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現在人気沸騰中のスポーツ漫画、『ベイビーステップ』をご存知でしょうか。物語の主人公は、勉強ばかりをやってきた、オールAの優等生「エーちゃん」。そんな彼が、ある時自分が本当にやりたいことは何だろうと考える中、とあるきっかけからテニスと出会います。テニスを通して成長していき、プロを目指すようになる、というのがこの物語のあらすじです。

それだけを聞くとスポ根のように思いますが、いささか早すぎる主人公の進歩さえもリアリティがあると感じられるほどに、成長していくプロセスが緻密に描かれているのです。そんな「エーちゃん」のテニスに対する姿勢の中から、ビジネスや勉強にも応用できると感じられた部分を取り上げ行きたいと思います。


『ベイビーステップ』

勝木 光著
講談社 2008年

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基礎の反復の大切さ

まず注目すべきことが、「エーちゃん」の、練習に対する愚直さです。ビジネス用語としても使われる「ベイビーステップ」とは、「より大きな目標を達成するための小さな努力」として説明されます。この作品では、まさにその意味を体現したようなシーンが何度も登場します。
完璧主義者として描かれる彼は、基礎的な技術においても完璧を目指し、何度でも反復し続けます。それを象徴するシーンとして、彼は基本のストロークの壁打ちを、なんと6時間も延々とやり続けるのです。
「ストロークをマスターする」という大きな目標のために、単調で面白みのない壁打ちを黙々と続けるという、非常に印象的なシーンです。ここから、「成長するためには地道な基礎の練習(仕事)が重要である」ことが伝わります。

アウトプットの大切さ

「エーちゃん」は、練習中に気づいたことや、学んだこと、果ては試合中に相手が打ってきたストロークの一球一球を、すべてノートに書き記します。この「エーちゃんノート」を何度も読み返すことで、様々な発見をしたりフォームを研究したりして、確実に上達していくのです。

これは、スポーツ心理学的に見ても非常に有効であるといわれています。それは、文字などを用いたアウトプットをすることで、練習などを追体験することとなり、イメージトレーニングにもなるからだそう。これは、ビジネスにおいてもそのまま使えるでしょう。
たとえば今日の営業活動の気付き、プレゼンでの意外な反応、あるいは事務処理のミスなど、日々の業務の気付きを記しておくだけで、同じ失敗を防ぐ大きな助けとなります。

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どんな時でも勝機を探り続けるメンタリティ

「エーちゃん」の最大の強みは、作品を通してのキーワードともなる、メンタルの強さです。彼は、明らかに各上の相手と対戦するときや、絶体絶命の状況に陥った時でも、決してその勝負に対する気持ちを切らすことがなく、勝つべく打開策を講じ続けます。

スポーツ漫画の定番として、『ベイビーステップ』においても、格上の相手と対峙して、絶体絶命のピンチに追いやられる、という場面がたびたび描かれます。
そんな時「エーちゃん」は試合中の休憩の際に書いた、ポイントごとの配球から試合を大局的に分析します。そして、どのようなプレーの際にポイントがとられるのかなどをもとにプレーに変化をつけます。

格上の選手に圧倒的に負けていても打開策をひねり出し、戦況を変えようと試みます。この姿勢からは、大切なヒントをいくつか学ぶことができます。まず、土壇場で冷静になることの大切さです。ピンチの際、人は焦りなどから視野が狭くなりがちです。そのような場面においても、現状を分析し、どこを変えればそれを打開できるのかを探ることが大切なのだと学ばされます。

そして、勝利をあきらめないことです。通常「相手は格上だから…」というように、あきらめてしまうような場面でも、様々な方法を試して勝利にこだわることで、実際に逆転することが可能であるということなどです。

***
いかがでしたか。創作でありながら非常に綿密な取材に基づく、描写がリアルな読み応えあるスポーツ漫画も増えてきています。『ベイビーステップ』はその代表例だと個人的に思います。テニスを知らない人でも学ぶことが多く、そして楽しめると思うので、ぜひ読んでみてください。

参考文献
ベイビーステップ 勝木光 講談社コミックス
基礎から学ぶ!メンタルトレーニング 高妻容一 ベースボールマガジン社


京都大学経済学部所属。栃木県立宇都宮高校卒業。ウインドサーフィン部に所属。風を追い求め日々琵琶湖に通っている。アラビア語がマイブーム。