良い "励まし" にはコツがある! 「励まし上手」は知っている。励ます時のふたつの基本

皆さんは、職場で同僚や後輩が落ちこんでいるとき、どのように元気づけているでしょうか。話を聞いたり、具体的にアドバイスをしたり、あるいは気晴らしのために飲みに誘ったりなど、さまざまあるでしょうね。

相手をうまく励ますことができれば、その人のみならず職場全体のモチベーションも上がり、仕事の成果にもつながっていきます。またチームで仕事をする際にも、お互いに励まし合うことで人間関係が円滑になったり、目標を共有できたりするものです。しかし一方で、励まし方を誤ってしまっては、相手はさらに意気消沈してしまうでしょう。

このように「励まし」が人の行動に大きな影響を与えるものだからこそ、上手な励まし方はぜひとも身につけておきたいもの。そこで今回は、上手な励まし方のコツについてお伝えしていきます。

“NGな励まし方” を知ろう

私たちは励まし方ひとつで相手のやる気を引き出したり、逆にモチベーションを下げてしまったりします。そこで、上手な励まし方について知る前に、まずはNGな励まし方を知っておきましょう。いざ実践する際に大きな失敗をしてしまうことがなくなるはずです。

1. 禁句「頑張れ」を多用してしまう

普段私たちが相手を励ます際に使いがちな「頑張れ」という言葉ですが、安易に用いるべきものではありません。

自分が励ます側にいる場合、ただ応援したいという純粋な気持ちから「頑張れ」とつい口にしてしまうかもしれませんね。しかし相手が落ちこんでいる場合は、「頑張れ」と伝えてもほとんど意味はありません。なぜならば、その人はすでに頑張ったあとだからです。

仕事をするにあたっては、精神論ではどうにもならないこともたくさん出てきます。それにもかかわらず「頑張れ」と言われると、「限界まで頑張っているのにまだ足りないのか」と、相手のモチベーションはかえって下がってしまいます。また何の解決策も与えていないという点からも、この「頑張れ」という言葉は無責任に聞こえてしまう場合もあるので要注意です。

2. 持論を展開してしまう

相手から相談を受けたとき、アドバイスをしようとついつい持論を語ってしまう方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし、それは少し待ってください。

そのアドバイスは、本当に相手の悩みを解決するものでしょうか。相手に寄り添うことなく自分中心の考えを述べてしまっては、逆効果になってしまいます。例えば「自分が入社したての頃はもっと大変だった。厳しい上司に必死に食らいついていったよ。気概があればなんとかなるものだ」などと言ったところで、相手は何の参考にもなりません。的外れなアドバイスは相手のやる気を奪うだけでなく、自分の信頼をも失ってしまう原因になるのです。

では、私たちはどのようにすれば、親身になって相手を上手に励ますことができるようになるのでしょうか。具体的な方法を2つご紹介していきましょう。

1. 聴き役に徹する

コミュニケーション総合研究所代表理事である松橋良紀氏は、励ますときは聴き役に徹することで、相手の自発的な行動を促し成長させることができると伝えています。

まず「何があったの?」と状況を尋ね、「そうなんだ、〇〇について悩んでいるんだね」「君はどうすればいいと思う?」など、話を進める言葉を適度に挟みましょう。ただ相槌を打つだけでは、相手は本当に話を聴いてもらえているのか不安に感じてしまいます。また話を遮るように持論を展開するのも、先ほどお伝えした理由からおすすめできません。

自分の意見やアドバイスを言うのは、最後まで話を聞き終えてからです。それも、相手に求められたら伝えるようにしましょう。まずは相手に考えさせることで、次に似た状況に陥ったときでも自力で解決できるようにするのです。また単に話を聞いてほしかっただけである可能性もあるでしょう。次第に相手の顔が晴れやかになってきたら、しめたものです。

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2.「リフレーミング」×「ストレングス」

産業カウンセラーである大美賀直子氏によれば、「リフレーミング」と「ストレングス」の相乗効果によってうまく相手を励ますことができるのだそう。「リフレーミング」とは自分の思考を肯定的な視点へと変換すること、また「ストレングス」はその人が持っている強みを指します。

例えば、仕事でミスをしてしまった同僚のAさんが落ちこんでいるところを想像してみてください。「自分で判断して作業を進めてもミスをして上司に叱られ、指示を待っていても自分で考えてやれと叱られる。上司の言うことが大雑把でどのように対処していいのかわからない。自分には能力がないのだろうか」と相談してきたとしましょう。

「リフレーミング」を行なうと「自分には能力がないからミスをして叱られる」→「 能力があるからこそ仕事を任されている。上司はAさんの成功に期待している」と考えることができます。そして「ストレングス」は「Aさんの積極性」です。

これらを踏まえて、「確かに、上司の指示には曖昧なところもあるね。でも、その上司はAさんの積極性を評価しているはず。今回はたまたまミスがあったから叱られただけで、本当は能力のあるAさんに期待をしているんだよ。大丈夫、次はうまくやれるよ」というように伝えてみてはいかがでしょうか。相手はきっと励まされるはずです。

*** 皆さんも、ぜひお伝えした方法を試してみてください。相手の心をつかむ励まし方ができるようになりますよ。

(参考) 東洋経済ONLINE|威圧上司よサラバ!正しい女性部下の励まし方 NIKKEI STYLE|出世ナビ|今こそ身につけたい「励ます技術」 リクナビNEXTジャーナル|やってはいけない「励まし方」、効果的な「励まし方」 nikkeiBPnet|「頑張ろう」よりも「大丈夫」が効く。励ましの言葉はこう伝えよう

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