「人の意見に流されやすい人」がするべき4つの簡単トレーニング。“本の選び方” で意思決定力が高まる!

誰でも一度や二度くらい、多数派の意見に流されてしまったことがあるでしょう。でも、だからといって落ち込む必要はありません。そもそも人は流されやすい生き物なのです。今回は、さまざまな研究から「人の流されやすさ」を理解し、それでも周囲に流されないビジネスパーソンになるために、「ディベート思考」の身につけ方を紹介します。

ヒトは流されやすい生き物である

3つの研究をもとに、「いかにヒトが流されやすい生き物であるか」を説明します。

1.「いいね」が多い写真は好きになる?

カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)が、13〜18歳までの参加者を対象に行った研究では、SNSで自分の写真に「いいね」がつくと、報酬系(欲求が満たされたときに快感を与える神経系)として機能する脳の側坐核が活性化することが分かりました。

そして、参加者半分に「『いいね!』がたくさんついた写真」を見せ、もう半分の参加者に「『いいね!』が少ししかついていない同じ写真」を見せた場合、「『いいね!』がたくさんついた写真」を見た参加者は、その写真を好きになる傾向があったそう。

2. 会議では前の人の意見と同じになる?

PRESIDENT (プレジデント)2018年 7/16号」では、精神科医の樺沢紫苑氏が、参加者20人を対象に行われたある研究を紹介しています。

まず、参加者の半分には、ある課題に対して「賛成」か「反対」か一斉に投票してもらいました。そして、もう半分の参加者にいたっては、はじめに3人の参加者による「賛成」という意見を聞いたのち、残りの参加者にその場で投票してもらったのだとか。

その結果、「賛成」の意見を聞いてから投票を行った参加者グループのほうが、賛成票が多くなったそうです。

3. とにかく他の人と同じが心地いい?

ある研究では、「ピーという音が鳴るたびに、立ち上がる人々がいる待合室」に入室した人が、「わけもわからず、他の人と同じようにピー音で立ち上がる」という行動を見せました。しかも、その行動は、誰もいなくなった際にも継続されたのです。

なかには「なぜ音が鳴ると立ち上がるのか?」と、別の被験者に質問した人もいますが、回答者の「他の人がそうしていたから、そうしなければならないと思った」という、答えにならない回答を聞いたあと、その質問者も同じようにピー音で立ち上がるようになりました。

ペンシルベニア大学のJonah Berger氏によれば、こうした被験者の行動は「社会的学習(social learning)」と呼ばれるそう。人はこのお陰で社会的に生きられる反面、悪い習慣なども身につけてしまう可能性もあるのだとか。

被験者のひとりは、「自分も同じようにすると決めて、やり始めた時点でずっと居心地がよくなった」と話しています。2018年10月8日にPNASで発表された英国の研究によると、信念(それが正しいと信じる心)が更新される際、ドーパミン系の重要な脳領域が活発化するとわかったそう。

他の人にならい「そういうものだ」と自分の信念を更新した暁には、はみ出し者にならないという安心感に加え、心地よさ(快感)まで得られる可能性があるわけです。

周囲に流されない「ディベート思考」とは

「いかにヒトが流されやすい生き物であるか」説明しました。周囲に流されてしまう状況を避けるのは、なかなか難しそうです。でも、「ディベート思考」を身につけておけば、決して簡単には流されません。

ディベート思考は、ある課題について肯定・否定の両面から分析し、導き出した策の根拠を検証し、問題を解決していく思考法です。ディベート思考が身につくと多面的に見られるようになり、論理的思考力・説得力・意思決定力・対人力が高まるといわれています。

「絶対に、人の意見になんか流されないぞ!」と踏ん張るだけではすぐに支柱が傾き倒れてしまいそうですが、この思考法ならば、あらゆる課題において「自分の意見と、人の意見を分析・検証しながら、最善の策を講じる」という複数の柱に支えられた、安定感かつ柔軟性のある対応ができそうです。

「ディベート思考」の身につけ方

ここで、精神科医・樺沢紫苑氏のアドバイス等を参考にした「ディベート思考」の身につけ方をご紹介します。

1.何かの課題に対し「賛成意見」と「反対意見」を用意する

気軽にできるトレーニングとして、本を読んだり映画を観たりしたあと、書評あるいは映画レビューを書くことをおすすめします。その際には、必ず「賛成意見」と「反対意見」両方とも書くようにしましょう。どんなに面白い本や映画だったとしても、あえて欠点や疑問点をあげてみるのです。そうすることで、物事を多角的に見て考える力が養われます。

2.自分の考えに「沿った本」と「沿わない本」を読む

たとえばTPPや原発など、ある問題について反対派の人は、反対論者の本しか読まないことが多いですが、そこであえて双方の本を読むことでディベート思考は鍛えられると樺沢氏は伝えています。自分とは異なる意見が、どう成り立っているのか理解することで見識を広げられるでしょう。

3.よき相談相手をたくさん見つける

「これについて、どう思う?」と、洋服から旅行先、レストランから仕事の内容にいたるまで、よき相談相手を見つけることも大切なのだとか。常に、さまざまな意見を聞ける状況をつくっておくことで、ディベート思考の土台が強化されていくはずです。

4.ニュースを見ながら「〇〇なら何というか?」と考える

たとえば何気なくニュースを見ているとき、何かしら心に浮かぶ「自分の思い」があるはずです。腹立たしいニュースを見て、感情が高まることもあるでしょう。そんなときはすかさず、比較的自分とは違う意見を持っている友人や同僚などを思いだし、「〇〇なら、このニュースに対し何というか?」と考えてみましょう。

*** 自分自身でトレーニングを重ねたら、親しい友人と本や映画、さまざまな議題について、軽くディベートを始めてみてください。そうしていくうちに、いつのまにか周囲に流されずに自分の意見をいえる、そして他者の意見もちゃんと聞ける、「ディベート思考」を持ったビジネスパーソンになっているはずです。

(参考) WIRED.jp|研究が裏づける、ティーンエイジャーの脳の「いいね」依存 Medical News | Medical Articles|Change in short-term beliefs related to dopamine function, study shows YouTube|Social Conformity - Brain Games PRESIDENT編集部著(2018),『PRESIDENT (プレジデント) 2018年 7/16号』,プレジデント社. 太田龍樹著(2007),『論理力・説得力・対人力が高まるトレーニング ディベートの基本が面白いほど身につく本』,中経出版.

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