脳を活性化させたいならば、1日10分 “ゆるめの運動” をするだけでいい。

「運動」と「脳の活性化」。一見なんのつながりもなさそうですが、じつは深い関係性があることが近年の研究でわかってきています。しかも運動といっても、アスリートのようなハードなものは不要。1日10分 “ゆるめの運動” を行なう程度でも効果が期待できるのです。

勉強や仕事でもっと成果を出したい、そのためにもっと頭が冴えた状態にしたいという人は、1日10分の運動を始めてみませんか? 運動はどのように脳を活性化させるのか、そしてどういった運動を取り入れたらよいのかについて、ご説明しましょう。

運動はどのように脳を活性化させるのか

運動によって脳が活性化すると、次のような効果が現れるとされています。

・記憶力の向上 ・集中力や注意力の向上 ・ワーキングメモリ能力の向上

ワーキングメモリ能力とは、見聞きした情報を短期間覚えておき処理するための能力で、会話や計算、文章作成などの基礎になります。筑波大学の征矢英昭氏らによる、健康な36人の若年男女を対象にした研究では、軽い運動を少し行なうだけでも記憶力が向上することがわかりました。

過度な運動ではなく、10分ほどエアロバイクをこぐという本当に軽い運動で記憶力が活性化されるというのは朗報だと思います。対象となったのは若い人ですが、脳に与える効果としてはあまり年齢差は考えなくてもよいでしょうと述べられています。

(引用元:産経ニュース|運動と脳 わずか10分間で記憶力向上 ※太字は筆者が施した)

同じく征矢氏らによる研究では、運動後は左の前頭前野背外側部の活動が高まることも報告されています。この部位の活動が高まると、脳の覚醒度が高まり、集中力や注意力が向上するとのこと。研究結果では、課題をこなす成績の向上と一致していることも判明しました。

記憶神経生物学センター所長のマイケル・ヤッサ氏は、こうした運動による脳の活性化は比較的早く効果が出ることもメリットだとしています。

運動は即座に人間の脳と心に変化をもたらしうること、そしてそれには何週間も続ける必要はないことが明らかになったとヤッサは言う。さらにありがたいことに、非常に軽い運動で十分なため、健康状態がすぐれない人や障がいのある人でもできるような運動でも効果が期待できる。

(引用元:東洋経済オンライン|短くてゆるい運動が脳に及ぼす侮れない効果

ハードな運動をする必要がなく、1日10分でも比較的早く効果が現れるのであれば、取り入れない理由はありません。それでは、脳の活性化に向いているゆるめの運動を3つ紹介します。

1. 自転車か徒歩で買い物に出かける

征矢氏らの研究を踏まえ、脳神経外科の三木潤一郎氏は、自転車か徒歩で運動することを推奨しています。生活習慣と運動を掛け合わせることで、脳により良い効果を与える可能性があることから、買い物がてら自転車に乗ったり歩いたりすることを特にすすめています。

ものすごく膝や腰が悪い人はウオーキングをするのも難しいかもしれません。しかしほとんどの方は軽く自転車に乗る、あるいはウオーキングなら行うことができると思います。

(引用元:産経ニュース|運動と脳 わずか10分間で記憶力向上

ランチは社内食堂を使わずに近所のカフェに出かける、休日の買い出しは車ではなく自転車で出かける、といったように習慣を取り入れれば、無理なく続けられるのではないでしょうか。自転車に乗ることや歩くことは、脳の活性化に効果的な運動の中でも特に習慣化しやすいので、ぜひ取り入れてみましょう。

2. 自宅で簡単なヨガをする

外出の時間がなかなか作れないという人は、自宅で始められるヨガがおすすめです。運動には脳の神経細胞(ニューロン)を増やし、認知能力を高めたり思考や感情に関わる神経伝達物資(ドーパミンなど)の分泌を促したりする効果もあると説く、ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ氏は、理想的な運動のひとつとしてヨガを挙げています。

