自分が何かを発信すると、反応が返ってきます。反応が返ってくると自分の実力を知ることができたり足りないところが分かったり、反応してくれた人と新たな関係性を築くことができたりします。声を出して相手の反応を見ることはとても大切です。
自分の実力を知りたいとき
勉強していると、自分の実力がどの程度なのか、知りたくなってくるときがあると思います。自分の実力を客観視するためには、声を出して反応を見る必要があります。その手段の1つが「模擬試験」。模擬試験に志望校を書くと、その志望校に合格する可能性がどの程度あるのか判定してくれます。声を出した(問題を解いた)反応(結果)を見て、受験生の中での自分の立ち位置を知ることができます。
大学受験に限らず、目標を掲げて頑張っている人は、目標到達までの過程で、何度か声を出してみることをオススメします。つまり、とにかくアウトプットするということです。たとえば仕事で、自分が興味がある新規事業が立ち上がることが分かった時。日本人は「良いなぁ」「やりたいなぁ」と思ってもなかなか声に出せません。そうすると、たいして実力も無いのに声ばかり大きな人が、パッとそのポジションを取ってしまうかもしれません。世の中には「声を出したもん勝ち」が多いのも事実なのです。
仮にあなたが「やってみたい」と勇気を出して声を出しても、スキルやあなたの部署の人員の様子など、色々な理由で断られたとします。でもそこで落ち込む必要はありません。今のあなたに足りない部分が分かった上に、周囲にはあなたがやりたい方向性や意欲が伝わりました。これが来年、あるいは数年後に、何かの形であなたに返ってくる可能性は大。
このように、声を上げる時に何も完全ではない状態でもいいのです。あなたの心の内を人に見せることによって、その反応などにより客観的な自分が浮かび上がり、今後どのように動いていくべきかが見えてくることでしょう。
仲間がほしいとき
勉強や仕事の仲間がほしいと思ったときも、声を出してみましょう。 素直に「一緒に勉強しよう」「こんなプロジェクトに興味無い?」と声をかけるのが王道ですが、少し性格の悪い(?)、自分にピッタリの勉強仲間を見つける方法もあります。それは、どんな仲間を求めているかによって、出す声を変えるという方法です。
たとえば、励まし合える仲間がほしいのなら、友人に「最近全然勉強に集中できなくてつらい」と少し弱音を吐いてみます。そのときにしっかり励ましてくれる友人は、一緒に勉強したら励まし合える仲間になりそうですね。 ダラダラした自分を変えたいと思っているのなら、友人に「最近ゲームばかりやっていて全然勉強していない」とヘラヘラしながら言ってみます。そのときに、自分のことを思って、嫌われるのを覚悟した上で厳しいことを言ってくれる友人は、一緒に勉強したら気が引き締まる仲間になりそうです。 自分が発した言葉への反応を見て、相手を知るということです。
【山彦試聴の術】
以上で説明した「声を出して相手の反応を見る」という方法。実は【山彦試聴の術】という忍術なのです。これは、偽りの声を出してみて、その反応を聞いて相手のことを見極める忍術。なぜ相手を見極める必要があるのかというと、味方だと思っていた人が敵だった、というケースがあるからです。 内部に敵のスパイがいるかもしれない、と思ったら、敵が有利になるような偽りの情報を内部の人だけにわざと流します。その情報通りに敵が動けば、スパイ疑惑のあった人物が敵にその情報をこっそり教えたということがわかります。 すなわち、偽りの声を出してみることによって、スパイ疑惑のあった人物の正体を暴くことができるのです。
忍者の仲間の中にスパイがいては、自分のみならず多くの仲間の命まで危険にさらされている状態。だからこそこのような忍術が生まれたのですが、この作戦を応用して、あなたにとって本当に有効な相手や方法を探し出しましょう。
*** いかがでしょうか。 現代忍者としてこの忍術を使う場合、大事なのは「“偽りの”声を出す」ことではなく、「声を出すことにより、相手の反応をしっかり見る」ことです。相手の反応を見ることだけではなく、声を出すことにより世界が広がっていることをぜひ実感してください!
【参考資料】 「山彦試聴の術」 行動力で成功する人の7つの習慣 「さあ◯◯を始めてみよう」と口に出して言う
人を創り組織を創る-個人と組織を強くする 声を出してみる-その効果のほどは?

