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もうすぐクリスマス。一年で一番、プレゼントが飛び交う季節ですね。仲間うちのクリスマスパーティーもあれば、子どもたちはサンタさんを待ち焦がれ、一方で上司は一発芸を楽しみにしているかもしれません。
このように、プレゼントにはいろいろな形がありますが、「今年はあの人に、何を贈ろうかな」と考えるだけでも脳が鍛えられることをご存知ですか? 楽しい気持でいながら勉強や仕事に必要なスキルが鍛えられてしまうなんて、すごいことですよね。
今日は、プレゼントと脳のおはなしです。

どちらを選ぼう?

今年のクリスマスは、たった一枚の紙でプレゼントを作ると決めたとします。まずは「何にしようかな?」と考えますね。絵を描くか、メッセージを書くか、あるいは切り取って何かを作るか。この意思決定のとき、脳内では報酬期待値を計る作業をしています。
これは、「どちらを選ぶとどのような負荷がかかりどのような得をするのか?」という計算で、「対象」→「価値」→「選択」という順をたどって意思決定を行います。

たとえば、幼い子どもがお母さんに折り紙で何かを作ってプレゼントしようと思い立ったとき(対象の決定)。
簡単に折ることができるツルにすれば、大した苦労もなしに美しいものを贈ることができます(価値A)。しかし、折ったことのないバラの花にすると、折り方を見ながら悪戦苦闘して出来栄えも良くないかもしれないけれど、バラの花が大好きなお母さんは喜んでくれる(価値B)でしょう。

この両者の長所短所を吟味しながら「どちらを選ぶか?」と思い悩むことが、「前頭葉(ぜんとうよう)」の中でもとりわけ、おでこ側(先端部分)を活性化させることがわかっています。前頭葉は意欲のアップや記憶力と密接な関係があるため、ここを鍛えると頭が良くなりそうですね。プレゼントのことを考えるだけで脳が鍛えられるなんて、一石二鳥ですね。
普段から「どちらにしよう?」という場面では、「どっちでも良い」ではなく、それぞれの長所短所を吟味した上で、「どちらが良いか」の答えを出すよう訓練してみてください。

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相手の気持ちがわかりますか?

もう一つ注目したいのが、このように誰かのことを思って悩む時にはコミュニケーション力が必要であるということ。コミュニケーション能力をはかるための、「サリーとアンの課題」というテストをご存知でしょうか?

1.サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいます。
2.サリーは、ボールをかごの中に入れて部屋を出て行きます。
3.サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移します。
4.サリーが部屋に戻ってきました。

「さて、この時サリーがボールを探すのはどこでしょう?」というのが課題です。
これは相手の気持ちを理解することができるか?というテストで、正解は「かごの中」です。これに答えられない場合、自閉症やアスペルガー症候群が疑われます(3歳程度までは正解率は非常に低いです)。

もちろんボールは箱の中にあるわけですから、箱を探せばいいと思う被験者もいます。しかしそれを知っているのはアンとこの問題を読んだ人だけであり、サリーは知りません。「サリーがどうするか?」を尋ねているので、気持ちを想像して状況を理解し、回答する能力が必要なのです。

この問題を考えている時活発化する脳の部位は、前頭葉の中にある「前頭前野(ぜんとうぜんや)」やミラーニューロンを中心とした広範囲。誰かへのプレゼントを選ぶということは、「自分の好みと相手の好みは違うこと」を認識し、その上で相手の喜ぶものを推し量る、まさに前頭前野からミラーニューロンまでを活性化させる作業なのです。

***
いかがでしたか? 「うきうきしながら大切な人へのプレゼントを考える」という幸せな行為が、実は色々な脳の活性化につながるとは、二重三重に嬉しいことですよね。一年も終わりに近づいたこの季節。お世話になった方へのプレゼントを選んでみてはいかがでしょう。

参考:
wikipedia|心の理論
独立行政法人 理化学研究所|『「効率的選択」で脳は注意を向け集中を高める』
玉川大学脳科学研究所坂上雅道|消費者行動の分析における脳科学的手法の可能性


横浜国立大学卒業。ライティングオフィス『シーラカンストークス』所属。過去に大学職員、プロ家庭教師の顔を持つ一児の母でもある。趣味は整理収納。