仕事をしていれば、ミスは付きものだと思います。

仕事を始めたばかりの頃だけでなく、仕事が増え慣れない業務も任されるようになる段階、チームを率いる立場になる段階、部署異動などでまったく新しい環境で仕事をするようになった段階……。仕事の幅が広がれば、それだけ関係者も、扱う業務も増えますから、仕事の難易度があがり、ミスをしてしまう場面が出てくるのではないでしょうか。

また、自分がミスをしたわけではなくても、同僚や部下、協力関係にある業者によるミスで相手に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

そういった時は、謝罪をしなければなりませんよね。もしあなたが、急に謝罪をしなければならなくなったら、上手に、謝罪の気持ちを伝えることができるでしょうか? あまり謝罪の経験がない人にとって、誠意をもって謝るという行動は、とても難しいことであるはずです。

大人になると、子どもの頃と違って、「謝り方」を教えてくれるは案外少ないもの。もし不適切な謝り方をしてしまった場合、誠意が伝わらないどころか、問題がさらに大きくなってしまう危険もあります。

正しい謝り方は、社会人の必須スキルです。この機会に、謝罪の心得を学んでおきましょう。

弁明は必ずしも効果的ではない。確証バイアスに注意

「確証バイアス」という言葉をご存じでしょうか?

簡単に言うと、「先入観」のこと。ある人に対して、「いい人」であるという情報を持っていると、その人の行動が「いいもの」に思えてくるのが確証バイアスです。(参考:Study Hacker|思考に枠をはめてない? 正しい判断を妨げる『確証バイアス』を取り除こう

この確証バイアスは、悪い方向にも働きます。特に、相手を怒らせてしまった場合は、相手の自分に対する評価は低いものになっています。ゆえに、こちらの行動は、基本的に相手の目に悪く映ってしまうのです。

よく謝罪の時に、「言い訳をするな」と言われますよね。これも、確証バイアスが働いていることが理由です。

仮に、その弁明が理にかなっているものだったとしても、確証バイアスのかかった相手の目には、ただの言い訳にしか映らないということ。いくら筋の通った弁明をしても、言い訳だと受け取られたらもはや逆効果です。火に油を注ぐ結果となってしまいます。

ですから、確証バイアスには要注意。謝罪するときは、弁明から入らないように気を付けましょう。

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愚直に、ひたすら謝る

実際に謝るときは、愚直な方法ではありますが、相手が溜飲を下げるまでひたすらに謝罪の言葉を述べるのが効果的です。

このことには、脳内の「ミラーニューロン」という細胞が大きく関わっています。

ミラーニューロンとは、「ミラー=鏡」という名の示す通り、相手の行動を見たときに、自分もその行動をしているかのように反応して活性化する細胞です。映画やドラマの登場人物に感情移入するときにも、このミラーニューロンが働いていると言われています。

ひたすらに謝罪をし続ければ、その行為に相手のミラーニューロンが反応し、相手の心の中にも「申し訳ない」という感情が芽生えるのです。そうすると相手は、もう許してやってもいいかなと思ってくれます。

ゆえに、相手が「わかった、もういい」と言うまで、我慢強く詫びの言葉を述べ続けるようにしましょう。

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謝罪の言葉は、ミスの大きさに合わせて選ぶ

愚直に謝るといっても、言葉遣いには注意が必要です。

これは、敬語を使わなければならない、ということではありません。大げさな表現になりすぎないように気を付ける、ということです。

例えば、相手企業に莫大な損害が出るようなミスをしてしまった場合。
「全身全霊をかけて、復旧に尽力させていただきます」「天地神明に誓って、二度とこのようなミスは致しません」といった、普段口にしないような言い回しは、ことの重大さを理解しているのを伝える意味で効果的です。ありきたりな詫びの言葉ばかりでなく、こういったフレーズを織り交ぜながら謝罪をすべきでしょう。

しかし、小さなミスをした場合。例えば、データの入力ミスや、用意する物品の数の間違いなど、すぐに訂正できるようなミスの場合です。
上のような言葉を使って謝罪している人が、本当に謝っているように思えるでしょうか。大袈裟すぎる表現だし、なんだか小馬鹿にされてるようにさえ感じてしまいますよね。その場合は、「申し訳ありません」と普通の言葉を使って謝るようにしましょう。

謝罪の品は去り際に

最後に、謝罪の品の出し方について。特に取引先などに対する謝罪の際に、よく菓子折りなどが使われると思いますが、必ず去り際に渡してください。

これは確証バイアスの話に関わってきますが、怒りが収まってないうちに渡しても、なんの効果もありません。「菓子折り一つでミスと釣り合いがとれると考えている」と思われても仕方ないですね。

菓子折りはあくまで、謝罪の手助けをしてくれるもの。相手に許してもらえたと思ったら、帰り際に「つまらないものですが」と言って渡しましょう。そうすれば、きっと相手も快く受け取ってくれますよ。

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誰にでもミスはあります。でも、その時にちゃんと謝ることができれば、信頼できるビジネスパーソンとしての評価につながるはずです。ぜひ、これらのポイントを心得ておいて下さい。

(参考)
nikkei BPnet|誠意が伝わる謝罪5つのポイント
小さな組織の未来学|損しない謝罪
Study Hacker|思考に枠をはめてない? 正しい判断を妨げる『確証バイアス』を取り除こう
Wikipedia|ミラーニューロン