「時間がない……」
そんな悩みを抱えている方はとても多いはずです。毎日のしかかってくる仕事を片付けているうちに気づいたら夜になり、義務だけやって1日が終わってしまうと悲しくなりますよね。
その中でも自己投資やプライベートの時間はやはり取りたいもの。そんなときに使える、自分の自由にできる時間を作り出す方法についてご紹介します。
重要なのは、逆算すること、時間の固定費を削ることです。
レバレッジ・スケジューリングとは
日々のタスクに追われる中で、重要なことも重要でないこともごちゃごちゃになって、時間が過ぎていくのはとても焦りますよね。そんな状態の打開策として、レバレッジ・スケジューリングがオススメです。
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEOでシティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場に導いた本田直之さんは、著書『レバレッジ・シンキング』の中でスケジューリングの方法「レバレッジ・スケジューリング」について次のように述べています。重要なのは、逆算することです。
まずゴールを決め、現状からゴールまでを俯瞰し、逆算思考でタスクを決めます。 これはスポーツで言えば、試合の日程が決まっているようなものです。試合の日程が設定されると、そこにコンディションのピークを持ってくるよう、逆算思考で、いつまでに何をやるかを決めていきます。日程が決まった中で、対戦相手に勝つ、タイムをアップするなどの目標もでき、苦しいトレーニングに耐えられます。
(引用元:本田直之(2007), レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術, 東洋経済新報社)
ここで、ゴールをなるべく明確にしておくことも重要です。「重要なこと」、「重要でないこと」の基準は、ゴールによって異なります。
例えば、資格試験の合格が第一の目標ならば勉強の優先順位が高くなりますね。体力をつけることを目標にするなら、筋トレやジョギングの優先順位が上がるでしょう。
まず向かうべきゴールを決めた上で、なるべくズレないように逆算してスケジューリングしていくのです。その際、どんなに大きな目標も行動可能なレベルまで分割しましょう。
また、次の日にタスクに取り掛かる時間を前もって「天引き」しておく習慣をつけてしまいます。 「明日は9時から10時まで勉強して、それ以外の時間でプレゼンの準備をする!」など、自分にとって何が重要なのかをベースに次の日から前もって時間を確保するのです。そうしないと「緊急ではあるが重要でない作業」に時間を取られ、目標の達成ができなくなってしまいます。
天引きする時間は、「寝る前の30分」など毎日同じ時間に設定した方が習慣化しやすいですよ。
「時間の固定費」を削ろう!
普段の生活で一定の時間を無駄にしてしまっているなら、まずはその時間を有効活用できないかを考えます。 例えば、片道1時間の電車の中。往復で2時間、1週間のうち5日利用するとなると週10時間です。
一般に簿記3級合格に必要な時間は50~100時間程度と言われています。つまり、50日間通勤電車を勉強にフル活用できれば、それ以外の時間を1秒も無駄にせずに簿記3級に合格できることになります。
今まで盲点になっていた時間を洗い出すと意外なところで大きな時間を失っているかもしれませんよ。もし、勉強になんか使いたくないという場合は、スマホでyoutubeを見るなど娯楽に使うのも良いかもしれません。すると、「最近全く娯楽に触れられてない……」といった気持ちが薄れるため、間接的に他の時間で勉強しやすくなるでしょう。
とにかく、無駄な時間を減らすのが大事です。普段、電車で何かすることがないという人は、一度試してみてください。習慣化してしまえば、むしろなんで今まで何もしていなかったんだととても後悔してしまうくらいに、電車の中は有効活用できる時間ですよ。
他の場面でも「時間の固定費用」を削ることはできます。有効活用できる時間を見つけるコツは「ながら」です。電車に乗りながら勉強、髪をとかしながら英語のニュースを聞くなど、「ながら」で何かできないかを考えてみましょう。
1日の中で時間を有効活用しているうち、どんどんできることが増えていくのが実感できるでしょう。
*** なかなか時間についてじっくり考える機会はありませんが、一度考えてみると毎日がより楽しく、生産的になります。逆算すること、時間の固定費を削ることにフォーカスして、ぜひ明日の予定を見直してみてください。
(参考) 本田直之(2007), レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術, 東洋経済新報社 スティーブン・R・コヴィー(2013), 完訳 7つの習慣 人格主義の回復, キングベアー出版 StudyPro|日商簿記3級の勉強時間は?