みなさんはスポーツ選手が時折見せる「毎回欠かさず行う一連の動作」に着目したことがあるだろうか。有名なのは、野球選手のイチローが行っているものだろう。袖をまくりバットを相手に向ける、アレだ。「ルーティン」と呼ばれる儀式のような動作は、パフォーマンスに大きな影響を与えるとされている。

スポーツ選手だけでなく、各界の著名人が行う「ルーティン」。
今回は大事な場面で絶大な効果を発揮するその「ルーティン」の効果に迫ってみたい。

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badge_columns_1001711「ルーティン」でメンタルもフィジカルも回復させる!?

スポーツにおいてルーティンが重要である。このことは以前からよく知られていて、メンタルトレーニングの権威であるJim Loehr博士は、

トップテニスプレーヤーは、プレー間に必ず決まった動作を行っている。結果、ポイント終了後、心拍数が一分間に20回低下という驚異的な回復をみせた。

Loehr, J., & Schwartz, T. (2001). The making of a corporate athlete. Harvard Business Review, 79(1), 120-129.より

と紹介している。

一方でルーティンを行わない選手は、怒りやイライラ・ネガティブな感情、が起こり、心拍数が上がる・筋肉が緊張する・集中力が低下する、などの現象が起きたとのこと。

メンタルもフィジカルも回復させる。ルーティンの持つ驚くべき効果の一つだ。

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badge_columns_1001711余裕をもった思考を。「ルーティン」で脳の負担を減らそう

「ルーティン」には、もうひとつの効果がある。それは「型通りの動作を繰り返すことで、余計な思考をしなくて済む」ということだ。

プレゼンの天才とも言われるスティーブ・ジョブズの例を見てみよう。彼がいつも黒いタートルネックを着てプレゼンに望んでいたことを、覚えているだろうか。

あれもれっきとしたルーティンの一種だ。普通の人が必ず行う「服を選ぶ」という動作。それをしないことによって、余計なことに気を取られない。自分の脳のメモリに余裕を持たせているというのだ。

オバマ大統領も彼自身へのインタビューの中で、いつもブルーかグレーのスーツしか着用しない、それによって「決断すべきこと」を減らしているのだ、と答えている。

自分の思考に余裕を持たせる。そのためにも、ルーティンは有効なようだ。

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badge_columns_1001711緊張をほぐし、余裕を生む。自分流の「儀式」を作ろう。

以上見てきたように、ルーティンには大きな利点がたくさんあった。ここまでで気づいていただけただろうか?

イチローもオバマもスティーブ・ジョブズも、自己流のルーティンを持っていたということに。

そう、ルーティンは、自分自身で生み出す必要があるのだ。何が自分に向いているか、探して行く必要がある。ひょっとすると、気づかないうちに自分なりのルーティンを持っている人もいるのかも。そういう人は、意識して自分の行動を振り返ってみると良いかもしれない。

プレゼンの前に、マイクを三回叩いてから話を始めてみる。テストの前に、解答欄を線で区切ってから解いてみる。いろいろなものが考えられる。

自己流の厳かな「儀式」。そう位置づけて、自分にぴったりのルーティンを見つけてみてほしい。

参考:
Loehr, J., & Schwartz, T. (2001). The making of a corporate athlete. Harvard Business Review, 79(1), 120-129.
Entrepreneur : How Successful People Deal With Stress
ルーティンワークって思考停止?あえて「考えない」という選択


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福田伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。