ヨガのポーズ、空手の形といったように、自らの動きを意識させる運動は脳に良い刺激になります。また、複雑な動きをし、普段使わない筋肉を意識的に使うことも有効でしょう

(引用元:プレジデント・オンライン|脳細胞が増える運動「3つの条件」 ※太字は筆者が施した)

しかし、ヨガというと、「体が柔らかくないとできないのでは?」と心配になる人もいることでしょう。そこで、ヨガインストラクター・城所恵美氏がすすめる自宅ヨガを紹介しましょう。全7ステップで構成されている自宅ヨガは、トータル約8分で実践できます

【全7ステップの自宅ヨガ】

  1. あぐらの姿勢で大きく深呼吸をする
  2. あぐらから足裏をつけた姿勢をとり、膝を上下に揺らして股関節をほぐす(30回)
  3. 片脚をもう片方の脚に乗せ、息を吸いながら両手を上げ、吐きながら前屈する(5回)
  4. 右脚を左脚に乗せ、両腕を背中に回して手をつなぐ(5呼吸キープ)
  5. ひざ立ちの姿勢から片脚を大きく前に出し、股関節の前面を伸ばす(5呼吸キープ)
  6. うつぶせ寝から両脚をまげて両手でつかみ上体を上げる(5呼吸キープ)
  7. バスタオルを用意し、両腕を開いて胸の前で持って背中に回す(5往復)

深呼吸では、息を吸いながら手のひらを頭の上でそろえ、大きく吐きながら腕を下ろすのを5回、続けて後ろで手を組み、肩胛骨同士を背中の中央に寄せる感じでグーッと胸を開いて5回行ないます。ステップ3は、上に乗せる脚を左右入れ替えて合計10回行いましょう。ステップ4で手つなぎが難しい場合は、タオルを使うと簡単にできるようになります。ステップ5は、余裕ができたら後ろで手を組み胸を開いてください。

3. 童心にかえって、けん玉で遊ぶ

遊びの要素が多い運動を取り入れたいという人には、けん玉がおすすめです。けん玉というと “子どもが遊ぶもの” という印象が強いですが、ひざをリズミカルに屈伸させることから下半身の強化にも効果的で、アスリートの中にはトレーニングに取り入れている人もいます

順天堂大学教授・白澤卓二氏によると、けん玉はゆっくり歩く程度の有酸素運動に相当するとのこと。さらに、手先を使って頭も使って考えるため、脳の活性化にも効果的なのだそうです。

脳の神経細胞は脳に刺激を与えることで、新しく生成することができます。そこで、けん玉なのです。けん玉は、手先を使うあそびです。手先を使うことで、脳の運動野の多くの部分が刺激され、脳の神経細胞やシナプスの働きを強化してくれます

(引用元:日本けん玉協会 (2015),『脳が目覚める!けん玉レッスン』, 主婦と生活社. ※太字は筆者が施した)

基本的な動作ができたら、利き手と反対側でやったり歩きながらやったりするなど、ほかの動作と並行して行なうとさらに脳を活性化できるとのこと。ぜひ、童心にかえって楽しみながら脳を活性化させてみてくださいね。

*** 記憶力を高めて資格勉強を効率的に進めたい、ワーキングメモリ能力を高めて仕事の情報処理速度を上げたいなど、ワンランク上の自分を目指す人に、1日10分のゆるめの運動は力になってくれます。ぜひ、運動を習慣化して脳を活性化させてくださいね。

文 / かのえかな

(参考) 産経ニュース|運動と脳 わずか10分間で記憶力向上 東洋経済オンライン|短くてゆるい運動が脳に及ぼす侮れない効果 プレジデント・オンライン|脳細胞が増える運動「3つの条件」 美的.com|自宅でヨガ|初心者にもおすすめ!簡単にできる基本のヨガポーズをマスターして痩せ体質を手に入れよう♪ 日本けん玉協会 (2015),『脳が目覚める!けん玉レッスン』, 主婦と生活社.

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