あなたは、今日何回「ありがとう」と言われましたか? そして、今日何回「ありがとう」と言いましたか? 今回ご紹介するのは、コミュニケーションを豊かにし、言われた人はもちろん、言った人の幸せ度までアップさせる”魔法のことば”です。
「ありがとう」で幸福になれる
魔法のことば。それは誰でも知っている「ありがとう」。 「ありがとう」と言い、感謝の気持ちを伝えること。それは、言われた人のみならず言った人の「幸福度」にも直結することがわかってきました。 ある実験では、被験者に毎日、「感謝していること」をリストアップしてもらいました。すると、その被験者たちはそうでないグループよりも幸福度が高まったというのです。
この被験者たちは、何かポジティブな出来事を経験したわけではありません。感謝していることをただ書き出しただけ。感謝の気持ちを意識的に考えることは、人間関係や感情にとってプラスになるのですね。
仕事での生産性をあげる「ありがとう」
「ありがとう」の効果はこれだけに止まりません。感謝の気持ちによって得られる幸福感は、仕事の生産性を向上させるというのです!
米Warwic大のAndrew Oswald教授らは、被験者をいくつかのグループにわけ「幸福度を高める」操作を行ったグループと、「悲しい感情を高める」操作を行ったグループ間で、簡単な計算などの課題を行わせました。
すると、幸福度を高めたグループの方が生産性が有意に高く、なんと通常時よりも約12%も生産性が上昇したといいます。
上司に「よくやった、ありがとう」と褒められた時。 同僚に「いつも助かるよ、感謝してる」とお礼を言われた時。
自然とやる気が湧いてきますよね。ビジネスの場面でも、いやビジネスの場でこそ「ありがとう」は有効な手段だと言えるでしょう。
「ありがとう」は脳科学的にも効果的だった。
誰でも、感謝されると嬉しく感じますよね。そして、安らかな気分になるはずです。それはなぜでしょうか。
その秘密は脳にありました。「オキシトシン」と呼ばれるホルモンをご存知ですか? これは、出産時に子宮の収縮を促したり母乳の合成と分泌を促す物質。主に女性の体内で分泌されるホルモンで、東邦大学医学部統合生理学教授の有田氏によれば以下のような効果があるそう。
1、人への親近感、信頼感が増す。 2、ストレスが消えて幸福感を得られる。が、 3、血圧の上昇を抑える。 4、心臓の機能をよくする。 5、長寿になる。
(引用: PHPオンライン 衆知|PHP研究所「脳の疲れ」がスーッととれる!“癒しホルモン”オキシトシンの増やし方)
良いことづくめですね。「こんなのが女性にのみ分泌されるなんてずるい!」と思った男性もいるかもしれませんが、近年ではこのホルモンが子供をもつ女性だけではなく、性別や年齢に関係なく分泌されることがわかってきました。
このオキシトシンを分泌させる方法の一つが、「人とのコミュニケーション」。中でも特に感謝の気持ちを伝えるコミュニケーションが重要なんだとか。「ありがとう」と素直にいうことで、こころだけでなく、体内にも科学的に良い変化が起こるのですね。
名経営者、良い上司は無意識に使っている?
「ありがとう」と口にすることの大切さを、わかっていただけたでしょうか。幸福度を高め、オキシトシンを分泌させ、仕事の生産性を向上させる「ありがとう」。
著名な経営者の本に、「ありがとうを惜しみなく使う」というフレーズがありました。たった5文字の言葉で周囲のやる気を引き出し幸せ度をアップさせてしまうのですから、「ありがとう」が飛び交う環境は、生産性の高い良い職場なのでしょう。 自らが惜しみなく発した「ありがとう」の積み重ねが、彼を名経営者に押し上げたのかもしれませんね。
*** 今日一日、誰かと会話する時、必ず一回は「ありがとう」と言ってみてください。友人にばったり会ったら「声をかけてくれてありがとう。」部下から報告をもらったら「報告ありがとう。」仕事仲間に「いつもありがとう。」
意識して探せば、感謝できることは必ずあるはずです。最初は少しはずかしいですが、慣れればきっとあなた自身の毎日が豊かになりますよ。
おためしあれ。
参考: PHPオンライン 衆知|PHP研究所「脳の疲れ」がスーッととれる!“癒しホルモン”オキシトシンの増やし方 WARWICK|New study shows we work harder when we are happy bufferh social|10 Simple Things You Can Do Today That Will Make You Happier, Backed By Science