「人生を向上させるためにも、教養を身に着けたい!」そう思っている人は多いのではないでしょうか。
でも、教養を身に着けよう!と張り切って、難解な本を読もうとして挫折してしまう、ということはありませんか? 難解な本には、挫折しない楽しみ方があります。 今回は、難解な本を少しでも楽しんで読み、気づいたときには自分の知識になっている、そんな方法をご紹介します。
分からなくても気にしない
難解な書にあたる時の心構えとして大事なのは『わからないことは大前提』ということです。 単語の意味で分からないことがあれば辞書で調べればいいですが、話している内容そのものが知識がなくてわからない場合は、その場ではどうしようもありません。 これを深追いしてしまうと、結局挫折してしまいます。 分からなくても気にせず読むことの重要さは、『分からないことを勉強するときに、心を前向きにする方法―カーネルハッカー小崎資広(5)』という対談で、富士通のエンジニアとしてLinuxカーネルの開発に参加されている小崎さんが、以下のように述べています。 小崎さんは大学に入ってから独学でプログラミングを学んだそうで、その時の勉強法をとにかく乱読だったと振り返っています。
分かんないとやめたくなるんですけども、気にせず最後まで読むっていうのがすごく重要です。分かるところだけ読んでると、いつまでたっても越えられない壁ができてしまう。分からなくても「見たことがある」という状態にすれば、(中略)全然違うところで繋がるときがある。違うところでもらってきた知識と組み合わせると理解できるときがあるんですよ。でも問題があることを知っておかないと組み合わせるところまでいけないんですよ。
(引用元:サイボウズ式)
分からなくてもとりあえず読んでみる。それが難解な本を読むときにまず大事な姿勢だといえます。
気に入ったところを書き出してみる
わからない本を読んでいると、つまらなくなってしまう時があるのではないでしょうか。 その時におすすめなのが、気に入ったところを書き出してみるという方法。 数学者の岡潔さんと批評家の小林秀雄さんが対談した『人間の建設』という対談集があります。 現代数学の話から始まり、俳句や理性、本居宣長、とにかく知識があるからこその思考の飛躍が目まぐるしい、まさに知の巨人の対談といった内容です。 頭の中に膨大な知識の詰まったお二人の対談なので、全部についていこうとすると、当然迷子になってしまいます。 私は中学生か高校生の頃にこの本を読みました。当然内容はわかっていなかったはずなのですが、その感想として残っているのが「なんだかおもしろいおじさん達だな」(失礼)というもので、なんとなく楽しかったのでした。 その理由が、好きな部分を抜き出すという方法ではないかと思います。 他の本でもそうなのですが、好きなところがあると、ノートに書き出していました。 『人間の建設』では、お二人の人柄がわかるような面白い言葉をよく書き出していたように思います。 なので、教養を深めるという意味では邪道かもしれませんが、難解な書籍とお友達になるという意味では、好きなところを抜き出してみることがおすすめです。
繰り返し読む
先ほど例に出した『人間の建設』という本の読み方でなる程!と思ったのが、a green handというブログを書かれている女性の読み方です。 彼女がその記事を書いた時点で同書を読んだ回数はなんと21回。分からなかったところに線を引き、それがわかったら書き込んで、わかった年月日を書いておくという独特の読み方をしているそうです。
それによって17歳から60代に至るまで、何回読んだか、どこでつまずいていたのかが、本を開くことでわかるようになっているのです。 難解な本こそ、生涯の一冊となることもあります。この方のように、読んだ日付や分かった日付を書き込みながら、何度も読んでみるのもいいかもしれません。
三冊買ってみる
このやり方は、奥野宣之さんの、『だから、新書を読みなさい』という本をヒントにしたものです。 難解な書籍を読むときに、1冊が読めなくて挫折してしまい、その分野全体への苦手意識を持ってしまうことはもったいないことです。 そこで、同じ分野の本を3冊一緒に買うのをおすすめします。 ①読んでみたい本 ②その分野の入門本 ③その分野のベストセラー本 これで、もし読みたかった本をどうしても読み進めることができないときにも、比較的読みやすい同分野の本を読むことができるので、ある程度の知識を得ることができます。 その本で得た知識をもとに、難解な本も、少し読みやすくなるかもしれません。
いかがでしたか。 今まで難しそうと敬遠していた本がある方、これを機会に、読み始めてみませんか。
参考・引用サイト Kommenter of Creative!! 教養を身に着けたい?それなら新書でしょ!~だから、新書を読みなさい a green hand 岡潔 小林秀雄 対談 「人間の建設」 サイボウズ式『分からないことを勉強するときに、心を前向きにする方法―カーネルハッカー小崎資広(5)』

