なめこ栽培、パズドラ、ラインポップ……。 様々なソーシャルゲームが流行っていますね。
みなさんもなにか一つくらいはハマったことがあるのではないでしょうか。 手軽にできて、なかなかやめられない。 気付けば何時間もすぎていたなんて経験が私にもあります。 実は、このようなゲームは行動経済学に基づいた三つのポイントによって、やめられない仕組みになっているのです。 これを勉強にも応用できたらすごいと思いませんか。 今回は三つのポイントから、勉強をやめられなくする方法を探っていきます。
サンクコストによるやめられない感作り
過去のコラム、【「成功するまでやる」は間違い!? 成功を勝ち取るための3つの現実的な原則。】で紹介されていた、サンクコスト。このコラムでは悪者だったサンクコストですが、今度は味方に付けてしまいましょう。 サンクコストとは、
ある経済活動・投資活動にいったん投下され、その後にどのような決定(活動の縮小・中止など)を行っても回収することができない費用のこと。
(引用元:ITmediaエンタープライズ|情報システム用語辞典:サンクコスト)
これらは取り返すことができないにもかかわらず、その後の意思決定に影響を与えます。 ソーシャルゲームで言えば、それにかけた時間、費用のこと。長い時間、多くの費用が掛かっているほど、やめづらいという心理が働きますよね。 この理論によれば、勉強がめんどくさければめんどくさいほど、時間がかかれば時間がかかるほど、勉強をやめにくくなるのです 勉強したくない、めんどくさいと思ったときは、逆転の発想で、「よっしゃ、サンクコスト万歳!」と考えるといいでしょう。
保有効果による愛着作り
保有効果とは、
自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理現象のこと
(引用元:コトバンク|保有効果)
なめこで言うと、キャラ図鑑。自分で揃えたキャラクターたちを眺めるのが楽しく、ゲームをやめる=キャラ図鑑を捨てることになる気がして、ついついゲームを続けてしまいますよね。 これを勉強に適用するなら、保有するのは「自分が習得したこと」になります。 例えば公式、単語、文法など。 一度覚えたことを次に忘れているというのを損失として意識してみてください。この損失を回避しようという心理により、何度も学習し直す意欲がわいてくるでしょう。
同調現象によるつながり作り
同調現象とは、
同調現象とは、周りの人と同じ行動をしていると安心し、逆に自分が正しいと思っても他の人が異なる行動をしている場合には不安になるといった集団心理のこと。
(引用元:マーケティングWiki~マーケティング用語集~|同調現象)
ラインポップでは、友達の得点とランキングが表示されますよね。それを見て、「みんな頑張っているなあ。やっぱりこのゲームはそれほど面白いんだ」と思い、そのゲームを続けていくわけです。 勉強に適用するなら、友達と積極的に勉強の話をするといいでしょう。 同級生や、同じ試験に向けて勉強している友達と、勉強の進捗度合いについて話しましょう。 お互いに、「相手が頑張っているから頑張ろう」と、刺激し合えるはずです。
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いかがでしたか。 勉強がやめられない。 そんな嬉しい悲鳴が聞こえてくるよう、三つのポイントを実践してみてください。
参考 ITmediaエンタープライズ|情報システム用語辞典:サンクコスト コトバンク|保有効果 マーケティングWiki~マーケティング用語集~|同調現象 橋本之克(2014)「9割の人間は行動経済学のカモである」経済界