みなさんは「平均」と言われたら、何を思い浮かべますか?

平均点、平均速度、平均成長率などといった言葉を思い浮かべることでしょう。平均という言葉が意味するのは、いくつかある数字の中で中間的な値のことです。そのため、データについて何かしらの判断をするときなどに、基準としてよく利用されますよね。

しかしながら、一言で平均と言っても、実はいくつかの種類があるというのをご存知でしょうか?

先ほど例に挙げた、平均点、平均速度、平均成長率は、ひとつの公式から導くことはできません。データを全部足して、そのデータの個数で割れば平均は求められる、という考え方が通用しない平均もあり、それぞれ異なる算出方法で求めなくてはならないのです。これらの数値は、それぞれ正しい方法で算出しなければ、大きく数値が変わってしまいます。そのようなことになれば、間違った判断につながるかもしれません。

では、それぞれの平均は、どのようにして求めればよいのでしょうか?

オーソドックスな相加平均

平均点など、普段私たちが慣れ親しんでいる平均が、相加平均です。みなさんご存知の通り、点数などといったデータをすべて足し合わせ、データの個数で割ることにより求めることができます。次の式が公式です。

H=(n1+n2+…+nm)/m

(※Hが平均、n1,n2…nmはデータ、mはデータの個数を表しています)

例えば数学のテストで、Aさんが90点、Bさんが60点をとったとき、

(90+60)/2=75

の式から、平均点は75点ですね。

このように、相加平均は身長・体重・テストの点などの平均を表すときに用いられます。平均と言われたとき真っ先に思い浮かぶので、使う機会も多いでしょう。しかしながら、相加平均を求める方法では、正しい平均を求めることができない状況があるのです。

相加平均を用いることができないのは、どんな場合でしょうか?

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○倍で変化する量の平均を求める相乗平均

成長率などのように、○倍で変化する量の平均には相加平均を用いることができません。相乗平均と呼ばれる平均を用いることになります。

相乗平均を求める方法は、各データを全てかけ、その積の冪根(べきこん)をとる(数値が2個なら2乗根を計算する)というもの。公式は次のようにあらわされています。

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(※Hが平均、n1,n2…nmはデータ、mはデータの個数を表しています)

相加平均では、成長率などの正しい平均を求めることができないというのはどういうことでしょうか。次の例で考えてみましょう。

あるお店では3ヶ月間の売り上げがそれぞれ、10万・40万・360万でした。このとき、このお店が平均何倍で売り上げを増やしたかを求めてみます。最初の月から次の月までに4倍、その次の月までに9倍だから、相乗平均を考えると、

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により、平均は6倍。最初の10万に(6×6)倍すると360万となり、最終的な売り上げが確かに一致します。では相加平均で計算してみた場合、どうなるでしょうか? 相加平均の式に当てはめると、

(4+9)/2=7.5

により、平均は7.5倍となります。最初の10万の(7.5×7.5)倍を考えると、562万5千円となり、大幅に大きくなってしまいますね。このように、相加平均では正しく平均成長率を求めることができないのです。

平均成長率などをデータとして示す機会はきっと多いはず。平均を大きく見積もってしまうことがないよう、注意してみてください。

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単位当たり量の平均である調和平均

もう1つ、相加平均で求めることができないのが、平均速度など、単位当たり量の平均です。これらは調和平均と呼ばれます。調和平均を求める方法は、データの個数を、データの逆数を足した数で割るというものです。公式は次のようにあらわされています。

H=m/(1/n1+1/n2+…+1/nm)

(※Hが平均、n1,n2…nmはデータ、mはデータの個数を表しています)

単位当たり量といわれると、速度・電気抵抗など科学的なものが思いつきます。そう考えると、実生活で調和平均を使う機会はあまりなさそうですが、そんなことはありませんよ。次のような平均額を求める問題も、調和平均を用いる必要があるのです。

AさんとB君はともに千円持っていて, ぴったり使い切るように買い物をします。Aさんは20円のチョコを買い, B君は100円のクッキーを買いました。2人が買ったものの1個当たりの平均額はいくらになるでしょう。

(引用元:caLabo.|「平均」いろいろ(3/5)~調和平均

平均は20円と100円の真ん中で、60円……ではありません。正しい平均額は調和平均なので、

2/(1/20+1/100)=33.333……

という計算により、33円になるのです。ちょっと納得しづらいですよね。本当にそのようになるのか検算してみましょう。

平均にデータの個数をかけると、全てのデータを足した量になりますよね。確かに、最初に挙げたテストの例において、90点と60点の和である150は、平均点である75点に2をかけた数でもあります。

では、この問題についてはどうでしょうか? Aさんは50個、Bさんは10個、合計60個の買い物をしました。そのため、もし平均額が60円ならば、

60(円)×60(個)=3600(円)

となり、使った金額は合計3,600円となってしまいます。2人が持って行った金額は2,000円なので、一致していません。次に、さきほど求めた調和平均の33円について確認してみると、

33(円)×60(個)=1980(円)

となり、ほぼ2,000円になることがわかります。よって、33円が正しい平均額だということがわかるでしょう。

***
あまり考えずに計算してしまいがちな平均ですが、データの種類に対する計算方法を誤ると、大幅に異なる数値を算出してしまうことになります。誤った判断を下さないよう、平均の種類について少し気をつけてみてくださいね。

(参考)
Wikipedia|幾何平均
caLabo.|「平均」いろいろ(3/5)~調和平均
caLabo.|「平均」いろいろ(2/5)~相乗平均