自己啓発本が役に立たない不思議。“残念な読み方” を解消する3つのヒント 

自己啓発本をよく読むが、仕事にうまく役立てられている実感がない……。 読んでいる最中には「面白い!」と思っても、読んだ後にはきれいさっぱり忘れてしまう……。 自己啓発本には、果たして本当に意味があるのだろうか?

自己啓発本を読む方の多くは、「成長したい」という意欲をお持ちなのではないかと思います。ですが、本を読んでも日々の仕事や生活につなげられない、というのはよくあること。どうすれば、自己啓発本の内容を自分の血肉にすることができるのでしょう。今回は、「本当に役に立つ自己啓発本の読み方」についてご紹介します。

自己啓発本が“役に立たない”のはなぜか?

そもそも、自己啓発本が役に立たないと感じてしまう原因は何なのでしょうか? ブランディング戦略アドバイザーとして世界で活動し、大学や国際カンファレンスでも講師をおこなう長谷川雅彬氏によれば、自己啓発本を読み、その内容を実践できる人は、全体の約1%ほどしかいないという説があるのだとか……。

自己啓発本をたくさん読んでも成果があがらない理由は、次の2つです。

理由1. 行動に移せないから

自己啓発本を読むと、頭で理解しただけで終わってしまう。一時的にやる気や高揚感が高まるが、それ以上のことはない。そんな心当たりはありませんか? これでは、本の内容が役に立つはずなどありません。

自己啓発本の名著として知られる書に、スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』があります。習慣化コンサルタントの古川武士氏によれば、この本は多くの人に読まれているものの、実際にその内容を習慣化できている人は少ないのだそう。このことについて、古川氏は以下のように述べています。

「論語読みの論語知らず」という言葉があります。論語を読んでいても頭で理解しているだけで、生き方に反映されていない、という意味です。『7つの習慣』読者にも似た傾向を感じることがあります。多くの場合、論理的な理解(頭だけの理解)で止まってしまいがちです。

(引用元:プレジデントオンライン|"自己啓発本"を読んでも啓発されない人々)太字は筆者にて施した

古川氏は、「頭で理解し、日常で実践して、気づきを得る」というプロセスを繰り返さなければ、コヴィーの説く7つの習慣は身につかないと言います。このことは7つの習慣に限ったことではないでしょう。自己啓発本の内容を頭で理解しても、実践に移さなければ、本を読んだ意味はなくなってしまうのです。

理由2. 読者と著者は別人だから

前述の長谷川氏は、こう述べています。

一般的な成功本は、筆者が「俺はこうやったからうまくいった!」という内容を共有する形式を取っています。ただ、それは彼らが成功した方法であって、読んだ人が成功する方法ではありません。本で語られる成功法則は、著者が自分の記憶を振り返って「これが成功の理由のような気がする」と結論づけた感想にすぎないのです。

(引用元:東洋経済オンライン|成功者の著書をまねしても「成功しない」理由)太字は筆者にて施した

違う人間であれば、モチベーションの源、思考スタイル、性格、環境、得意・不得意、行動の習慣、等々たくさんの条件が違って当然ですよね。もちろん、読者が著者の経験を真似ることに全く意味がないわけではないでしょう。ですが、「著者が言っていることを自分にまるまる当てはめて考えよう」とすると、かならず無理が生じます。そんなことをしても「なんだ、結局自分には役立たないじゃないか」という結末を迎えてしまうのです。

自己啓発本の「本当に役に立つ読み方」を実践してみた

そこで今回は、ベストセラー『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者である西岡壱誠氏や、1日に20冊の本を読む大の読書家であるメンタリストDaiGo氏の読書法を参考に、自己啓発本を行動につなげるための3つのコツを導き出しました。

1. 本を読む目的を明確にする 2. 得た知識について「ひと言」でまとめる 3. アクションを1つ決めて実践する

そして筆者自身、この3点を押さえた「本当に役に立つ自己啓発本の読み方」を実践してみました。やってみた感想などを交えながら、その詳しい方法についてお伝えしていきます!

1. 本を読む目的を明確にする

メンタリストDaiGo氏が勧める読書法のひとつに、得たい知識を3つ決めてから読むという読み方があります。その狙いは、目的をはっきりさせることで無駄読みを防ぎ、効率よく知識を身に着けること。何を知りたいかを事前に決めておけば、知りたかったことの答えを探しながら本を読むようになるので、「漫然と読み進めてしまう」ことがなくなるのです。

とは言え、「特に目的を決めずに本を読み始めた」「なんとなくピンときたからその本を選んだ」、なんてこともありますよね。そんなときは、まず目次を見て、自分が気になる箇所を3つ選んでみましょう。

筆者は今回、大ベストセラーの『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』を読んだのですが、まず目次から以下の3つを気になる箇所としてピックアップしました。

