「カフェイン」から特にコーヒーを連想する人は多いと思います。勉強・仕事中の眠気覚ましにコーヒーを一杯、という経験のある方は多いのではないでしょうか。
そんなカフェインには眠気覚ましだけではなく、記憶力を増強させる効果もあることがわかりました。John Hopkins大学のMichael Yassa氏の研究をもとに紹介します。
「200mg」摂取することが重要
Michael Yassa氏は、カフェインを摂取する習慣がなく健康な若者160人を対象に実験を行いました。
- 160人の被験者に様々な写真を見せたあと、彼らを二つのグループに分けました。
- 一方にはカフェインを200mg摂取させ、もう一方にはカフェインを摂取させませんでした。
- 翌日に被験者たちに様々な写真を見せました。
被験者たちに見せた写真の中には前日のものと「全く同じ写真」、「似ているが微妙に異なる写真」、「全く異なる写真」がありました。 両グループとも、前日見せられた写真と「全く異なる写真」を特定する質問については正答率が同じでした。 しかし、「似ているが微妙に異なる写真」を特定する質問に関しては、カフェインを摂取したグループの方が正答率が高かったのです。 その後、様々なカフェインの量で実験を行った結果、200mgの場合に最も効果があることがわかりました。 適量のカフェインが脳の「記憶」をつかさどる海馬に好影響をもたらしたのです。
200mgを効果的に摂取できる飲み物は?
「カフェインを200mg」といわれてもいまいちピンときませんよね。200mgのカフェインを摂取するには、
- エスプレッソコーヒー(1杯を50mlとする)であれば1杯半
- ドリップコーヒー(1杯を150mlとする)であれば1杯半
- 紅茶・ほうじ茶・ウーロン茶(1杯を150mlとする)であれば6~7杯
が目安です。これぐらいの量であれば1日で充分摂取できそうですね。
ただし、摂りすぎには要注意
記憶力増強に役立つカフェインですが、摂りすぎには要注意です。最初に紹介した実験では、200mgより多くカフェインを摂取した結果、体調不良を訴える人もいました。カフェインの過剰摂取は心拍数の増加、不安障害、血圧の上昇や頭痛を招く恐れもあります。
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200mgという適量こそが皆さんの「記憶」をサポートしてくれるのです。
(参考)
USA Today | Coffee lovers perk up: Caffeine may boost memory
サプリで睡眠の質を改善しましょう! | 飲み物のカフェイン含有量一覧「コーヒー」「紅茶」「お茶」など

東京大学法学部に所属。長崎東高校卒業。大学では法律よりももっぱら語学の学習に精を出している。長期休暇の海外旅行や自転車旅行が日々のモチベーション。