努力しているのになかなか成果が出ない……と悩んではいませんか?
つい「才能が足りない」「まだまだ努力が足りない」と考えてしまうこともあるでしょう。しかし、努力のやり方を少し変えてみるだけで、一気に結果に繋がるように変わるかもしれませんよ。
「効果的な努力は何か?」を見極める
福岡ソフトバンクホークスで活躍する投手、和田毅選手は、努力について独自の視点と哲学を持ち、着実に努力を実力と変えているプロのひとりです。
そんな彼の努力には、量だけではなく質の面でも大きな特徴があります。彼の努力には必ず「何のための努力なのか?」という問いがセットで存在しており、必ずその目的意識を強く持って努力に向かうというのです。
和田選手は、「努力は嘘をつかない」という言葉を受けて下記のような意見を述べています。
正しいやり方でなければ練習だって嘘をつく。正確には「効果的な練習は嘘をつかない」であるべきではないだろうか。
(引用元:DIAMOND online|“鷹のエース”を今日も練習へと駆り立てる「喜びと恐怖」2つの感情)
努力することは確かに重要な要素であるし、それなしで成長を手にすることはできないかもしれません。しかし効果的ではない努力を必死で重ねてみたところで、そのやり方が間違っていれば、せっかくの苦労も無駄になってしまいます。
例えば、マラソンでタイムを伸ばしたい人が毎日腕立て伏せを全力でしたところで、結果に繋がるとは思えませんよね?
さらに悪いことに「努力をしたのに成長しない=才能がない」とモチベーションを低下させ、挫折につながるリスクがあります。または「努力の量が足りないんだ」と考えてオーバーワークに陥り、最悪の場合、体調を崩すような事態にも陥るかもしれません。
そのようなことを避けるためにも、努力の前に「効果的な努力は何か?」ということをしっかりと見極めることが必要でしょう。
努力を見つめる“メタ認知”の重要性
効果的な努力を見極めるためには、メタ認知の能力が非常に重要です。
メタ認知とは認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。それをおこなう能力をメタ認知能力という。
(引用元:Wikipedia|メタ認知)
例えば「英語ができるようになりたい」と考えたとき、「とりあえず単語帳を開く」というのはメタ認知能力に欠けた選択です。英語をできるようになりたい時、必ずそこには目的があるはず。
英語話者とたくさんの会話ができるようになりたいのなら、英会話教室や映像教材を使って「音声としての生きた英語」を身に着けるべきでしょう。ビジネスシーンで必要な英語なら、それに特化した語彙や文法が要求されます。また、TOEICの点数を伸ばしたいのなら、試験の特性を正しく理解し、過去問等を駆使しながら最短ルートで努力すべきです。
このように能力を身に着けるためには、普段から自分の行動や目に入る物事に疑問を持ち続けることが大切です。ことあるごとに「なぜ?」ということを問いかけ続けましょう。
例えば「あのお店のラーメンが食べたい」と思った時、「今、自分はお腹が空いていてボリュームのあるものが食べたいし、しょっぱいものが食べたいと思っている。さらにあっさりではなくこってりが良いからあのお店なんだ」ということをきちんと“言語化”して考えるだけでも良い訓練になります。
普段は何となくしていた行動に対して、必ず理由を意識するようにしていきましょう。これを繰り返しているだけで、客観的に物事を判断する能力が養われていきますよ。
目先のことにこだわり過ぎない
努力の最短ルートを考えることは非常に大切なことですが、ビジネスパーソンとして成長するためには、目標についてはなるべく遠くを見据える必要があります。
例えば、本を読んで勉強しようと思った時、「目の前のプロジェクトに直結するもの」を選択することは、確かに目標に対するアプローチとして効果的です。
しかし、そうして何かの技術を手に入れたとして、それが普遍的な技術として今後も役立つとは限りません。それよりも「目の前のプロジェクトを包括する大きな問題について扱った本」を選択する方が、応用の利く深い知識を獲得するのにつながるでしょう。
せっかくの努力を無駄にしないためにも、長い目で見てたくさんの恩恵を生む選択肢を選びましょう。
つまり、ハウツーやテクニックに固執するよりも、基礎や理論にアプローチする方が長い目で見た時に成長に繋がるということ。そのため、目先の成果ばかりにこだわりすぎないことも重要です。次第に設定した目標に対して最短のアプローチができるようになれば、さらに応用を利かせることができるしょう。
*** 努力をするには、エネルギーや忍耐が重要になってきます。だからこそ努力を無駄にしないよう、理想の自分に対して適切にアプローチすることを心がけましょう。
(参考) キャリアパーク!|メタ認知・非認知能力が高い人の特徴と鍛え方3つ Wikipedia|メタ認知 DIAMOND online|“鷹のエース”を今日も練習へと駆り立てる「喜びと恐怖」2つの感情 DIAMOND online|伸びる社員が「目先の成果」にこだわらない理由