRAIN |Moral Licensing: How Being Good Can Make You Bad

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