大切な試験やプレゼンの場で力を発揮できないと悩む人は多いだろう。
そういう人が怠け者かというと、そんなこともない。 毎日きちんと準備を重ねてきたのに、本番になるとイマイチ力を出せない。
また、緊張した状況に慣れたいと思い、積極的にいろいろな資格試験やセミナーなど、アウトプットの場に加わっているのに、なかなか成績があがらない。
そんな人がきっといるはずだ。 そういう人に足りないのは、「コツコツとした努力」でも「場慣れ」でもない。 今日は心理学の観点から、高いパフォーマンスを発揮する方法を考えたいと思う。
何事もほどほどに!「適度であること」が効率UPの鍵
毎日の蓄積でも、経験を積むことでもないとするなら、一体何が効果的なのだろうか。 あなたは「ヤーキーズ・ドットソンの法則」を聞いたことがあるだろうか。
これは心理学の基本法則のひとつで、簡単に言えば「人間は適度なストレスのもとで最大限の力を発揮する」というもの。 リラックスしすぎている状態ではだらけてしまい、逆にあまりにプレッシャーが大きくてもと生産性が低くなってしまう。
努力しているのに成果があがらなかったあなた。普段の勉強に緊張感はあっただろうか。知っていることをただなぞる。プレッシャーがゼロでは、効率はあがらない。
場数を踏もうと、とにかく「慣れること」を目標にしていたあなた。応用的なことばかりに目を向けてはいなかっただろうか。本番同様のプレッシャーは、時にモチベーションの邪魔になる。 プレッシャーは、少なすぎても多すぎてもいけない。何事も「ほどほど」が重要なのだ。
「カフェテスト」にチャレンジしてみよう
じゃあ、具体的にはどうやって「ほどほどの緊張感」をもった機会を手に入れればいいのだろうか。
緊張感を手に入れる手段として、小テストをやってみる人は多い。自分で10問程度のテストを作る。そして定期的に実施し、自分の実力を把握する。 確かに、始めのうちは緊張感があるかもしれない。でも、そうしたテストはだんだんダレてしまうのが人間というものだ。特に自分で行うものは、モチベーションの維持が大変でもある。
そこで筆者が提案するのが、「カフェテスト」だ。 それは言うなれば「中」テスト。「小テストほど気楽でもないけど、本番ほどヒヤヒヤしない」。それを自分でやってみるのだ。
実際にはどうするか。
まずは環境。 小テストだったら、勉強の前にささっと済ませてしまう人が多いだろう。でも中テストは違う。そのための空間としてはカフェがぴったりだ。
周りの人の目があるから、適度な緊張感に包まれる。だからといってそんなに背伸びした場所でもない。まさに「ほどほどの空間」なのだ。
次にテスト問題。これは特別に自作する必要はない。普段の課題からピックアップして、ひとつにまとめ直そう。普段の課題そのままでは、テストの雰囲気が損なわれる。必ずひとつにまとめてしまうのがポイント。
カフェテストの日は、テスト問題と筆記用具だけ持って、近所のカフェに出かけよう。コーヒーを一杯飲んで落ち着いたら、時間を計ってテスト開始。解き終わったら、カフェを出るだけだ。
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これで、カフェテストは終わり。見てもらえばわかるとおり、簡単にできる。「ほどほど」の緊張感とプレッシャーで、自分の最大限の力を引き出せるはず。
最近どうも勉強の調子があがらないな……という人は、ぜひ実践してみてほしい。

