何事を成すにも努力は必要不可欠。 イチローや本田圭佑など、今成功している人たちは、並大抵ではない努力をしてきたはずです。 しかしこの「努力」、扱いを間違えると逆に失敗の原因になってしまうかもしれません。
心理学者の植木理恵先生は次のように語っています。
私は「努力・努力・努力!」のごり押しは、メンタルヘルスには大変危険なことだと思っています。 当の本人なりに、努力はしたわけです。そのうえ「もっと努力しなきゃ」と考えてばかりいると…、うつ病的になってしまうんですよ。こんなに努力しているのに、まだ頑張らなきゃいけないなんて、自分にはよっぽど「能力」が欠如しているんだと思わざるをえないからです。 (引用元「植木理恵の受験心理学入門第8回」)
また、「努力逆転の法則」というものもあります。 これは、簡単に言うと、頑張れば頑張るほどその努力とは反対の結果になってしまうという法則です。 平均台で落ちないようにするほどふらついてしまう、翌日への緊張で眠れないときに、無理に寝ようとすると余計に眠れなくなる、などがこの法則に当てはまりますね。
このように、努力にこだわりすぎるとそれが結果に反映されないどころか逆効果さえ生んでしまうのです。 それではどうしたらよいのでしょうか。
失敗の原因を方法に求める
何かに失敗したとき、「努力が足りなかったから」と考えがち。 しかしこれでは暗い気持ちになるばかりです。 だから原因を努力不足ではなく、方法のせいにしましょう。 これなら「今度は方法を変えてみよう!」と次へのやる気が生まれてきますよね。
正しい「努力」の方法を知ろう。
努力逆転の法則は、自分の想像力が原因。 つまり、「平均台から落ちないようにする」という発想の時点で、落ちるところを想像してしまっているのです。 これを解決するためには、明確な成功のイメージを持つことが必要です。 平均台の例なら、「私は平均台を渡りきる」というイメージを強く持つこと。 「~ない」という否定ではなく、「~する」「~できる」という肯定のイメージを持つようにしましょう。
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努力はとても大切ですが、固執しすぎては逆効果です。 一旦肩の力を抜いて、努力から離れてみることも必要なのかもしれませんよ。
参考 「植木理恵の受験心理学入門第8回」 「エミール・クーエの法則」

