雑談力を楽しく鍛える! 海外の一流ビジネススクールでも採用されている『インプロ』

「会議中、また何も言えなかった……」
「取引先との雑談。沈黙は怖いけど、何を言えばいいのかもわからない」
「上司に質問されたあのとき、もっと気の利いたことを言えていれば……」

こんな経験はありませんか?

コミュニケーション能力に自信がない、会話のアドリブ力がないことでお悩みのビジネスパーソンのために、「インプロ」という手法をご紹介します。

インプロとは

インプロとは “Improvisation” の略。もともとは演劇の世界の言葉で、台本なしでその場で劇を行う「即興劇」を指します。

「コミュニケーション能力が高い」人と言えば、日本よりも欧米に多くいるイメージがありませんか? その要因には、国民性の違いだけでなく、欧米ではコミュニケーション能力を上げるための科学的根拠に基づいたメソッドが普及していることが挙げられるのだそう。そのメソッドとして特に多くの人が学んでいるのが、インプロなのです。

インプロは現在、会社の研修に用いられるほか、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などの世界的に有名なビジネススクールでも注目されており、ビジネスパーソンのためのコミュニケーショントレーニングとして使われています。

インプロで得られるもの

インプロを通して期待できるのは、会話力アップだけではありません。

発想が柔軟になる

ビジネスでは、アイデアを出したり問題の解決策を探ったりと、状況に合わせて柔軟な発想をすることが求められますよね。しかし、ビジネスパーソンの多くは数字や理論に囚われがちで、気付かないうちに発想が固定されていることがあります。

そこで、ビジネスパーソンに必要な柔軟な発想力をインプロによって引き出してみましょう。思考が柔らかくなると、独りよがりな発想に縛られることがなくなります。また、場合に応じて自分の対応を変化させることができるようになり、相手と感情に基づいたコミュニケーションを取りながら、物事を進めることができるようにもなるのです。

本番に強くなる

臨機応変にアドリブをしなければならないインプロには、本番に強くなる効果もあります。インプロを続けていくことによって、プレゼンや商談などの緊張しがちな場面で、想定外の質問にも動揺せず対応できるようになり、より自信をもって本番に臨むことができるようになるでしょう。

また、インプロではアドリブによって素の自分を出すことも訓練していくので、個性が出てよりクリエイティブになれるとも言われています。

おすすめのインプロゲーム

インプロ=即興劇と聞くと、実際にやってみるのはなんだか難しそうに感じるかもしれませんが、ミニゲームの形であれば意外と気軽に取り入れることができるものです。ただし、インプロは通常、複数人いないとできないため、ランチや休憩の際にゲーム感覚でやってみないかと持ちかけてみたり、コミュニケーションの一環として職場に取り入れてみたりすることをお勧めします。では、インプロを手軽に行えるミニゲームをいくつかご紹介しましょう。

あいうえお

始めにテーマを決めます。テーマに沿って、最初の人は「あ」から始まる台詞を言い、次の人はその内容を受けて「い」から始まる台詞を言い……というように、あいうえお順にどんどん台詞をつなげてストーリーを作っていきます。

【例】
テーマ「結婚に伴い引っ越すことになった同僚Eの送別会」
A:(あ)したからもうEはいないんだね。
B:(い)ままでありがとう。
C:(う)ぇでぃんぐ姿、楽しみにしてるね。
D:(え)ーん、お別れなんて寂しいよ。
E:(お)別れじゃないよ、たまには遊びにくるから、またご飯でも行こうね。

プレイブック

プレイヤーのうち一人は、決められた本の中の台詞しか話すことができません。他のメンバーはその台詞と整合性を合わせながら即興でしゃべります。

【例】
指定された本「太宰治『走れメロス』」
A:『この短刀で何をするつもりであったか。言え!』
B:そうだ、一体何をするつもりだったんだ。
C:言ってみろ。
A:『市を暴君の手から救うのだ。』
B:若者風情が何を大それたことを言ってるんだ。
C:馬鹿らしいな。
A:『おまえがか?』
B:おまえにそんなことできるわけないだろう。
C:思いあがるのも大概にしろ。
A:『仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。』

私は誰?

まず主役の人を決め、主役の人は役名の書かれたくじを引きます。主役の人はくじの結果を見ずに、脇役達が演技を通して役名をほのめかします。主役が役名に気付いたら終了です。

【例】
主役の役名は「駅員」。役名は脇役のA、Bだけが知っています。

A:すみません、お手洗いはどちらですか?
主役:お手洗いはあちらです。
B:東口にはこちらから行けますか?
主役:行けますよ。私は店員ですか?
B:違います。
A:ところで、遅延していたので遅延証明書を頂きたいのですが。
主役:私は駅員ですね?

文章で見ると簡単そうですが、不自然にならないようにアドリブで会話を繋げていくのは案外難しいもの。まずは楽しむことを目標に、続けてみてください。

ここでは、ゲームとしての簡単さを重視して主に日常会話を用いた例を紹介しましたが、商談や接客、会議などビジネスシーンを想定した内容にすれば、より実践性が増します。簡単なインプロに慣れてきたら、よりビジネスに近い内容のインプロにも挑戦してみるといいでしょう。

***
コミュニケーション能力は、鍛えることで身につけられるものです。 会話やアドリブに自信がない方は、ぜひインプロを始めてみてください。

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|中居正広は才能やセンスに恵まれたのではなく、〇〇をしたからトークが面白くなった
プレジデントオンライン|会話上手な人は「話したいことを捨てる」
STUDY HACKER|コミュ力向上トレーニング! 『インプロゲーム』を知っていますか?
EDOA|アドリブの弱さは努力で克服できる
IMPRO WORKS|インプロってなに?
特定非営利活動法人まねきねこ|インプロゲーム「私は誰?」

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