「変わらなきゃ!」を邪魔するのは自分自身。 理想の自分になるために知っておくべき『こころの免疫機能』

Woman changing her mood

変わりたい、変わりたいと思っていても、どうしても変われない人たちがいます。 一説によると、何かを変えよう、始めようと思って実際に行動に移せるのは15%程度だそう。変わる必要性を認識していても、85%の人が行動を起こせないのはなぜなのか? 今回は、その理由を「免疫とトラウマ理論」から説明している本を紹介します。

badge_columns_1001711「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」

『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』

ロバート・キーガン著 リサ・ラスコウ・レイヒー著 池村千秋翻訳

英治出版 2013年

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本書によると、自分自身を変えるためには「こういう理由で変わりたいのだ」というモチベーションだけでは足りないそう。それよりもむしろ、変化を阻害する原因、阻害行動を起こしているトラウマをつかむことが重要だと説明されています。

私達が直面する多くの課題は、まず全体像を把握し、阻害原因をきちんと把握しないことには解決はできないのです。

badge_columns_1001711免疫マップとはなにか?

口では変えたいと言いながら、本心では変わりたくないと思っている。本書は、その思考のメカニズムを、「免疫マップ」という概念によって説明していきます。 変化に対して自分を守ろうとする働きは、次の4つのステップで説明できます。

1.改善目標 (例:「これからは意見をはっきり言おう!」と目標を決定する)

2.阻害行動 (例:目標を立てたものの、意見を否定されることを懸念して発言できない)

3.裏の目標 (例:自分ができないことが知られてしまう。それを避けよう)

4.強烈な固定観念 (例:どうせ自分の意見は、上司に否定される)

 

最初に目標を立ててから、結果的に行動を起こさないと決めるまで、上記のプロセスを踏んでいると考えるのです。

特に気になるのは、4番の「強烈な固定観念」。 せっかく新しいことを始めようとしても、「いや、絶対◯◯に決まっている!」という強い思い込みがあったら、うまくいくものもうまくいきません。

このような場合には、「ちょっと待って。あなたの意見を常に否定した上司は今もあなたの上司?人は同じだったとしても、環境が変われば違う対応を取るのでは?そもそも、あなたが失敗したとしたってそれは職場の発展のためにやった行動であって、何一つマイナスではありませんよ」と、一つ一つトラウマを取り除く必要があります。

人間は何か新しいことを始めようとすると、ついつい自分自身を正当化する言い訳を探し出してしまいます。それを、一つ一つ消していく作業が必要です。

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badge_columns_1001711あなたのトラウマはみつかりましたか?

 変革が進まないのは「意志」が弱いからではなく、「変化⇔防御」という拮抗状態を解消できないからだと説きます。 「変革を実現できないのは、二つの相反する目標の両方を本気で達成したいからなのだ。 阻害行動を改めることによって問題を解決しようというのは、・・・技術的なアプローチによって問題を解決しようとする行動の典型。 しかしほとんどの人は、このやり方ではうまくいかない。 ハイフェッツに言わせれば、リーダーが犯す最も大きな過ちは、適応を要する課題を解決したいときに技術的手段を用いてしまうことだ。

(引用元:「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」)

いかがですか? 私たちも、組織はある程度上手くいくと、もう変わらなくていいような気がします。変わることの不安定さや恐怖に直面して、 自分を防御している状態です。しかし課題を解消するには、痛みや不安を乗り越えなけれなりません。なかなか変化できない時には、「自分の免疫は何だろう。」「自分は何を一番恐れているのだろう?」まずそこにしっかりと向き合いましょう。

参考 「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」 ロバート・キーガン (著), リサ・ラスコウ・レイヒー (著), 池村千秋 (翻訳) 著 英治出版 2013年


東京大学文学部心理学科卒、サンダーバード大学MBA。国連やインテルなどグローバル企業で24年間勤務して、今年6月よりフリー。自己啓発書オタクで、学生時代からの35年間で千冊以上を読破。今も分析を続ける。グローバル変化の時代には学歴よりも学習歴が大事であることを実感。つくば在住。

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