なんか調子が悪いなあと思うときってありませんか? つい最近まですらすらと解けていたレベルの問題が解けなくなったり、楽に処理できていたはずの仕事がこなせなくなったり……。こういう調子が悪い時に限って、大事なテストや大きな仕事が来たりするんですよね。そんな風に調子が悪い時、いったいどうすればよいのでしょうか?
まずは原因究明から
みなさんが調子が悪いというとき、それは何が原因なのでしょう。
かつてタイトル7冠を達成したことのある棋士、羽生善治氏。彼によると「不調」の際は、まずそれが単に偶然の産物なのか、それとも自分の実力なのかを見極める必要があるのだそうです。
将棋界には、「不調も3年続けば実力」という言葉があるのだという。たまたま、巡り合わせで負けが続くことがあるかもしれないが、それが3年も続けば、もはやそれは実力を表している。 自分の努力の仕方、知識その他に何らかの問題点があるものとして、点検してみなければならない。
(引用元:PRESIDENT Online|羽生善治の「不調」を乗り越える「経験則」)
何度も何度も続く失敗。もしかしたらずっと、「調子が悪い」という言葉を言い訳に使ってしまっているのかもしれませんね。
偶然による不調は気にしない
実力不足ではなく、偶然にも失敗が重なってしまうようなときはどうすればよいのでしょう。こういった場合、羽生氏は気分転換することが大事だといいます。
一方、必ずしも実力ではない、単なる巡り合わせや、偶然の連鎖による「不調」のときには、気分転換をすることを心がけているのだと羽生さん。 散歩をしたり、旅行をしたり、将棋と関係のない本を読んだり、あるいは髪の毛を切ったりすることもあるのだという。
(引用元:同上)
偶然が重なって起きる不調において大切なのは、偶然に振り回されないことです。プラシーボ効果という言葉は有名ですよね。偶然の産物である不調を真剣に受け止めてしまうと、「今は不調なんだ」という思い込みがいつまでも私たちを不調につなぎとめてしまいます。
「こんなときもあるさ」と気分転換をすれば、偶然の連鎖が終わった後、きっとすぐに調子を戻せるでしょう。
調子を維持するためにはメタ認知が大切
私たちが調子を維持するには、自分自身を客観視することが有効。自身を客観的に眺めることをメタ認知と言い、冷静になるための手段としてとても有効なものです。
「メタ認知能力」は、2つの側面があり、1つは「自分の心を知ること」で、自己モニタリングする力です。もう1つは「自分の心と行動を制御すること」で、自己コントロールをする力です。
(引用元:シンク出版|教育用冊子「見えない危険を読むイメージ力を高めよう」)
メタ認知によって自分を冷静に観察すれば、自分の不調がどこから来るものなのか、実力不足なのかどうかなどを知ることができます。また、気分を落ち着かせることができるので、簡単な気分転換にもつながるんです。
手軽にメタ認知をするには、鏡で自分を見るのがおすすめ。緊張しているときに、自分よりもっと緊張している人を見て、逆に落ち着いた、という経験をしたことはありませんか? 緊張しているときに鏡を見ると、まさに同じことが起きるんです。
調子が悪い時は一度立ち止まり、自分を見つめなおすことが大切なのかもしれませんね。
*** アスリートでタレントの武井壮氏は、大学の陸上部時代、自分の調子を維持するために日々の記録を事細かにつけていたといいます。みなさんもメタ認知能力を鍛えれば、好調を維持できるかもしれませんよ。ぜひ試してみてくださいね。
(参考) PRESIDENT Online|羽生善治の「不調」を乗り越える「経験則」 【しあわせ心理学】パンダの温度|【気持ちをコントロール】簡単に心を落ち着かせる方法 かしわばブログ|子育てのヒントになるか? 武井 壮の「パーフェクトボディコントロール」とは