時間がないけどやることはたくさん……そういうときに「もっと要領よくなれたらなあ」と思ったことはありませんか。インバスケット思考法を身につければ、論理的思考能力だけでなく、段取りよく物事を進める能力も身に付きますよ。
インバスケット思考法って?
「インバスケット思考」とは多数の案件に優先順位を決めて取捨選択をし、限られた時間内で処理していく思考法のことです。短時間で多くのタスクを処理していくために、どのように仕事を進めていくか、優先順位をどのようつけていくべきかが問われます。 これは実際に昇進の際や、就職活動の際にもケース問題を通して問われる能力です。
実際に以下のケースを見てみてください。
あなたが出張から戻ると、いくつかの案件がたまっています。 下記の案件の処理順番を設定してください。 A.取引先からのメール 昨日、納品されるはずの商品が納品されていないと取引先から連絡 B.上司からメール 出張費精算の計算ミスの指摘。大至急、訂正の上、提出の事 C.上司からのメール 他営業所でパソコンがウイルスに感染しデータが流出した事故があったという情報 D.総務部からのメール 来月の社内旅行の参加申し込み(昨日で期限切れ) ------------ あなたが処理しなければならないと考える優先度1位と2位の組合わせを選んでください。 【選択肢1】 1位 B 2位 A 【選択肢2】 1位 B 2位 D 【選択肢3】 1位 A 2位 D 【選択肢4】 1位 A 2位 C
(株式会社インバスケット研究所|ミニインバスケット問題)
この問題には「絶対」という正解はありません。しかし、そこに正解を出すまでの思考法には「絶対」ではありませんがおおよその正解といえるものがあります。
インバスケット思考法の身につけ方
インバスケット思考法を身につけるために重要なポイントが2つあります。 それは、 ①緊急度 ②重要度 の2つです。 この2つを軸に案件を分類すれば、どの順番で何をやるべきかが見えてきます。 先ほどのケースを例にとってみてみましょう。 まずAですが取引先からのメールですので重要度は高め、また、こちら側のミスであり、信頼にもかかわる問題ですので緊急度も高めです。 次にBの上司からのメールですが、出張費精算なので重要度は低めです。また、大至急提出の事ですが、ほかに急ぎの案件があれば緊急度も低めでしょう。 一方、Cの上司からのメールはデータが流出した事故ですので、重要度も緊急度も高めです。 そしてDの総務部からのメールは社内旅行の参加申し込みですので重要度は低め、また、期限が昨日までではありますが、緊急度もそれほど高くはないでしょう。
とすると、真っ先に取り掛かるべきはAとCということになります。 Dは簡単だし、Bは急ぎといわれているし……と目先の情報や楽さにきを奪われると、ついつい判断ミスを犯しがちですが、このように基準に沿って考えてみると、本当の正解が見えてきますね。
*** どうでしょうか。このような考え方はビジネスの場においてだけでなく、私生活でのタスクや勉強の段取りにおいても応用できるものです。ネット上にもたくさんケース問題はありますし、書店にも参考書はあるので、是非勉強して役立ててみてくださいね。
(参考) exciteニュース|一分一秒争う医療現場で必須な能力「インバスケット思考」とは 株式会社インバスケット研究所|ミニインバスケット問題

