カウンセラーに学ぶ、「大人の相談力」

Two affectionate girl friends embracing

あなたが自分の大切な人から、「相談に乗ってほしい」と言われた時。どのように力になってあげようと考えますか? どれだけ親身になっても、考え方が間違っていたら逆に相手を追い詰めてしまったり、信頼関係を崩壊させてしまうかも。逆に相手の期待に応えられた場合、信頼関係はそれまで以上に深まるでしょう。相談とはいわば人望に直結するチャンスでもあるのです。

そこで今回は相談役のプロであるカウンセラーから学ぶ、大人の相談力をつけるための心得をご紹介します。

badge_columns_1001711その相談、本当に正しい回答があるの?

ひと口に相談と言っても、色々な種類の相談があります。一般的に多いのは、仕事や恋愛、人間関係などでしょうか。 もしあなたがそういった内容について相談を受けたとき、「自分なら解決してくれる! と期待して相談してきたに違いない」と考えるかもしれません。確かにそういった側面はあるでしょう。 しかし大抵の場合、この種の相談に対する絶対的な正解はありません。たとえ全く同じ経験をしたことがある人であっても、自分はうまくいったが相手がそのやり方でうまくいくとは限りません。

では相談をしてくる人の「目的」は何なのでしょうか。答えは明瞭です。自分の想いや考えを聞いてもらい、安心したいだけなのです。こう言われると薄情な考え方だと思う人もいるかもしれません。しかし、人が相談に至るまでの思考プロセスを考えて見れば納得がいきます。

badge_columns_1001711私たちが他人に相談するまでの、脳のプロセス

<相談者> 問題→解決策を考える→それが正しいのか悩む→不安→相談

多くの場合が上記のようなプロセスを辿って相談に至ります。ここで分かるのは、依頼者の方が当然その問題に対して長い時間をかけて真剣に考えているということ、そしてあらゆる選択肢を吟味した結果、不安になって相談してきているというです。 つまり、散々考え抜いているのですから、答えの方向性はすでに相談者の中にある場合が多いのです。そのため相談役の本質的な意義とは、ずばり、「相談者がぼんやりと抱いている回答を親身に掘り下げて聞いてあげること」、そして「不安を和らげ答えに導いてあげること」なのです。

「せっかく相談されたのだから何か有効なアドバイスをしてあげよう」とすることは、かえって不安を煽ってしまっているかもしれないのです。これでは相談者の目的を果たしてあげられていません。良い相談役は、決して自分の意見を押し付けず話しをしっかりと聞き出してあげられる人なのです。

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badge_columns_1001711相談力ってなに?

「アドバイスをするなって言われても、相手が聞いてくるから自分なりの見解を言っているだけだ」と思った方も少なくないでしょう。そうなんです。そこが相談力が試されている最大のポイントなのです。 あなたの経験や価値観からできるアドバイスは、求められてはじめてしてあげるべきということです。相談力とは「いい解決策を与えられる力」ではなく、「相談してよかったなと思わせる力」なのです。だからこそ相談力が信頼や人望につながると言えるのです。

badge_columns_1001711相談力の3つの心得

以上のことを踏まえ、ここでは今日から使える「相談力」を養う3つの心得をご紹介します。

  1. 「あなたは本当はどうしたいのか」をひきだす 上述したように、相談者が求めているのは悩みへの回答よりも「自分の想いや考えを聞いてもらい、安心したい」ということ。相談者の姿勢としてはあくまで「聞き役」で、途中で自分の意見を挟んだりするのは御法度。 同じ目線にたち親身な姿勢で聞いてあげることで、相手に信頼感を与え自分自身の本音が見えてくるものです。ここであなたなりの見解は求められていません。相手の感情をフォローするように引き出してあげましょう。

2.ありのままを受け入れる 相手の言うことをすべて受け入れること、それを心理学用語では「受容」と言います。相談者が真剣に悩んでいるときほど、自分を否定されることで信頼関係が崩壊してしまう危険性があります。 相談者は信頼しているからこそ弱い面を晒け出していることを忘れずに、全てを受容することを心がけてください。

3.悩みを整理してあげる 相談役として同じ気持ちになって寄り添ってあげることは大切ですが、一緒に悩みにおぼれてはいけません。相談を受ける時には、「悩みの本質や相手の気持ちを聞きだし、自分の中のモヤモヤや回答を整理するお手伝いをする」というスタンスに徹しましょう。 あなた自身の悩みではないからこそ、冷静に客観的に見ることができるはずです。

*** いかがでしたか? 相談と聞くと「少しでも良いアドバイスをして助けてあげたい」と力が入ってしまうかもしれませんが、相談役としての心得はいたってシンプルです。ぜひ実践してみてください。 今まで受けてきた友人や後輩、恋人からの相談が、今のあなたの信頼度を築き上げているかもしれませんよ。

参考文献 The Change|カウンセリングのテクニックを使って上手に相談に乗る方法 エキサイトニュース|○○しないのがコツ!?「女性の相談」に乗る男性、乗らない男性の違い


明治大学経営学部経営学科に所属。桐蔭学園高校卒業。海外旅行好きが高じて、昨年一年間アメリカに留学。やらないでする後悔よりやってする後悔。自分の好きな事に素直に生きていたい。野球歴10年。毎日が勉強。

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