手を動かす前に頭を動かせ! 劇的な生産性向上を生む『仮説思考』の技術

皆さんは、仕事上で何か困った事が起きた場合どのように対処していますか? どうして問題が起きてしまったのかひたすら原因を追究したり、解決のためのデータをやみくもに集めたりしていませんか。

もしかすると今回ご紹介する“仮説思考”を会得すれば、もっとスマートに問題解決ができるかもしれませんよ。仮説だなんてなんだか科学っぽいと思うかもしれませんが、簡単に言えば、最初からあたりをつけてゴールを予想しておくことなのです。

今回はビジネスで活きる仮説思考についてご紹介しましょう。

仮説思考=仮のゴールを設定し、実行・検証・修正を繰り返すこと

仮説思考とは、一般的には以下のような思考をさします。

限られた情報の中から、目標の達成・問題解決に向けた仮の結論(仮説)を持ち、その仮説に基づいて情報収集をし、仮説の実行、検証、修正を行っていく思考法

(引用:GLOBIS MANEGEMENT SCHOOL|仮説思考

つまり、問題が起こった場合に、まず問題解決のための仮のゴールを設定し、それが正しいのかどうか実行・検証・修正を繰り返す思考法ということです。以下の4つのサイクルを回すことで問題の解決にあたります。

  1. ファクト(事実)の収集・整理
  2. 仮説の構築(問題の定義、論点の設定)
  3. 仮説の実行・検証
  4. 仮説の修正

難しく感じるかもしれませんが、日常生活でも無意識に仮説思考を行っていることもありますよ。

例えば、飲み会で酔って帰り、翌日起きたら携帯がなかった。しかし、記憶はところどころ曖昧であり、どこでなくしたのかはわからない。こんな時、一緒に飲んでいた友人からできるだけの情報を聞き、想定される帰宅ルートからどこにあるのかを検証し始めるでしょう。そして、この場所で一度携帯を使ったはずだから、このあたりで落としたに違いないとゴール(=仮説)を想定して探しますよね。

このようなこともある意味仮説思考なのです。

仮説思考のメリットは課題解決の効率と質が上がること

ではなぜ仮説など立てて動かなくてはいけないのでしょうか。その理由は仮説思考に以下のメリットがあるためです。

1. 論点を絞ることができ、問題解決の効率が上がる(効率向上) ビジネスでは様々な側面から問題解決にあたる必要があるため、一瞬で答えが出る問題は少ないはず。また、問題が発生した状況下でやみくもに動いても答えにはたどり着かないでしょう。しかし、論理的に考え仮のゴールを予想する、仮説を立てることで、本当のゴールへ到達できる時間が早くなるのです。

2. もし仮説が間違っていたとしてもその間違いの意味を深く理解することができる(理解の質の向上) すでに仮説を立て青写真を描いている状態であれば、たとえその仮説が間違っていたとしても、事実との差異から、仮説のどこが違ったのか、なぜ違うのかをより深く理解できます。ただなんとなく答えを出して失敗した状態では、このような深い考察は行えないのです。

また仮説思考は、プレゼンや上司への報告などの「人に伝える」というフェーズでも威力を発揮します。例えば、込み入った入札状況下でチームとしての結論を伝える場合、「今回の案件に対する結論は△△です。先日A社からの新しい提案がありました。そこで○○より、××という仮説を考えました。しかし、それでは◇◇を達成できないので、修正し△△という結論に至りました」という伝え方をすることで、結論とその理由がとてもスマートに相手に伝わるでしょう。

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仮説思考は情報が足りていないと思われる状態でもとりあえず立案する

先ほどの例では、仮説思考は日常生活でも無意識に行われていると言いました。しかしビジネス上での問題となると、実はほとんどの人が仮説を立てることを放棄しています。なぜならば「まだ仮説を立てる為のファクト(事実)がそろっていない」と考えてしまうからです。

そこで、手持ちのファクトが少ない状況でもある程度の分析を論理的に行い、とりあえずの仮説を立ててしまいましょう。その際、仮説の精度は低くてもまったくかまいません。大切なのは、立てた仮説を検証し、修正していくことなのです。それこそが仮説思考の真髄です。

では具体的にどうすればよいのでしょう。仮説を立てる上で、実際におすすめしたいのは、仮説を図にすることです。私が大学の研究で教授から教えてもらったことは、「ゴールを予想しておくこと」でした。データ結果からまとめられたグラフがどんな線を描くのかを予想し、こうなるのではないかという図を具体的にグラフに描いておきます。もし予想と違う結果が出れば仮説が間違っていることがわかるし、結果から漂う微妙な違和感を感じることができれば、それが大発見につながるかもしれないからです。

ビジネスに置き換えてみましょう。例えば「高級腕時計Aのプロモーションをどの層に仕掛けるか」を決めるとします。そこで、経済力と節約度を軸にしたグラフや図を描いてみるのです。すると、現状は「経済力があり、節約を意識していない」層が一番の顧客ですが、もしかしたら「金利ゼロで3年払い可能」であれば、「経済力があり、節約を意識している」層が購買層になるのではないか? などと図の中で仮説を立てることができます。

仮説思考はこのように問題解決にとても強力な思考方法です。しかし、使いこなすには少々慣れが必要です。そこで、毎日のなにげない疑問や、簡単な業務レベルから「もしこうであったなら結果はこうなるよね?」と、仮説を立てて考えるくせをつけましょう。仮説思考を使いこなして、日々の仕事の質と速度を上げていきましょう。

(参考) DIAMOND online|3分でわかる仮説思考!結論から考えて、問題の全体像を一気につかむ GLOBIS MANEGEMENT SCHOOL|仮説思考

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