・なぜ「人は変われる」なのか ・すべての悩みは対人関係の悩みである ・人はいま、この瞬間から幸せになることができる

そして、この3つのポイントに関連した内容を中心に読み進めていきました。その結果、ただ何となく読む場合に比べて、本に書いてある内容をはっきり理解できるということを実感! と同時に、目的を設定せずに読んでいた今までの読書は、ただ単に文字を追うだけの読書であったことを痛感しました。

さらに、必要がないと思った項目は飛ばして読んだり、自分が必要としている知識に限定して読み進めることもできたりしたので、非常に効率が良いと感じました。本を一冊読むのにかかる時間が劇的に短縮できるうえ、目的に沿ったポイントを重点的に読むことで理解を深められます。とても「ラクな読書法」だと言えるのではないでしょうか。

一冊の自己啓発本から必ずや収穫を得たい方は、まず得たい知識を3つに限定してみてください。読書に慣れていなければ1つや2つでもOKです! ぜひお試しください。

2. 得た知識について「ひと言」でまとめる

ひと言でまとめる」。本を読んだ後で内容を要約してみるのです。もしそれができなければ……その本は読めていないと言っていいでしょう。「後からまとめなければならない」と思って読み進めることで、インプットの質が上がるのです。

(引用元:StudyHacker|偏差値35から “読書で” 東大合格! 最強の『東大読書』の真髄を探る。

このように述べるのは、読書法の工夫によって東大合格を成し遂げた西岡壱誠氏です。ひと言でまとめるとなると、「自分の言葉」で、本に書いてある内容を説明できるようになる必要があります。単に文字面を追うだけでなく、読了後に内容を自分でまとめようという意識を持ちながら読み進めることで、「本で読んだ内容が知識として定着する」ことを狙うのです。

例えば筆者は、先ほど設定した3つのポイントについて、内容を次のようにひとことでまとめてみました。

・なぜ「人は変われる」なのか →【自分の意味づけや、世界の見方次第で人生は変えられる】 ・すべての悩みは対人関係の悩みである →【人の悩みには、「自分の存在が否定されることの怖さ」が根底にある】 ・人はいま、この瞬間から幸せになることができる →【主観的な感覚である「他者への貢献感」を持てるようになることで、人は今この瞬間から幸せになることができる】

筆者はこれまで、読書の後に自分の言葉でまとめ直すことをあまりしてきませんでした。ですが今回、内容をひと言でまとめるために、書かれていた内容について頭を使って考えたので、より記憶に刻まれた実感があります。今まで、とても受動的な読み方をしていたのだなということに気づかされました。

3. アクションを1つ決めて実践する

最後にすべきことは、自己啓発本を読んだ結果、今後どのようなアクションを起こすのかを1つ決めることです。

例えば筆者の場合、『嫌われる勇気』から先ほどのように3つの知識を獲得しましたが、その中で具体的なアクションに起こしやすそうな3つ目のポイントから、実行したいアクションを考えてみました。

・人はいま、この瞬間から幸せになることができる →まとめ【主観的な感覚である「他者への貢献感」を持てるようになることで、人は今この瞬間から幸せになることができる】 →アクション【明日から自分が他者に貢献したことを1日1つ書き出す】

「○○を意識する」とか「△△に気を付ける」といった具合ではなく、「1日1つ書き出す」というように、自分の生活の中でどう実践するのかを具体的に設定してみるのがコツ。どんなアクションなら実行しやすいか? という観点で考えてみるとよいでしょう。さらには、

・あれもこれもと欲張らずに、まずは1つだけ、行動を決めてみる。 ・もし、アクションしたいことがいくつかあったときには、優先順位をつけて高いものを1つ選んでみる。

ことも大切です。一度に多くのことを実践しようとして、かえって挫折してしまっては元も子もありませんから。

今回この方法を実践してみて、一冊の本から知識を得るのみならず具体的なアクションまで導き出すことができ、「役に立たない読書」とはお別れできそうだと実感しました。本の中で得たい知識を3つに絞り、そこから1つだけアクションを起こせばよいのです。これなら気軽にこれからも続けていけそうです。

*** 「自己啓発本は役に立たない」と思っていた皆さん。本を読んだら、読んだ分だけちゃんと成果は出ますよ。本を読むのに費やしたあなたの人生の貴重な時間が成長に還元されるよう、ぜひ実践してみてください……!

(参考) ビジネス心理学|自己啓発本が役に立たない本当の理由 正しく血肉にする方法 東洋経済オンライン|成功者の著書をまねしても「成功しない」理由 東洋経済オンライン|仕事のできない人は不穏なセミナーにハマる 東洋経済オンライン|「残念な自己啓発」3つの落とし穴とは プレジデントオンライン|"自己啓発本"を読んでも啓発されない人々 岸見一郎,古賀史健(2013),『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』,ダイヤモンド社. ニコニコ動画|メンタリストDaiGoの心理分析してみた|初公開!速読多読術~1日20冊の本を読むための読書法 StudyHacker|偏差値35から “読書で” 東大合格! 最強の『東大読書』の真髄を探る。

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