数学を学ぶのに有利な言語、不利な言語

みなさんは数学を学ぶのにいちばん有利な言語は何だと思いますか? 数学がギリシャで発展した歴史を考えると、古代ギリシア語とかラテン語なのかなぁと想像するかもしれません。 しかし、実は我々の身近な言語が、数学において最適だったのです。

ウォールストリートジャーナルによると、日本語・トルコ語・中国語・韓国語が数字を表す上で最も単純で、数学的概念がより明確に表現できるとのこと。 特に英語は数学には不向きの言語らしく、英語を母語とする国の子どもたちの数学の能力の低さが目立っているそうです。 その一方で、上述の4つの言語を母語とする国の子どもたちの数学的センスは非常に高いとされています。

いったいなぜなのでしょうか。 今回は数学に適した言語について紹介します。

 

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badge_Columns_100日本語は「じゅういち」、英語は "eleven"

数字の「11」を日本語で読むと「じゅういち」ですが、英語で読むと"eleven"ですね。 子供が数学を始める時、ここで最初につまづくと言うのです。

というのは、十進法と関係があります。

日本語で「11」を読むとき、「じゅう+いち」と表現し、「10」の概念が先頭に来ますね。 一方で、英語では"eleven"となり、完全に別の単語です。 同様に「12」は"twelve"。10の二つ後の数字だということをすぐに理解するのは難しいですね。

10進法の世界を理解するために、英語はちょっと不向きな理由はこのあたりにあります。

badge_Columns_100日本語は「じゅうなな」、英語は"seventeen"

英語は、11以上の数字の名称は桁の値がはっきりと示されません。 たとえば「17」は、日本語では「じゅうなな」のため、「10」と「7」を合わせたものだとすすぐにわかります。 しかし、英語では"seventeen"と表されます。 十の位が1であることを表す"teen"ですが、これは一の位の「7」より後に来ており、わかりづいらいです。

実際、ノースウェスタン大学のKaren Fuson教授とテキサスA&M大学のYeping Li教授の研究では、英語圏の子どもたちは、"teen"が後にくるせいで「17」と「71」を混同しやすいということがわかっています。 彼らによると、二桁の足し算や引き算をする時に英語の数字の名称で解いている子どもたちは、その二桁の数字が10の倍数と1の倍数から成っているということを理解するのに苦しみ、間違いやすいとのことです。

 

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badge_Columns_100言語がワーキングメモリを圧迫する

Fuson教授によると、こうした英語の数学的なわかりづらさは、子どもたちの計算において不利に働くということです。 というのも、「twelveは数字で書くと十の位が『1』で一の位が『2』の『12』」という風に計算以外にも脳を働かせなくてはなりません。 (日本語だったら『「じゅうに」はすぐに「10+2」の「12」』とすぐ理解できます) こうした脳の追加的な処理は計算ミスを誘発しやすく、またワーキングメモリの容量を圧迫します。

ワーキングメモリとは、一時的に記憶を保存しておく場所のようなもの。一時的に覚えておける量には限界がありますから、ムダな情報はミスを誘発するというわけです。

badge_Columns_100アジア圏は数学に強い

高校入学時の国際学力テストでは、アメリカの学生は65カ国中30位でした。 一方で世界一になったのが中国と韓国の学生です。

また、カールトン大学のJo-Anne LeFevre教授のボードゲームを使った実験によると、英語話者の幼児より、トルコ語話者の幼児の方がより早く数を数える能力が向上したということです。

グローバルエリートと呼ばれる人の大半が英語圏ではありますが、実際英語は数学に不向きの言語です。 それに比べ、日本語は10進法にも則っているため、数学に有利な言語だと言えます。 僕たちは、数学を学ぶためにとても有利な環境にいます。 「数学は苦手だから……。」と敬遠するのではなく、有利な環境を活かして数学に取り組んでみてはいかがでしょう。

<参考> The Best Language for Math Confusing English Number Words Are Linked to Weaker Skills(The Wall Street Journal)


東京大学文科三類所属。磐田南高校卒業。4歳からサッカーとピアノを始める。大学ではスペイン語を学んでいる。三島由紀夫とMr.Childrenをこよなく愛する。将来はスペインに住んで日がな一日レアルマドリードの試合を見て天寿を全うしたい。

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