暗記が苦手ならとにかくこれ!イメージ化と場所法で、暗記が得意になる極意
暗記モノが苦手、でも「記憶術」は胡散臭い……。 そうしてどんどん暗記モノが苦手になっている人はいませんか? 今回は、様々な記憶術の本を読んでいて気が付いた共通点から、絶対効果あり!な記憶術のレシピをご紹介します。
記憶術に共通のキーワード=イメージ化!
膨大な量の知識を、一度にすばやく暗記する、そうした効率の良い暗記法として数多く提唱されている『記憶術』。 『記憶術』について書かれた本を見ているとよく出てくるキーワードがあります。 それは「イメージ化」です。 イメージ化というのは、覚えなければいけない単語や項目のそれぞれに、イメージ画像を持つことです。 「いちご」といったキーワード一つなら、すぐに覚えられます。 ですが、それが一つ二つと増えてくるうちに、言葉だけを頭にいれようとしてもなかなか覚えられなくなってきます。日本史や世界史などを勉強していると、覚える項目が雪だるま式に膨れ上がって、暗記が追い付かなくなるのと一緒です。 でも、その単語一つ一つのイメージを具体的に思い描くことで、頭に記憶されやすくなります。 人がものを記憶する時は、なるべく、様々な脳の部位を使って記憶するのが良いとされます。 単純にキーワードに対しては、左脳記憶が刺激されます。そのキーワードをきちんとイメージして絵にすると、視覚的な右脳記憶が関与することになります。そうして脳全体を使って記憶することで、暗記が飛躍的に進むようになります。
イメージはとにかく感じたままに!
覚えたいこと一つ一つについてのイメージを、じーっと考えこんでいては、記憶するのに時間がかかります。何より、思いつきにくいものは、思い出しにくいに決まっています。 太宰治の文章に、こんな一節があります。
―風車が悪魔に見えた時には、ためらわず悪魔の描写をなすべきであります。また風車が、やはり風車以外のものには見えなかった時は、そのまま風車の描写をするがよい。 [引用元:青空文庫 芸術ぎらい 太宰治]
覚えたい事項についてのイメージは、太宰治の言うように、自分に見えたまま、思ったままでいいんです。思いついたまま、書き出してしまいましょう。 現に、『偏差値41から東大へ!宮口式「超」記憶術』で紹介されている、記憶術のプロ、宮口公寿さんの実際の例は、「ペリーの開国要求」であれば、「ペリカンが大きく口を開けている」となっています。 暗記しなければいけない項目の内容が理解できていないものでも、とりあえず自分なりにイメージしてしまう。 そしてこのイメージを生かす方法が、場所法です。
人の記憶の特性を活かした『場所法』
記憶術の中でも、一番有用であるとされていて、記憶術のプロがよく応用しているのが、『場所法』という方法です。
場所法は暗記したい事項を現実でも空想でも空間(場所)に配置して覚える記憶術 [引用元:場所法]
のことを言います。 以前にstudyhackerでも、「テクニックで記憶しろ!古代ローマ人に学ぶ「メモリー・ルーム記憶術」」 で紹介しています。 場所法が記憶術の中でも特に有用とされている理由は、長期記憶となりやすい“場所、空間”の記憶を利用しているからなんです。 メモリー・ルーム記憶術では、覚えたいことを、頭にイメージした部屋の中に配置して記憶していました。 宮口式記憶術では、実際の自分の家の周りの道のりをつかって、イメージ化した暗記項目をその中にはりつけるイメージで配置することで、記憶することが提唱されています。 場所ならなんでもいいんです。 要するに、記憶術のカギは、 ①イメージ化 ②空間に配置する ということになります。
記憶術のルーツは紀元前のシモニデス、という人にまでさかのぼるほど、ながーい歴史があります。
それほど長きにわたって研究、提唱している人がいるということは、一定の実績があるということ。今まで記憶術を避けていた人は、今回紹介したイメージ化を利用した記憶術、さっそくやってみませんか。
私もフランス語を勉強している時に試してみましたが、全然覚えられなかった仏単語が、すんなり覚えられるようになり、もっと早くから知っていたらなあ!というのが正直な感想です。
(画像は、実際にやった時のものです。山に関する単語がたくさん出てきて覚えにくかったので絵にしてみたら、その後文中で出てきた時もすぐに思い出すことができました。)
ぜひ、試してみませんか。
参考・引用サイト 場所法 シモニデス【BC500年頃 古代ギリシア】
参考文献 著 トニー・プザン 監訳 近田美季子/株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン/2009/『マインドマップ記憶術』 宮口公寿/株式会社PHP研究所/2011/『東大に合格する記憶術(PHP新書 768)』 宮口公寿/株式会社講談社/2010/『偏差値41から東大へ! 宮口式「超」記憶術』

