あなたは、意志が弱い方ですか?強い方ですか?
「ダイエットのために毎日5kmランニング!」 「TOEICのために朝6時からリスニング!」
こんな目標を立ててはすぐ脱落しちゃったこと、ありませんか? いわゆる三日坊主ですね。世の中、ストイックな人ばかりではありません。
でも続かない理由は、意志の弱さだけではないかも。
あなたは「続かない」目標を設定しているだけなんです。目標設定の仕方が下手だから、続かない。
今日ご紹介するのは、意志が弱くても続けられる目標設定の仕方。脳科学の研究とともにご覧ください。
人はみな、意思が弱い。「フレーミング効果」とは
意思が弱くて三日坊主になってしまうのは、何もあなただけではありません。
こんな実験があります。
最初に無条件で1000円もらえたとする。50%の確率でさらに1000円もらえるギャンブル条件と、確実に500円もらえる条件のどちらかを選択するかを尋ねると、多くの人は、確実に500円もらえる方を選ぶ。
(引用:村上郁也|イラストレクチャー認知神経科学)
当然のように思われるかもしれませんが、数学的に計算すればどちらの条件も期待値(=安全性)は同じ。それでも人は、得できる場合、一見安全に「見える」方の条件を選んでしまうんです。
でも、こんな実験もあるんです。
一方、最初に2000円もらえたとする。次に、50%の確率で1000円失うギャンブル条件と確実に500円失う条件のどちらかを選択するかを尋ねると、多くの人は先とは逆に、50%の確率で1000円を失うギャンブルのほうを選ぶ。
(引用:同上)
今度は、損する条件ですね。この時は、少しでも損したくないという心理が働き、「攻め」の選択をするわけです。
お判りですか?人は、確実に得できる時は手堅く「逃げ」の選択をし、確実に損する時は少しでもダメージを減らそうと「攻め」の選択をするわけです。
これを脳科学の分野では「フレーミング効果」と呼んでいます。
目標設定の時には「ダメージ」を強調しよう
意志が弱い人が目標を立て、三日坊主を防ぐ際には、この「フレーミング効果」を応用してやればいいのです。
例えばダイエットの場合。
もしダイエットのために走ったら、かなりキツいけど10kg体重が増えてぶくぶくに太らないで済む。もし走らなかったら、確実に10kg体重が増えてぶくぶくに太ってしまう。
英語の勉強の場合。 もしTOEICのために朝起きてリスニングをやったら、眠い思いはするけど今度の出張先で恥をかかないで済む。もしやらなかったら、確実に出張先で恥をかき、後輩にバカにされてしまうだろう。
こんな風に、もし自分が◯◯しなかったら…どんな悪い結果が待っているかを超具体的に想像してみるのです。逆に、もし◯◯したらその悪い結果を回避できて、ほっと一安心…というシーンも思い浮かべましょう。
こうして「ダメージ」を目標に組み込むことで、人間の脳は、少しでもダメージを減らそうと「攻め」の判断を下してくれます。
意志が弱い・強いは関係ありません。ちょっと残酷ですが、脳に鞭打ってあげればいいのです。
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意志が弱い人。いえ、それはただ目標設定が下手くそなだけだったんですね。
夏も終わり、季節が変わります。 この機会に、何か新しいことをスタートさせてみてはいかがですか?目標を上手にたてれば、きっと長続きするはずですよ。
参考 村上郁也|イラストレクチャー認知神経科学

