どんな物事でも自らのエネルギーに変え進化していく人もいれば、事あるごとに停滞してしまう人がいます。その差は、もしかして「自己肯定感」の差かもしれません。自己肯定感が低い場合に現れる症状と、自己肯定感を高める2つの考え方、方法をご紹介します。

自己肯定感とはなにか

自己肯定感とは、「自分が、自分の価値を認める感情」のことです。自らの価値や存在意義を認め、自分のあるがままの姿を受け止めることを意味します。

小学校高学年の時期に重視すべきとされている発達課題のひとつですが、自己肯定感の低さを認識しないまま、その影響に悩まされている大人も少なくありません。

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自己肯定感の高低はどう表れるか

自己肯定感が高いと楽観的に物事を考えやすくなり、前向きな行動が可能になります。もちろん、それで物事に取り組む意欲も高まります。また、他者から評価される・されない関係なく自信があるので、自己開示しやすく人との関わりが多くなります。それにともない、より多くの有効な情報やアドバイスを得られる確率が高まります。

逆に、自己肯定感が低いと、自分に自信が持てなくなるので、あらゆることへの意欲が減退してしまいます。また、物事を悲観的に捉えやすく、新しいことにチャレンジする際には可能性よりもリスクばかりに注目してしまいます。それゆえに、なかなか前進できず、停滞してしまうのです。

自己肯定感が低いときに現れる傾向とは

人が生きる環境は決して一定ではなく、起こることも予測不可能です。つまり、人生にはいろいろな状況があるので、自己肯定感が高くなったり、低くなったりすることがあります。人材育成研究家でもある株式会社ネットマン社長の永谷研一氏は、自己肯定感が低いときに現れる傾向として、次の3つを挙げています。

1.人からの感謝の言葉を素直に受け止められない
自信を持てず【不安】を抱えているため、人から「ありがとう」と感謝されても「何か裏があるのではないか」と勘ぐってしまう。

2.人からの忠告に「怒り」を覚えてしまう
人から注意や忠告などされると、助言ではなく非難と受け止め、【怒り】を覚える。

3.失敗をしたとき、つい言い訳をしてしまう
【恐れ】を抱えているため、自分の失敗を素直に受け止められない。「時間がなかった」「忙しかった」というような言い訳、あるいは「私は悪くない」「○○さんのせい」などと責任を転嫁してしまう。

つまり、自己肯定感が低いときに現れる傾向とは、三大マイナス感情「不安・怒り・恐れ」に支配されてしまうこと。何かひとつでも思い当たることがあれば、次に紹介する2つの方法をお試しください。

自己肯定感を高める2つの考え方と方法

1.自分の感情と会話を持つ

永谷氏によれば、自己肯定感を高めるには“自分の感情と素直に会話をするテクニック”が必要とのこと。「本音ではどう思っている?」「いまどんな気持ち?」と、自分で自分の感情に問いかけてみるのです。

たとえば問いかけに対し、「よくわからない」「なにも感じない」「イライラしてる」「落ち込んでいる」「うれしい」「心配」「あせってる」「もういやだ」といった気持ちが返ってきたら、それを、そのまま書き留めておき、あとで読み返します。それだけで、自分の感情を客観的に見つめる訓練になるのだとか。ただし、その内容に対して良い・悪いの評価はしません。

この行動は、不安・怒り・恐怖などネガティブな感情を抑制してくれる脳の前頭前野を強化する行動、「感情の観察」と共通しています。自分自身と向き合うことで、心を落ち着かせるのです。

永谷氏は、「感情の観察を行っていると、自分を肯定的に捉えられるようになり、前向きな行動につながりやすくなる」と述べ、「自己肯定感を上げるための第一歩は、自分の心と客観的に向き合うことだ」と説明しています。

2.他人をリスペクトする

逆に、精神科医・対人関係療法専門クリニック院長の水島広子さんは、自己肯定感を高めて自信を回復するカギとして、他人をリスペクトするようアドバイスしています。相手に目を向けてリスペクト(尊敬、尊重)していくと、不思議とそれが自分にも及び、自己肯定感が高まってくるのだとか。

ただし、ここでいうリスペクトとは、「相手の事情を重んじる」ということ。たとえば、自分に対して“感じが悪い”と思える人がいたら「嫌な人」と受け止めず、「いろいろな事情がありながら、一生懸命生きている」と受け止めるのです。

少し難しくも感じますが、他人をリスペクトするよう心掛けていると、毒素をため込まないようになり、自分自身に対しても「自分はダメな人間だ」とは思わなくなるのだとか。そして、「自分にも事情がある」「傷ついて大変だったね」と思えるようになるそうです。

自分を肯定するということ

永谷研一氏は「自分」、水島広子さんは「他人」と、出発点は異なる対象と向き合いますが、いずれも最終的には、“ありのままの自分を受け入れる”ということにつながります。ここで重要なのは、他人も自分も、誰もが羨むような成功者や、誰からも尊敬される人物ではなくとも観察して受け止め、リスペクトして受け止めるということ。

自己肯定感が低いと「もっと他者から認められたら、いろんなことが可能になる」と思いがちですが、いまの自分のまま自信を持てば、その考え方が無意味だとわかるはずです。誰もが、いまこの時点で自由に選択し、行動できます。成功や尊敬はその結果として表れたもの、ということです。

まずは、自分のありのままの価値をそのまま認め、前へ進む勇気を備えましょう。

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国立青少年教育振興機構が実施した調査結果(平成24年度調査)では、自然体験や生活体験が豊富な青少年ほど自己肯定感が高かったそう。 大人でも、キャンプやハイキングなど自然体験のほか、あらゆる場に出向き体験を増やしていくことが有効かもしれません。ご紹介した2つの方法とともに、ぜひお試しください。

(参考)
国立青少年教育振興機構|自己肯定感とは
ケンカツ!|自己肯定感を高める【対人関係療法】とは?自信回復の近道は「相手を尊敬する」
東洋経済オンライン 経済ニュースの新基準|「自己肯定感」が低い人に現れる残念な症状 リーダーシップ・教養・資格・スキル
日経ウーマンオンライン|自己嫌悪やイライラさよなら!ほめ手帳&振り返りノート|今のこころの状態、上向き?下向き?