会議やディスカッションをしている時。いつの間にか話題がそれてしまったこと、話が噛み合わなくなっていたこと、ありませんか?
「いやいや、それは全然違う話だろ」「なんで今その話出すかなー……」相手にそう感じてしまうことが、しばしばあるかもしれません。相手の発言は直しようがありませんが、せめて自分だけでも、そんな「外れた」発言はしたくないものです。
今日は話し合いの時に的外れな発言をしないために、誰もがやってしまいがちな「詭弁リスト」をご紹介しましょう。
「詭弁」ってなに?
詭弁というのは、「全く正しくないのに、うまいこと言って正しく見せかけている議論」のことです。実際のところ誤っているので、ちょっと考えて反論してやれば崩壊します。しかし、咄嗟に言われると言葉に詰まってしまったり、なんだか正しいような気がしてしまうのです。でも、大丈夫。前もってパターンを知っておけば、自分がそんな誤りを犯すことはありませんし、相手の詭弁にも対抗できるはずです。
大前提として:ゆっくり相手の目を見て話そう
詭弁が使われるのは、議論がヒートアップした時です。まさに、売り言葉に買い言葉という状態ですね。口喧嘩をしていたわけではないのに、相手に勝とうとしてしまう。これが原因なのです。詭弁が出てこないような、冷静な議論を進めるためのコツはたった一つ。ゆっくり冷静に話すことです。
相手が意味のわからない発言をしても、すぐには反論しないでおきましょう。一度頷いてから、相手の目をみつめ、一呼吸おいてからゆっくり話し始めるのです。会話は言葉のキャッチボール。両方がめちゃくちゃに投げ合うから、混乱してしまうのです。どちらかが上手にブレーキをかけてあげれば、そんなことは起こりません。この工夫で、相手も自分も詭弁を始めずにすみます。
それでは、早速詭弁のパターンを見ていきましょう。ひょっとすると、意識せずに使っているものがあるかもしれません。
詭弁のパターン1, 「ストローマン」
ストローマンとは、相手の言い分を、都合のいいように言い換えて相手の主張をねじ曲げることを指します。
花子「私は民主主義に反対だ」 太郎「もし民主主義がなければ、人民は自分の意見を言えず、政府の圧政に苦しむことにあんるだろう。それでもあなたは民主主義をなくせというのか」
太郎くん、行き過ぎです。花子さんは「民主主義に反対だ」という自分の意見を述べただけなのに、太郎くんはそれを「花子さんは民主主義をなくせと主張している! 」とねじ曲げてしまっています。こんな風に、相手の主張を誇張して喧嘩腰になること、結構ありますよね。
自分が花子さんの立場だったら、どうすればいいでしょうか。そんな時は、ゆっくり一呼吸おいた後に「わたしの主張がどんなものだったと理解していますか? 」と聞いてみましょう。相手に自分の主張がどんなものだったのか再確認させるのです。
パターン2, 「である-べきであるの混同」
太郎「わたしたちは今まで一緒に暮らしてきた。これからもそうすべきだ」 花子「……」
太郎くん、今度は必死ですね。このように「XはYである」という文から「XはYであるべきだ」という文を導き出してしまうことを「である-べきであるの混同」と呼びます。こんなことを言い出したら、なんの変更もできなくなってしまいますよね。もしこんなことを言ってしまいそうになったら、「べきである理由」をもう一度考え直して見ましょう。もし相手がこの詭弁を使ってきた時には、しつこく理由をたずね、なぜ「べきである」が導かれるのかを追究してやりましょう。
花子「どうしてこれからもそうすべきなの? これまでとは違うんじゃないの? 」 太郎「……」
パターン3, 「誤った二分法」
太郎「君と結婚できるか、それとも死ぬか。二つに一つなんだ! 」 花子「……」
もちろん、太郎くんの選択肢には、フラれても生き残る、他の女の子にアタックする、などいろいろなものがあります。それを隠し、自分の有利なように議論を進めようとしているのです。このような詭弁を使われた時には、第三の選択肢をこちらから示してやる必要があります。ただ、相手が議論に疲れていて、決議を早めたいだけの時もありますから、よく相手の様子をうかがいましょう。
花子「疲れてるのね。いったんお話はやめにしましょう」 太郎「……」
*** 人間は、理性的な生き物だと言われます。しかし、他人と議論をかわし、意見を交換していると、つい夢中になってしまい、感情的にものごとを進めたくなってしまうのです。そんなときは、議論の大前提を思い出しましょう。まずは一呼吸おいて、一度頷いてから、ゆっくり話し初めてみてください。
相手もあなたの真摯な姿勢を理解してくれるはずです。
参考 Wikipedia|詭弁 ShareWis Press|議論で詭弁を言われたときに言いたい3つの対処法-正しい議論入門-