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本書の著者、横溝慎一郎氏は、中学~大学入試の指導を経て現在は行政書士試験の指導をしている講師である。受験も司法書士試験も、受験日が決まっていて、それまでにいかに合格レベルまで自分を成長させるかがポイントである。
本書はこれまで様々な生徒を指導してきた中で得たノウハウと、著者自身の受験者としての経験を元に、限られた時間で合格を勝ち取るにはどうすべきかが具体的に述べられている。


最短で最高の結果を出す「超効率」勉強法

横溝 慎一郎著
フォレスト出版 2013年

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限られた時間の有効活用化

本書の主張として一貫しているのは、「限られた時間をいかに有効活用するか」である。たいていの資格試験では、満点を取ることが目的ではなく合格ラインをクリアすることが目的となる。試験日までという時間的制約の中で合格を勝ち取るための最短距離を取るための具体的方法に言及している。

まずは学習計画を立てる。長期的あるいは短期的な計画を立てることによって、実際すべきことのTO DOリストに落とし込むことができ、これにより効率的に合格への道筋を描くことが出来る。
もちろん初めから完璧な計画が立てられるはずもないので、PDCAサイクルを回すことによってその精度を高めていくことが必要となる。

PDCAサイクルの効果的な回し方はこちらの記事を参考に →できる人なぜPDCAにこだわるのか? スキルアップのためのPDCA実践法

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記憶力強化に効く、「ヒンドゥーメソッド」

具体的な記憶法として、本書では「ヒンドゥーメソッド」という方法論を提案している。これは記憶力そのものを鍛えるのとともに、アウトプットにより学習している分野の記憶定着を図るために、新たな物事をインプットしていくのと同時に、昨日覚えたことの復習をセットで行うという手法である。一般的に入学試験や資格試験において、様々な教科とそれらに含まれるいろいろな分野をカバーしなければならない。

例えば大学受験では志望校やその学部によっても異なるが、英語国語数学理科社会のそれぞれを学習する必要があり、また各教科の中にはいろんな分野が含まれている。そしてそのどれもをおろそかには出来ない。
私自身長年家庭教師をしてきて多くの生徒を見てきたが、ひとつの分野に注力して、終わったら次の分野へ進む、完璧主義タイプの生徒が見受けられた。次の分野をしている間は他の分野の学習をしないので、終わったはずの分野は忘れる一方という状態になる。

これでは、忘れる生き物である人間としては覚えては忘れてまた覚えて……のいたちごっことなってしまう。

知識を定着させるためには問題を解く等のアウトプットを同時に行う必要があり、そのためにはインプットとアウトプットを同時に意識できるこの「ヒンドゥーメソッド」は有効と言える。

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アウトプットを強化するための「トリアージ復習法」

アウトプットの重要性は本書では逐一述べられているが、試験勉強においては問題集を解くというのが最も考えやすいアウトプットである。そこで問題集の選び方と取り組み方について詳しく言及しているが、その中で印象に残ったのはトリアージ復習法という手法である。

限られた時間で効率を求めるには、満点を取ることが目的ではない。だから解いた問題全てを復習するのではなく優先順位をつけて復習する問題を絞ろうという考え方。そこで重要なのが問題の正答率で、「50%以下のものは復習せず、それ以上のところを確実に復習して得点に結び付ける」方が合格に向けては効率的なのである。

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著者は現在行政書士試験の講師として活躍されているため、本文中の例は行政書士試験に基づいたものも多く見受けられた。しかし他にも様々な勉強法が非常に具体的に書かれているので、読者それぞれが自分の置かれている状況に応用しやすいのではと感じた。


​​京都大学工学部に入学、3回生で総合人間学部に転学部。学部卒業後、京都大学経営管理大学院に進学しMBA取得。新卒でFMラジオ局に入社、広告営業と音楽番組・イベントプロデューサーを歴任。週2回はフットサルorサッカーをプレイ。