30代・年収3,000万円を超える人は1ヶ月で "1年分" の本を読む。多読のコツとその効果。

皆さんは日々の生活において、本を読む時間をどれくらい設けていますか。忙しいビジネスパーソンであれば、通勤時間くらいしか読書に充てることができないという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし周囲と差をつけて “できる” ビジネスパーソンになるためには、ビジネス書や専門書などといった、誰かの知識やノウハウが詰まった本をたくさん読むことが必要不可欠です。そこで今回は、限られた時間の中でもより多くの本を読むことができる「多読術」の身につけ方をご紹介します。

読書の意義とは

読書の習慣は良いものだとなんとなく知っていても、なぜ良いのかについてはよくわからない、という方もいるかもしれませんね。

著述家である藤原和博氏は、読書をすることによって、得た知識や技術を組み合わせて解を導き出す「情報編集能力」を高めることができると言います。ビジネスの世界では、もう正解が存在する問題より、正解が決まっていない問題に直面する機会のほうが圧倒的に多いもの。決まった正解を探し当てる「情報処理能力」ではなく、この「情報編集能力」こそが、厳しい社会を生き抜くうえでは非常に重要視されているのです。そして「情報編集能力」を養うには、まさに知識や知恵の宝庫とも言える本を読むのが一番手っ取り早い方法なのです。

また、ある調査によれば、20歳代から30歳代の一般のビジネスパーソンは “年に” 平均3冊の本しか読まない一方、30歳代で年収が3,000万円を超えているビジネスパーソンは “月に” 平均3冊もの本を読んでいるのだそう。本をたくさん読めば読むほど年収が上がるというわけではありませんが、できるビジネスパーソンはやはり読書量が多い傾向にあることがわかります。

なぜ読書量が少ないのか

本をたくさん読もうと思ってもなかなか読むことができないのは、いったいなぜなのでしょうか。

そもそも読書に費やせる時間が少ない、という理由が挙げられるかもしれません。しかし先ほどお伝えした調査にもあるように、年収の高いビジネスパーソンほど多くの本を読んでいます。彼らが一般のビジネスパーソンと比べて特別時間があるとは考えづらいですよね。

また、読書をする時間を確保できているにもかかわらず読む冊数が少ない人にありがちなのが、本の内容全てを理解しようとすること。例えばノウハウ系の本を読む場合に、書かれていることを全部自分に取り入れようとしてはいないでしょうか。そうすると、1冊を読み終えるのにかなりの時間がかかってしまい、なかなか次の本へ移ることができません。多くの本を読みたいのでしたら、印象的なことが1冊の中にひとつでもあれば読んだ価値があったと考えるべきなのです。

このように読書量は、読書をする時間があるかどうかそのものよりも、意本の読み方によって大きく左右されるものだと言えるでしょう。つまり、限られた時間の中でも効率的に本を読めば、誰でもたくさんの本を読むことが可能になるのです。

多読のコツ

「多読術」の身につけ方

それでは、効率的に「多読」をするための具体的な方法をご紹介しましょう。

1. 問題意識を明確化する

経営コンサルタントである赤羽雄二氏によれば、「なぜこうなるのだろう」「このままいくとどうなるのだろう」「自分の場合はどうか」などという問題意識に沿って本を読むことが大切なのだそう。たいていのビジネスパーソンの方であれば、仕事において何らかの解決すべき課題を抱えているはず。抱えている課題の解決に即した本ならば問題意識を持ちやすく、読書に集中できるでしょう。読書に明確な目的を持つことで、読書量が自然と増えるはずです。

例えば会議で論理的な意見を言うのが苦手だと感じている方でしたら、「論理力を鍛える方法」や「相手に自分の意見を正確に伝える方法」といった方法論を扱う本を読むと解決につながるでしょう。あるいは、取引先との会話でなかなか話が続かないことに悩んでいる方であれば、近年の社会問題や経済について書かれた本を読むといった具合です。

本を読むときのポイントは、書かれている内容全てを身につけようとはしないこと。流し読み程度でかまいませんから、様々な本を読み比べてみてください。短期間で複数の本を読むことで、自分の課題解決のための合理的な方法が見つかったり、仕事に役立つ知識を身につけられたりるはずです。

2. マーキングしながら読む

編集工学の基礎研究などを行なっている株式会社編集工学研究所所長の松岡正剛氏は、読書の際にマーキングをすることをすすめています。気になった文に傍線を引いたり重要そうな単語を線で囲ったりするのはもちろん、著者が強調していることや同意できること、逆に自分と意見が異なることなどについて、自分で決めたマークを付けてみましょう。どんな筆記用具を使うかは問いません。本をノートとみなしてマーキングすることで、集中力を高めて読みに徹することができます。

また、マーキングが特に生きてくるのは本を再読するときです。ビジネス書や専門書などを再読する際、マーキングを追っていくだけで内容を思い出すことが可能になるのです。マーキングによって内容理解力と読むスピードが向上すれば、読める本の量が増えていくに違いありません。

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読書の時間を捻出するのが難しそうでしたら、いっそのこと効率的な本の読み方を身につけてしまいましょう。限られた時間の中で多くの本を読めるようになりますよ。

(参考)
松岡正剛 (2009),『多読術(ちくまプリマー新書)』, 筑摩書房.
日本実業出版社|「本を読むこと」で磨かれる5つのリテラシー
ダイヤモンド社 書籍オンライン|「本を読むのが遅い人」に共通する、たった1つのこと
ダイヤモンド・オンライン|なぜ、仕事ができる人は忙しくても本が読めるのか

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