自分を変えたいけれど、どうしたらいいかわからない。そんな人は、周りの人に目を向けてみるといいかもしれません。実は、自分の時間を共有する相手こそ、あなたの人生を大きく左右する、成功へのカギなんです。
あなたは、あなたの周りにいる最も近しい人(サークル)5人の平均
今や世界中に4億人以上の利用者がいるオンラインストレージサービスのDropbox。このDropboxの共同設立者兼CEOを務めるのが、ドリュー・ヒューストンです。 彼が2013年に母校のマサチューセッツ工科大学の卒業式で行ったスピーチの中で、成功へのカギの一つとして、『尊敬する人を「サークル」に入れよう』ということが挙げられました。よく言われるフレーズに、「あなたは、あなたの周りにいる最も近しい人(サークル)5人の平均だ」という言葉があります。周りの人達=サークルが、あなた自身を高めてくれるのです。
「自分に刺激を与えてくれる人と一緒に時間を過ごす」というのは、才能があることや一生懸命に仕事をすることと同じように大切なことである
[引用元:logmi|「人生のコツはたったの3つ」Dropbox創業者ドリュー・ヒューストンの卒業スピーチが感動的]
そのためにも、自分が住む環境は自分で決めることができるのだから、自分を高めてくれるような仲間のいる環境に身を投じよう、そしてその周りの尊敬できる人々から多くのことを学ぼう、と彼は言うのです。
時間を共有する相手が、人生を決める
社会派ブロガーとして運営ブログが月間200万PVを獲得するなど、日本で有数の人気ブロガーであるちきりんさんが、著書『多眼思考』の中で、こんなことを言っています。
人生の時間のどれくらいを誰と共有するかは、人生がどんなもんになるかを、ほぼ規定する。 さっきのは、別に結婚相手ということだけじゃなく、どんな人と仕事するか、どんな人と食事するか、どんな人と飲みに行くか、とか全部だよ。「誰と時間を過ごすのか」は、「何をするか」とほぼ同等(もしかしたらそれ以上)に大事。
[引用元:ちきりん『多眼思考』]
たしかに、付き合う相手によって、どこに行くかは変わってきますよね。文化系の友人とはオーケストラの演奏会を聴きに行くかもしれませんし、体育会系の友人とはバスケをしにいくかもしれません。一緒に暮らす人が身の周りを大事にする人だったらそれを見習おうとして自分も変わっていきます。 自分の行動と他人のタイプは、まさに鏡になっているんですね。
人は周りの人の影響を受けて生きている
さらに、自分自身が行動をしなくても自分を変えることができます。 私たちは、人の結婚式に参列して幸せな人を見るだけで、脳内物質のオキシトシンの分泌が約15%上がることが脳科学の研究から明らかになっています。このオキシトシンは、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンの一種。2007年の北米神経科学学会で発表された研究で、ストレスを軽減する効果があることが実証されている他、社交性を高めたり、思いやりの気持ちを芽生えさせるなど、さまざまなポジティブな効果があることが知られています。 他人の幸せを見るだけでこの脳内物質が分泌されるというなら、ぜひとも幸せなあちこちの場に出向きたくなりますね。
またブリュッセル自由大学のKobe Desender氏らは、私達が認知課題をやる際に、周りに集中している人がいることで私たちの課題のパフォーマンスに差がでるかどうかを、サイモン課題というペアで行う実験を用いて検証しました。 その結果、より集中している相手と一緒にやると、もう片方の被験者の集中力も高まっていることがわかったのです。 私達の神経細胞には、「相手が何をしているかを見て反応する」ミラーニューロンというものもあります。周りの人の行動や性質は、自分で意識しなくともとても大きな影響を与えているのです。
*** いかがでしたか。 私達は、相手次第で、ポジティブな影響を受けることもあれば、ネガティブな影響を受けることもあります。ポジティブな影響や刺激を与えてくれる人の近くにいって、その人に学んでみませんか。
参考 logmi|「人生のコツはたったの3つ」Dropbox創業者ドリュー・ヒューストンの卒業スピーチが感動的 gori.me|Dropbox、ユーザー数が4億人を突破したことを発表 ガラパイア 不思議と謎の大冒険|“愛情ホルモン”、脳内分泌物質「オキシトシン」の驚くべき11の効果 wikipedia|Dropbox Research Digest|Mental effort is contagious 岩崎一郎|2013|クロスメディア・パブリッシング 何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ 池谷裕二|2010|新潮社|脳がなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?―

